ついに肉体は無感覚で終わりました。
梶井基次郎 / Kの昇天――或はKの溺死 ページ位置:99% 作品を確認(青空文庫)
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死ぬ
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前後の文章を含んだ引用
......と共に沖へ運ばれました。感覚はまだ蘇えりません。次の浪が浜辺へ引き摺 りあげました。感覚はまだ帰りません。また沖へ引き去られ、また浜辺へ叩きつけられました。しかも魂は月の方へ昇天してゆくのです。 ついに肉体は無感覚で終わりました。干潮は十一時五十六分と記載されています。その時刻の激浪に形骸の翻弄 を委 ねたまま、K君の魂は月へ月へ、飛翔 し去ったのであります。
単語の意味
肉体(にくたい)
肉体・・・肉から構成されている体。生きている人間の体。生身の体。
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死ぬの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼女の魂は、おそらくはしかるべき段階を経て、 70 年間連れ添った古巣の身体を永遠に離れてしまった
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
巻かれていた時計のねじがだんだん緩んで、モーメントが限りなくゼロに近くなり、やがて歯車が最後の動きを止め、針がひとつの位置にぴたりと停止する。沈黙が降りる。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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(赤んぼうの生まれた家。家は)なまぬくいお櫃の蓋を取ったときのような、 饐えた匂いがする。赤子のおむつのせいか乳の匂いなのか。
向田邦子 / 男眉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
女の体は既に屍体の外観を現わし始めていた。息が沼から上る 瓦斯 のように、ぶつぶつ口から 洩れていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
人間が犬のごとくに死んでいる
坂口 安吾 / 白痴 amazon
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