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君は漁夫たちとひざをならべて、同じ握り飯を口に運びながら、心だけはまるで異邦人のように隔たってこんなことを思い出す。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:56% 作品を確認(青空文庫)
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上の空・心ここにあらず
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前後の文章を含んだ引用
......まれ君が育てられたその土の上に引き上げられた。 「死にはしなかったぞ」 と君は思った。同時に君の目の前は見る見るまっ暗になった。‥‥君はそのあとを知らない。

 君は漁夫たちとひざをならべて、同じ握り飯を口に運びながら、心だけはまるで異邦人のように隔たってこんなことを思い出す。なんという真剣なそして険しい漁夫の生活だろう。人間というものは、生きるためには、いやでも死のそば近くまで行かなければならないのだ。いわば捨て身になって、こっちか......
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