小さい軽便が海の方からやって来る。 海からあがって来た風は軽便の煙を陸の方へ、その走る方へ吹きなびける。 見ていると煙のようではなくて、煙の形を逆に固定したまま玩具の汽車が走っているようである。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:17% 作品を確認(青空文庫)
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電車・汽車
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前後の文章を含んだ引用
......を吐く煙突があって、田野はその辺 りから展 けていた。レンブラントの素描めいた風景が散らばっている。 黝 い木立。百姓家。街道。そして青田のなかに褪赭 の煉瓦 の煙突。 小さい軽便が海の方からやって来る。 海からあがって来た風は軽便の煙を陸の方へ、その走る方へ吹きなびける。 見ていると煙のようではなくて、煙の形を逆に固定したまま玩具の汽車が走っているようである。 ササササと日が翳 る。風景の顔色が見る見る変わってゆく。 遠く海岸に沿って斜に入り込んだ入江が見えた。――峻はこの城跡へ登るたび、幾度となくその入江を見るのが癖......
単語の意味
軽便(けいべん)
軽便・・・1.手軽に利用することができて便利なこと。
2.軽便鉄道の略。線路の幅が狭く、小型の車両を走らせる鉄道。
2.軽便鉄道の略。線路の幅が狭く、小型の車両を走らせる鉄道。
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