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塩鮭をジッと見ていると、なんだか哀れで涙が滲んでくる。《…略…》暗く落ちくぼんで悲しみをたたえたような目。恨みごとをつぶやいているように軽く開かれた口。憤懣やるかたないといったふうに突き出された下くちびる。依怙地そうに張っているエラ。陰険そうに突っ張った鼻柱。そして全身に漂う孤独感。  見ているうちに、なにかこう、暗い気持ちになっていくのを押しとどめることができない。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 ページ位置:67% 作品を確認(amazon)
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鮭(鱒)
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前後の文章を含んだ引用
......おじさんに送り、中華ランチBを本格的に食べ始めた。勇気をもって厚く切る塩鮭 塩鮭は哀れである。 というのは、ぼくの塩鮭に対する永年にわたる認識なのであります。 塩鮭をジッと見ていると、なんだか哀れで涙が滲んでくる。 なぜ哀れか、ということはおいおい申し述べるとして、歳末は塩鮭のシーズンなのですね。 歳末になると、塩鮭が町のあちこちに出没する。 塩鮭というものは、もともと一......<中略>......、軽はずみな感想を述べてはならぬ。 さて、その鮭であるが、塩鮭の形になった鮭というものは、実に哀れな感じがするものなのですね。 塩鮭をじっくり見つめてみよう。 暗く落ちくぼんで悲しみをたたえたような目。恨みごとをつぶやいているように軽く開かれた口。憤懣やるかたないといったふうに突き出された下くちびる。依怙地そうに張っているエラ。陰険そうに突っ張った鼻柱。そして全身に漂う孤独感。 見ているうちに、なにかこう、暗い気持ちになっていくのを押しとどめることができない。 じっと見つめていると、その身の上になにか不幸があったとしか思えないのだ。 釣りあげられて塩づけにされたのだから、「不幸があった」のは当然ではないかと人は言うか......
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憤懣(ふんまん)
憤懣やるかたない(ふんまんやるかたない)
やる方ない(やるかたない)
依怙地(いこじ・えこじ)
鼻っ柱(はなっぱしら)
しとど
鼻柱(はなばしら)
憤懣・・・イライラすること。怒りが発散できない状態。怒りを抑えられない気持ち。
憤懣やるかたない・・・とにかく腹立たしくてどうしようもないさま。何をして怒りが晴れない心持ち。
やる方ない・・・気持ちをスッキリさせる方法がない。わだかまりの心をどうすることもできない。
依怙地・・・頑なに自分の考えや行いを押し通そうとすること。また、そのさま。意地っ張り。片意地。意固地。
鼻っ柱・・・「絶対に負けるもんか!」という意気込み。負けん気。
しとど・・・雨や涙や汗などで、びっしょりと濡れるさま。
鼻柱・・・1.鼻の左右の穴を隔てている壁。鼻の障子(はなのしょうじ)。鼻中隔(びちゅうかく)。
2.鼻の中心にあって、鼻を隆起させている軟骨。また、鼻の隆起。鼻梁(びりょう)。鼻筋。
3.人と張り合って、「絶対に負けるもんか!」という意気込み。負けん気。鼻っ柱(はなっぱしら)。鼻っぱり。
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