白痴の子がだらしなく泣き続ける声と、叔父 が叔母を呼び立てる声とが、すがすがしい朝の空気を濁すように聞こえて来た。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:18% 作品を確認(青空文庫)
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遠くの音
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前後の文章を含んだ引用
......と勝手に好みをいった末に、りゅうとした一揃 えを借る事にして、それから葉子の衣類までをとやかくいいながら去りがてにいじくり回した。台所からは、みそ汁 の香 いがして、白痴の子がだらしなく泣き続ける声と、叔父 が叔母を呼び立てる声とが、すがすがしい朝の空気を濁すように聞こえて来た。葉子は叔母にいいかげんな返事をしながらその声に耳を傾けていた。そして早月家の最後の離散という事をしみじみと感じたのであった。電話はある銀行の重役をしている親類が......
単語の意味
清清しい・清々しい(すがすがしい)
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