おみやげ買ってくっから、と言い残して、尾崎はひかりの中へ消えていった。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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立ち去る
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......指についたチョコレートを器用に舐める。「聞いてないよ」「言ってなかったっけ」 尾崎は最後のひとかけらを口の中に放り込む。「まあ、そんなにたいしたことやないし」 おみやげ買ってくっから、と言い残して、尾崎はひかりの中へ消えていった。学生たちが抱く、明日からの休日への期待がたっぷりと溶け込んだひかりの中へ、広い背中が消えていく。「男が言うたいしたことじゃないって、女にとっては、たいしたことな......
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立ち去るの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼は、明るい光の中をはるかな遠い一点に吸い込まれていった。彼の背中が消える時、わたしは息苦しいほどに心細くなり、まばたきもせずにずっと遠くを見続けていた。しかし、その一点は雪の粒のようにもろく溶けてしまった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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首を倒すようにしてうなずいた
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
誰にもきこえないように泣いた。
林芙美子 / 新版 放浪記
前からやってきた女と思いきり肩がぶつかった。不意に力をぶつけられた女は横向きに倒れそうになるのをなんとかがんばり、しかしお尻はつかないまでも、思わずしゃがみこむような形になって、支えた手のひらにはコンクリートのぼこぼこした跡が白くついて、毛羽立ちみたいにうっすらとして皮もめくれた。
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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