TOP > 人物表現 > 記憶 > 思い出・思い出に浸る
TOP > 感覚表現 > 動き・反応・変化・現象 > 変わる・変化・変身
思い出は口から出て外気にふれたとたん変質してしまう。真空状態にとじこめてなんとか色を保っていたバラの花びらを外に出したときのように、みるみる茶色にしおれてしまう。箱つきならもっと高く売れたのに包装を解いて自分の手で触れてしまえば、たとえそれが一度きりでも大幅に値段の下がる年代物のおもちゃにも似ていた。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ ページ位置:58% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
思い出・思い出に浸る
変わる・変化・変身
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......。中学のときイチは昼休みにいつもサッカーをしていたけれど本当にサッカーが好きだったのか、イチが大嫌いだった宮元先生が担任になった中三のときどう過ごしたのか。でも思い出は口から出て外気にふれたとたん変質してしまう。真空状態にとじこめてなんとか色を保っていたバラの花びらを外に出したときのように、みるみる茶色にしおれてしまう。箱つきならもっと高く売れたのに包装を解いて自分の手で触れてしまえば、たとえそれが一度きりでも大幅に値段の下がる年代物のおもちゃにも似ていた。「じゃあ絶滅したドードー鳥について話そうかな」 私の言葉にイチが大きくうなずいた。「ああ、いいね。モーリシャス島にいた鳥だろ。乱獲で絶滅しちゃったんだよな、もっ......
ここに意味を表示
思い出・思い出に浸るの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(頭の中で過去を思い返して整理する作業を半年間毎日続けても)退屈や倦怠というものをまるで感じなかった。何故なら、僕が体験したその出来事は余りにも巨大であり、余りにも多くの断面を有していたからだ。巨大で、そしてリアルだった。手を触れられるくらいに。それはまるで夜の闇の中にそびえたつモニュメントのようだった。そしてそのモニュメントは僕ひとりのためにそびえていたのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
思い出が絵巻物のように繰り拡げられる
梶井 基次郎 / 檸檬・冬の日―他九篇 (岩波文庫 amazon
刻下の労苦がどこかに押しやられ、濾過(ろか)された花のように思い出だけが浮かぶ
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
苦しかった若い日の数々のできごとが、今となっては楽しい思い出に転化している
壷井 栄 / 草の実 (1962年) amazon
このカテゴリを全部見る
変わる・変化・変身の表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
飄々 風(ひょうひょう、かぜ)のごとき変動
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
このカテゴリを全部見る
「動き・反応・変化・現象」カテゴリからランダム5
(捕手が家になだれ込んできて)どどどっと、物凄い家鳴りが《…略…》暴風雨 のように起った。《…略…》まるで、地幅 が二尺も揺れているように、瓦が落ち、壁がくずれ、人間は、芋みたいに転がった。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
(蚊帳の中で)娘は、籠の鶯 が、小さい心臓へ水を浴びたように、ぱっと、向うの裾へ、逃げ屈んだ。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
「記憶」カテゴリからランダム5
記憶をめくり返して考え込んでいる
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
動き・反応・変化・現象 の表現の一覧
記憶 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ