目の縁 に憂いの雲をかけたような薄紫の暈
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:53% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
化粧・白粉をした顔
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......近寄って行った。倉地もさすがに、今さらその美しさに見惚 れるように葉子を見やった。天才が持つと称せられるあの青色をさえ帯びた乳白色の皮膚、それがやや浅黒くなって、目の縁 に憂いの雲をかけたような薄紫の暈 、霞 んで見えるだけにそっと刷 いた白粉 、きわ立って赤くいろどられた口びる、黒い焔 を上げて燃えるようなひとみ、後ろにさばいて束ねられた黒漆 の髪、大きなスペイン風 の玳 ......
単語の意味
憂い・愁い(うれい)
暈(かさ)
憂い・愁い・・・1.心を痛める。心配。(多くの場合、「憂い」を使用)
2.悲しみの気持ち。気が進まない。(多くの場合、「愁い」を使用)
2.悲しみの気持ち。気が進まない。(多くの場合、「愁い」を使用)
暈・・・1.光の輪。ときどき太陽を囲うようにできるドーナツ形の光。また、その現象。ハロ。
2.疲れたときに目の周りに出てくる黒いあざのようなもの。「暈」で「くま」とも読む。
2.疲れたときに目の周りに出てくる黒いあざのようなもの。「暈」で「くま」とも読む。
ここに意味を表示
化粧・白粉をした顔の表現・描写・類語(顔のカテゴリ)の一覧 ランダム5
コンパクトは飛ばされて、ねりかためられた粉も鏡も粉々になって割れてしまって、それは遠くから見るとひからびた小動物の骨のようにも見えた。
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
化粧を夜の灯の下で映える色味で仕上げる
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
蛍光塗料を塗りたくったような派手な化粧
小池 真理子 / 小池真理子のミスティ―小池真理子短篇ミステリ傑作集〈1〉 amazon
このカテゴリを全部見る
「顔」カテゴリからランダム5
紙のように光のない顔
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
瓜実顔の古風の人形か能面のような美しい顔立ち
坂口 安吾 / 白痴 amazon
「化粧」カテゴリからランダム5
三色版の夕焼け空のような頬化粧
獅子 文六 / てんやわんや amazon
お化粧すると、一枚ずつ薄皮がはがれて、きれいなあたしが現れてくるようで嬉しかった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
塗ったばかりのような赤い口紅が目に留まった。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
年齢は五、六歳上といったところだろうか。うっかりだぶついた手の甲に目を留めて、そう思ったが、顔はほとんど表情が埋め立てられてしまったかのように、リフティングや注射で張りつめていた。《…略…》ヘレンも美貌だが、頰や目尻といった感情の出やすい部分が動かないので、喋っていることが本音なのかどうか、つい考えてしまう。向かい合っていると、洋子自身の表情まで、そのコルセット風の顔に閉じ込められてゆくような感覚があった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
ピンセットで爪に星を落とす。極小の金色のひらべったい星は塗りたての薄紫のエナメルにぴたりとくっつき、繊細な作業をしたあとのピンセットの先は少し震えている。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
顔 の表現の一覧
化粧 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ