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(まだ実感がない)私にとって、えり子さんの死はまだ遠くにあった。まともに受けとめることができない。ショックの嵐の向こうから、少しずつ近づいてくる暗い事実だった。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:28% 作品を確認(amazon)
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悲しい・悲しみ
夢のよう・現実味がない
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前後の文章を含んだ引用
......そうになったからだ。心に満ちてしまう。 二時間かけて、私は夕食を作った。 雄一は、その間TVを観たり、じゃがいもの皮をむいたりしていた。彼は手先が器用なのだ。 私にとって、えり子さんの死はまだ遠くにあった。まともに受けとめることができない。ショックの嵐の向こうから、少しずつ近づいてくる暗い事実だった。そして雄一は、どしゃぶりの雨にさらされた柳のように打ちしおれていた。 だから、二人でいてもわざとえり子さんの死を語らず、時間や空間のなにがなんだかわからない度が......
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悲しい・悲しみの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
そのとたん激情に近い、哀切が胸にこみ上げてきた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
悲壮な感慨が、胸に潮のごとく湧きあふれる
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
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夢のよう・現実味がないの表現・描写・類語(ものの性質・特徴のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(現実感がない)食事の間じゅう、十和子は一種の浮揚感につきまとわれている。椅子にすわってものを食べている身体から少し浮き上がったところに自分がいるような、あるいは、いつか水島に贈ったガラスのペーパーウェイトのなかのあの気泡によく似たものが、しきりと体内から逃れ出ようとしているような、そんな感じ。無重力とはいわないが、宇宙船の内部の人工的に作りだされた重力場にいる、そんなぎこちなさ。《…略…》夢だ。こんなふうにどうしても身体が浮いているのが夢であることの証拠だ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(実感がない)殺されるというその言葉が戸田の胸にうつろに響いてはねかえった。殺すという行為は、まだ実感として心にのぼってはいなかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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足を進めることを、生きてゆくことを心底投げ出したかった。きっと明日が来て、あさってが来て、そのうち来週がやってきてしまうに違いない。それをこれほど面倒だと思ったことはない。きっとその時も自分が悲しい暗い気分の中を生きているだろう、そのことが心からいやだった。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
「困るね」と東風君が気の毒そうに調子を合わせる。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「ものの性質・特徴」カテゴリからランダム5
茶の子の茶の子の朝茶の子
森鴎外 / 阿部一族
それほど大きなパン屋じゃないし、名のあるパン屋でもない。とくに 美味しくもなく、とくに 不味くもない。どこにでもある平凡な町のパン屋だった。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
眼で見ていながら信ずる事が出来ない
夢野久作 / あやかしの鼓
仁王様が心太 を踏み潰 すよりも容易
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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