TOP > 食べ物表現 > 豆類 > 油揚げ

TOP > 食べ物表現 > 和食・日本料理 > みそ汁

TOP > 感覚表現 > 状態・状況 > 脇役


カテゴリ検索 単語の意味
油揚げは脇役だということである。 「パートナーを立てる」という精神を片時も忘れない性格も、人々の好感をさそったようだ。  自らリーダーシップを取ることなく、周囲との協調を大切にする、というのが油揚げの生き方である。《…略…》油揚げ自体は、それほど味のあるものではない。  しかしこれが、ひとたび味噌汁の中にひたされると、味噌汁やダシの味を吸いこみ、自己の味と同化させ、嚙みしめたとき、油揚げ独特のあの滋味あふれる味となる。自分を強く主張することを避け、周囲との同化によって自分の持ち味を引き出す。しかもそれが自分の実力以上の力を発揮する結果となっているのである。《…略…》「人の行く裏に道あり、花の山」  これが油揚げの処世術なのである。
東海林 さだお「タコの丸かじり (文春文庫)」に収録 ページ位置:88% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
油揚げ みそ汁 脇役
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......さえいわれている。 こうして油揚げは、味噌汁界にこの人ありといわれる、ゆるぎない地位を獲得したのである。 しかも大切なことは、この組み合わせのいずれに於いても、油揚げは脇役だということである。「パートナーを立てる」という精神を片時も忘れない性格も、人々の好感をさそったようだ。 自らリーダーシップを取ることなく、周囲との協調を大切にする、というのが油揚げの生き方である。 社内に於いても、こうした生き方があるということを、諸君は肝に銘じていて欲しい。 周囲との協調によって良い仕事をする、これがサラリーマンの基調であることはいうまでもない。 油揚げ自体は、それほど味のあるものではない。 しかしこれが、ひとたび味噌汁の中にひたされると、味噌汁やダシの味を吸いこみ、自己の味と同化させ、嚙みしめたとき、油揚げ独特のあの滋味あふれる味となる。自分を強く主張することを避け、周囲との同化によって自分の持ち味を引き出す。しかもそれが自分の実力以上の力を発揮する結果となっているのである。 このあたりも、組織の中の人間として油揚げに学ぶべき点は決して少なくない。 示唆に富んだ油揚げの生き方といわねばなるまい。 味噌汁に目をつけた、という点も、油揚......<中略>......そして、あえて傍流の道を選んだのである。この選択はまちがいではなかった。 まちがいではなかったからこそ、「油揚げと大根の千切り」という大仕事を成し得たのである。「人の行く裏に道あり、花の山」 これが油揚げの処世術なのである。 味噌汁に確固とした地歩を築いた油揚げは、次にゴハンへの接近をはかった。 いよいよ主流への挑戦である。 むろん油揚げは、自分が主流向きでないことは十分知っている......
単語の意味
滋味(じみ)
出汁・ダシ(だし)
自体(じたい)
滋味・・・栄養豊富でうまい味。ゆっくり味わうことで醸し出される味や雰囲気。持ち味がにじみ出ることによって感じるおいしさ。
出汁・ダシ・・・鰹節や昆布、煮干などからとる、うま味のある汁。また、材料となる鰹節や昆布、煮干などそのもの。だし汁。出し。
自体・・・1.自分のからだ。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
ここに意味を表示
油揚げの味、おいしさを伝える表現・描写(豆類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
黄色っぽくてふわんとたよりない
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
みそ汁の味、おいしさを伝える表現・描写(和食・日本料理のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(たこのみそ汁)潮の匂いのするみそ汁
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
濁った味噌汁。
林芙美子 / 新版 放浪記
このカテゴリを全部見る
脇役の表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「豆類」カテゴリからランダム5
「和食・日本料理」カテゴリからランダム5
豚汁で腹の底からぽかぽかしてきた。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
「状態・状況」カテゴリからランダム5
ケチャップとおぼしき赤いしみ
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
カテゴリ検索 単語の意味
同じカテゴリの表現一覧
豆類 の味・おいしさの表現の一覧 
和食・日本料理 の味・おいしさの表現の一覧 
状態・状況 の表現の一覧 
食べ物表現 大カテゴリ
表現の大区分