新学年がはじまると、山桜は、褐色のねばっこいような嫩葉 と共に、青い海を背景にして、その絢爛 たる花をひらき
太宰治 / 人間失格 ページ位置:15% 作品を確認(青空文庫)
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桜
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前後の文章を含んだ引用
......のでした。 [#改頁] 嫩葉 と共に、青い海を背景にして、その絢爛 たる花をひらき、やがて、花吹雪の時には、花びらがおびただしく海に散り込み、海面を鏤 めて漂い、波に乗せられ再び波打際に打ちかえされる、その桜の砂浜が、そのまま校庭として使用せら......
第二の手記
海の、波打際、といってもいいくらいに海にちかい岸辺に、真黒い樹肌の山桜の、かなり大きいのが二十本以上も立ちならび、新学年がはじまると、山桜は、褐色のねばっこいような単語の意味
絢爛(けんらん)
褐色(かっしょく)
山桜(やまざくら)
絢(あや)
勝色・褐色・搗色(かちいろ)
絢爛・・・見た目が華やかで美しいこと。「絢」は「色糸をめぐらした模様」また、「きらびやかで美しい」こと。「爛」は「鮮やか」「まっさかり」な状態をあらわす字。「豪華絢爛」
褐色・・・黒色を帯びた茶色。
山桜・・・山に咲く桜。
絢・・・織物で、色糸をめぐらした模様。また、模様や色合いの美しいこと。
勝色・褐色・搗色・・・1.真っ黒に近い、濃い藍色。深藍色。「勝色」として縁起がいいとされ、鎌倉時代の武士に愛好された色。
2.襲(かさね[=平安時代の衣服])の色目(いろめ)の名前。表裏ともに萌葱(もえぎ)色。
2.襲(かさね[=平安時代の衣服])の色目(いろめ)の名前。表裏ともに萌葱(もえぎ)色。
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桜の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(桜とバラの比較)ヨーロッパ人はバラの花を賞賛するが、私たち日本人はそれを共有する感覚は持ち合わせていない。バラには桜花の持つ簡素な純真さに欠けている。それだけではない、バラはその甘美さの陰にトゲを隠し、 執拗 に生命にしがみつく。まるで死を怖れるがごとく、散り果てるよりも、枝についたまま朽ちることを好むかのようにである。しかもバラは華美な色彩と濃厚な香を漂わせる。いずれをとっても桜花にはない特性である。 私たちの愛する桜花は、その美しい装いの陰に、トゲや毒を隠し持ってはいない。自然のなすがままいつでもその生命を捨てる覚悟がある。その色はけっして派手さを誇らず、その淡い匂いは人を飽きさせない。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
桜が川岸に沿って生えているので春には桜の花びらが川の表面を覆い尽くしながら流れていく。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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街は寒く、人々はコートを着込んでいたが、陽ざしにはかすかな春の匂いがした。まるで何か新しくて甘いものみたいに、ほんの少しだけ光っていた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
春がもう豹のような忍び足で訪れていはしたものの
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
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