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帰るたびに、父の体は縮んでいく。夏の頃は僕が見舞いに訪れると母や付添婦さんの助けを借りてベッドに起き上がっていたが、今日は最初から最後まで横になったまま、落ちくぼんだ目でぼんやりと天井を見つめていた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 ページ位置:1% 作品を確認(amazon)
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植物状態
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前後の文章を含んだ引用
......割合で帰っている。最初のうちは土日を使って一泊していた。最近は、がらんとした家で母と差し向かいになるのも気が重く、病院からそのままとんぼ返りするようになった。 帰るたびに、父の体は縮んでいく。夏の頃は僕が見舞いに訪れると母や付添婦さんの助けを借りてベッドに起き上がっていたが、今日は最初から最後まで横になったまま、落ちくぼんだ目でぼんやりと天井を見つめていた。 告知はしていなくても、さすがに本人も勘づいてはいるだろう、父はガンだ。肺から始まって、膵臓から腎臓、肝臓へと転移して、脳も冒されつつある。背中と頭の痛みがあま......
単語の意味
体(からだ)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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帰るたびに、父の体は縮んでいく。夏の頃は僕が見舞いに訪れると母や付添婦さんの助けを借りてベッドに起き上がっていたが、今日は最初から最後まで横になったまま、落ちくぼんだ目でぼんやりと天井を見つめていた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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ここまで書いてきて、婆やは、九段坂を車を曳いて上った人のように、草臥れた。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
疲れが、じくじく水を吸うよう海綿のように僕の内部でふくらむ
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
焼け爛れた皮膚が乾き切るまでに二箇月以上要した中々の重傷
谷崎潤一郎 / 春琴抄 amazon
ひからびて黒ずんだ枯れ木のような肉体
坂口 安吾 / オモチャ箱・狂人遺書 amazon
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