祖母にしろ、おとよさんにしろ、みんな暮したいようには暮していない。それでも生きつづけてはいる。どんよりと蠢（うごめ）きながら暮している。

いつかまた、悪い時期が来るだろうし、楽になった分、反動とか落ち込みもひどいだろう。

行くところもないようないまだに苦しい生活の連続でした。私はうんうん唸ってすごして来ました。

もっともっと大きくなり、いろんなことがあって、何度も底まで沈み込む。何度も苦しみ何度でもカムバックする。負けはしない。力は抜かない。

長い間のニンタイが、私を何も信じさせなくしてしまいました。

急流を下るボートに喩（たと）えるなら、俺は今舵をとるのに忙しくて、両手がはなせないんだ。だから君にオールを渡している。もし君ができないというのであれば、ボートは転覆し、俺たちはみんなきれいに破滅するかもしれない。《…略…》ボートから降りるのなら、もっと前に、流れがまだ静かなうちに降りるべきだった。《…略…》急流下りを楽しもう。そして滝の上から落ちるときは、一緒に派手に落ちよう。

（長い１日が終わる）永い絵巻のような夜の終わりを感じていた。

とにかく精一杯生きて思い残しのない一生

破れかぶれの、密度のある人生

枯木のごとく、死灰のごとく、犬のごとく、てんとう虫のごとく暮したなら、生は無駄であろう。