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民家の向こうにこんもりとした山の輪郭が重なり、そのさらに向こうに、青に霞む山の稜線がある。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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田舎(いなか)
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前後の文章を含んだ引用
......ガワラの声が聞こえる。お姉ちゃん、どうしたん? とサヤカが四葉に訊いている。 三葉は、どこにいる? 俺は、今、どこにいる? ──もしかして。 俺は視線を上げる。民家の向こうにこんもりとした山の輪郭が重なり、そのさらに向こうに、青に霞む山の稜線がある。俺が登った山。山の上のご神体。口嚙み酒を飲んだ場所。湖からふわりと冷たい風が吹き、短くなった三葉の毛先をゆらし、まるで誰かの指先のように、髪が頰をそっと撫でる。......
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霞(かすみ)
稜線(りょうせん)
・・・1.遠くにある山などの前に、帯状の煙りのようなものが見える現象。春の朝などによくある、遠くをはっきり見えなくさせる雲のようなもの。
2.目に白いものがかかったようになって、ものがぼんやりと見えること。翳み(かすみ)。
稜線・・・連なった山を遠くから見たときの、ある山の頂上と隣の山の頂上を結ぶ、一番高い部分の線。尾根(おね)の線。
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