それは君が妹に対して幼少の時から何かのおりに必ずいだくなつかしい感情だった。 　それもやがて疲労の夢が押し包む。

闇を見つめて悶々としているうちに、じりじり時間がたっていく。　夜中の一時近くなって、やっと眠気の尻っ尾をつかんだような気がした。それを慎重にたぐり寄せていく。ドブネズミのようなその長い尾を引いていくと、その先に短い夢があった。灰色の淋しい街の風景のような、一瞬の夢。

泥のように眠りたい。石鹸のようにとけてなくなってしまって

四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。

母親に抱かれた子供のように、前後を知らず深い眠りに落ちる

電話が鳴った。 　誰かが出るよな、と夢うつつのなかで思っていたが、誰も出ず、電話は鳴りつづけた。

今度おとずれたのは泥のような深い眠りで、夢は姿を見せなかった。

ほとんど目を開けていられないほど強い眠気

上へかけた布団から湯気が立つほどの汗を掻いて

蒲団は、内に横わっている人間の体なりにもり上っている。