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(勾配だらけの町)山と溪 とがその大方の眺めであるこの村では、どこを眺めるにも勾配のついた地勢でないものはなかった。風景は絶えず重力の法則に脅かされていた。そのうえ光と影の移り変わりは溪間にいる人に始終慌 しい感情を与えていた。
梶井基次郎 / 蒼穹 ページ位置:7% 作品を確認(青空文庫)
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坂道・斜面・勾配
街や村の雰囲気・印象
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前後の文章を含んだ引用
......その尨大 な容積やその藤紫色をした陰翳はなにかしら茫漠 とした悲哀をその雲に感じさせた。 私の坐っているところはこの村でも一番広いとされている平地の縁 に当っていた。山と溪 とがその大方の眺めであるこの村では、どこを眺めるにも勾配のついた地勢でないものはなかった。風景は絶えず重力の法則に脅かされていた。そのうえ光と影の移り変わりは溪間にいる人に始終慌 しい感情を与えていた。そうした村のなかでは、溪間からは高く一日日の当るこの平地の眺めほど心を休めるものはなかった。私にとってはその終日日に倦 いた眺めが悲しいまでノスタルジックだった。......
単語の意味
風景(ふうけい)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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