波は丸太棒の上でも一またぎする位の無雑作で、船の片側から他の側へ暴力団のようにあばれ込んできて、流れ出て行った。その瞬間、出口がザアーと滝になった。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:12% 作品を確認(青空文庫)
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嵐の中の船
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......に乗ると、スクリュが空廻りをして、翼で水の表面をたたきつけた。 風は益々強くなってくるばかりだった。二本のマストは釣竿 のようにたわんで、ビュウビュウ泣き出した。波は丸太棒の上でも一またぎする位の無雑作で、船の片側から他の側へ暴力団のようにあばれ込んできて、流れ出て行った。その瞬間、出口がザアーと滝になった。 見る見るもり上った山の、恐ろしく大きな斜面に玩具 の船程に、ちょこんと横にのッかることがあった。と、船はのめったように、ドッ、ドッと、その谷底へ落ちこんでゆく......
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その浪音は、私の耳に、手放しに泣き叫んでいるようにも、また手放しに哄笑しているようにも、かわるがわるに聞えてくるのです。
阿部 知二 / 黒い影 (1950年) amazon
明るい、快活な、生き生きした海
梶井基次郎 / 海 断片
(水道栓がこわれて水が飛び散る音)シュルシュルシュルという、布を素速く手繰るような音
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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風の音、雨のしぶき、それから絶え間ない稲妻の光、――暫くはさすがの峨眉山も、覆 るかと思う位でした
芥川龍之介 / 杜子春
時々波の背に乗ると、スクリュが空廻りをして、翼で水の表面をたたきつけた。
小林多喜二 / 蟹工船
び、び、び、と傘の耳を鋭い風の戦慄 と、雹 みたいな雨つぶの音が、横に、なぐッて行く。
吉川英治 / 無宿人国記
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