黒血がその腹から、斑々 として砂にたれた。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:63% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
血しぶき・返り血
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......人の近くへ迫って来た。――と思うと、沙金の手に弓返 りの音がして、まっさきに進んだ白犬が一頭、たかうすびょうの矢に腹を縫われて、苦鳴と共に、横に倒れる。見る間に、黒血がその腹から、斑々 として砂にたれた。が、犬に続いた一人の男は、それにもおじず、太刀をふりかざして、横あいから次郎に切ってかかる。その太刀が、ほとんど無意識に受けとめた、次郎の太刀の刃を打って、鏘然......
単語の意味
砂(すな)
腹(はら)
斑(まだら・むら・ぶち)
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
斑・・・1.下地の色とは違う色が、不規則に混じっている模様。いろいろな色や濃淡の入りまじっている模様。また。そのさま。
2.1が転じて、ある現象が現れたり、現れなかったりすることのたとえ。はっきりした部分とそうでない部分があるのたとえ。
2.1が転じて、ある現象が現れたり、現れなかったりすることのたとえ。はっきりした部分とそうでない部分があるのたとえ。
ここに意味を表示
血しぶき・返り血の表現・描写・類語(骨・内臓のカテゴリ)の一覧 ランダム5
真白な障子に花を 撒いたような鮮血が飛び散った。
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
黒血がその腹から、斑々 として砂にたれた。
芥川龍之介 / 偸盗
血が赤い花のように噴 き出 した。
横光利一 / 日輪
(血しぶき)壁と言わず天井と言わずまるで噴霧器で吹き飛ばしたような血しぶき
宇野 千代 / 色ざんげ amazon
このカテゴリを全部見る
「骨・内臓」カテゴリからランダム5
(透き通った肌を通して見える)ブドウ色の内臓
阿刀田 高 / 透明魚「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
影のように滲んでいるのは、この男自体の血に違いない。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
くろずみかかった桃色の、花弁が破れた大輪朝顔の押花のような血痕
宮本百合子 / 伸子
同じカテゴリの表現一覧
骨・内臓 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ