踏み越えた白線が車のハロゲンライトに浮かび、一瞬、白蛇のようにのた打って見えた。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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車のヘッドライト
舗道・アスファルト
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前後の文章を含んだ引用
......を咲かせているころ、十五キロほど離れた三瀬峠のカーブで、その男は急ハンドルを切り、砂利敷きの路肩に車を停めた。国道と呼ぶにはあまりにも見放された峠の道だった。 踏み越えた白線が車のハロゲンライトに浮かび、一瞬、白蛇のようにのた打って見えた。白蛇は峠を縛り上げるように伸びている。ぎりぎりと縛り上げられた峠が身を捩り、そのせいで山の葉々が揺れているようだった。 この峠道を背後に辿れば、昏黒の闇の中、ぽ......
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車のヘッドライトの表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
前を走る自動車のテールランプがたった今見た透明魚の眼のように赤くにじんで、闇に長く尾を引く。
阿刀田 高 / 透明魚「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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舗道・アスファルトの表現・描写・類語(道・道路のカテゴリ)の一覧 ランダム5
舗道が昼の緩んだ暑さを残して温かく、汗ばむように湿る
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
(舗道に捨てられたちらし)汚い鋪道 の上に、散しの黄や赤が、露にベトベト濡れて陽に光っていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
アスファルトの広い国道は、ぼおっとした夕暮の河のように心細い眺めだった。
林 芙美子 / うず潮 (1964年) amazon
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「道・道路」カテゴリからランダム5
枯れた川のように白い道路
丸谷 才一 / 年の残り amazon
林を抜ける未舗装路があった。道路というよりは、車の轍(わだち)だけで成り立っているような踏み分け道だ。二本の轍の間には緑の草がたっぷりと茂っていた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
車が漸くすれちがうほどの道路。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
「光と影」カテゴリからランダム5
梁から軒先の闇が大きな吊り鐘を伏せたように役者の頭上へ蔽いかぶさっている舞台
谷崎 潤一郎 / 陰翳礼讃 amazon
金箔のように 眩しく 閃く
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
車椅子の金属がたっぷりと月光を吸いこんで、氷のような白さに光っていた。
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
新幹線の速度が落ち始め、音が変わった。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
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