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消そうとすればするほど、薄命な女の死に顔や、因果な子の乳の香が、そこらに、ちらつく。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:56% 作品を確認(青空文庫)
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忘れられない・心に強く残る
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前後の文章を含んだ引用
......かねて、蔵六は、家へ帰って行った。 心も体も、雲霧は、綿のように疲れはてた。といって、眠気もささない。頭の中はあの土蔵の闇を詰めて来たように、混濁 している。――消そうとすればするほど、薄命な女の死に顔や、因果な子の乳の香が、そこらに、ちらつく。 もっそう飯も、今朝ばかりは、食う気がしなかった。 午 近くなると、伝馬役所の空気は、何となく、騒がしく感じられた。吟味与力の高梨小藤次は、同じ役所に、同心見習を......
単語の意味
香(こう)
死に顔(しにがお)
香・・・かいでいい匂いがするもの。いい匂いがする物質(香料)を練り固めたもの。火をつけて煙を立ちのぼらせて、香りをたたせるもの。ねり香。お香。
死に顔・・・死んだときの顔。死人の顔つき。
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忘れられない・心に強く残るの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
帰国後も、蒔野の心の中では、洋子が自らの決断を伝えたあの夜の記憶が、絶えず音もなく鳴り響いていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
なかなか剥がれない膏薬のように、面影が気持ちから剥がれない
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
孤独に親しみやすいくせにどこか殉情的で人なつっこい私の心は、どうかした拍子に、このやむを得ない人間の運命をしみじみと感じて深い悒鬱 に襲われる。君も多くの人の中で私にそんな心持ちを起こさせる一人だった。
私の一生の 中 でも記録的体験なのに
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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幼児のころの記憶のように、そこだけ鮮明だった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
昔訣 れた幾人もの夫の面影を胸の中に取出し、愛憎交々 の追憶を調べ直している
岡本かの子 / 巴里祭
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