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なるべくいたずらにひまな時間を作らないように必死で努力した。 それはそれは不毛な努力だ。本当はしたいことなんて、なにひとつありはしなかった。等に会いたかった。しかし、私はどうしてもなにか手や体や心を動かし続けなくてはいけない気がした。そして、この努力を無心に続ければいつかはなにか突破口につながると思いたかった。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
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前後の文章を含んだ引用
......と、タオルや衣類をきちんと洗い、乾燥機にかけて、それから朝食を作る母を手伝った。そして少し眠る。そういう生活を続けた。夜は、友達に会ったり、ビデオを観たりして、なるべくいたずらにひまな時間を作らないように必死で努力した。それはそれは不毛な努力だ。本当はしたいことなんて、なにひとつありはしなかった。等に会いたかった。しかし、私はどうしてもなにか手や体や心を動かし続けなくてはいけない気がした。そして、この努力を無心に続ければいつかはなにか突破口につながると思いたかった。保証はなにもないが、それまではなんとか持ちこたえようと信じた。犬が死んだ時も、小鳥が死んだ時も、だいたいこんなふうに持ちこたえた。そしてこれはその特番なのだ。な......
単語の意味
無心(むしん)
体(からだ)
無心・・・1.無邪気なさま。雑念や欲望にまったくとらわれてないさま。
2.正当な理由も無く、人に金品をねだること。
2.正当な理由も無く、人に金品をねだること。
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
気も狂わんばかりの喪失感
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「心」の言葉を含む悲しみの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
自分の心を自分の涙にひたしきって泣いた
有島武郎 / 或る女
同情されるのって、真冬に飲む温かなココアみたいに、ほっとする心地よさがある。言い方にもよるけど、「だいじょうぶ?」と心配されると、気分がほこほこするときもある。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
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「悲しみ」カテゴリからランダム5
(弟が生まれてしばらくして曾祖父が死んだ。)弟を撫でているうち、この赤ちゃんを産んだのは曾祖父ではないか、との思いにとらわれ、彼は自分でもわけが分からず奇妙な気分に陥った。これがつまり、悲しいという気持なのだろうか、と自分に問いかけた。
小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
いわば、頭をかきむしるような絶望の気持
梅崎 春生 / 桜島 amazon
青寒い虚無感
岡本かの子 / 金魚撩乱
「生と死」カテゴリからランダム5
彼が死んだ夜から私の心は別空間に移行してしまい、どうしても戻ってこれない。昔のような視点で、どうしても世界を見ることができない。頭が不安定に浮き沈みして、落ち着かずにぼんやりいつも重苦しい。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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