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自分がなんだかとてつもなく巨大なものと戦っているような気がした。そして、もしかしたら自分は負けるかもしれないと生まれて初めて心から思った。《…略…》人が出会ういちばん深い絶望の力に触れてしまったことを感じた。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:67% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
絶望・希望がない
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前後の文章を含んだ引用
......て着替える頃だった。寒く、ただ寒く、体中がほてっているのに手足はしんしん冷えていた。悪寒が走り、ぞくぞくして体中が痛んだ。 私はふるえながら薄闇の中で目を開けて自分がなんだかとてつもなく巨大なものと戦っているような気がした。そして、もしかしたら自分は負けるかもしれないと生まれて初めて心から思った。 等を失ったことは痛い。痛すぎる。 彼と抱き合う度、私は言葉でない言葉を知った。親でもない自分でもない他人と近くにいることの不思議を思った。その手を胸を失って、私は人がいちばん見たくないもの、人が出会ういちばん深い絶望の力に触れてしまったことを感じた。淋しい。ひどく淋しい。今が最悪だ。今を過ぎればとりあえず朝になるし、大笑いするような楽しいこともあるに違いない。光が降れば。朝が来れば。 いつもいつもそう思って......
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
気も狂わんばかりの喪失感
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(喪失感をまぎらすためにジョギングを始めた私と亡くなった彼女のセーラー服を着て過ごす柊という男)彼のセーラー服は私のジョギングだ。全く同じ役割なのだ。私は彼ほど変わり者でないので、ジョギングで充分だっただけのことだと思う。彼はそのくらいでは全くインパクトに欠けて自分を支えるにはもの足りないのでバリエーションとしてセーラー服を選んだ。どちらもしぼんだ心にはりを持たせる手段にすぎない。気をまぎらわせて時間をかせいでいるのだ。 私も柊もこの二カ月で、今までしたことのない表情をするようになった。それは失ってしまったものを考えまいと戦う表情だった。ふっと思い出して突然に孤独が押してくる闇の中に立っていると知らず知らずのうちにそういう顔になってしまうのだ。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「心」の言葉を含む悲しみの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
手おくれになった手術のようで、死を待つばかりの心細さ
林芙美子 / 新版 放浪記
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沈黙っているにはしのびない悲しさ
林芙美子 / 新版 放浪記
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朝露の消えるようなはかない臨終
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
人間も学者も同時に御免蒙 って、モトのアトムに帰り
夢野久作 / ドグラ・マグラ
人形のように手足を伸ばした死体
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
捨てられた猫のように死んで行く
梅崎 春生 / 桜島 amazon
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胸を搔きむしりたい衝動に駆られた
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
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