勝治の額に手のひらをのせた。自分の手が熱かったのか、一瞬、ぞっとするほど冷たかった。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
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冷たさ・冷たい温度
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前後の文章を含んだ引用
......中で、勝治の濁った咳がこもる。 憲夫は枕元に腰を下ろすと、乱暴に布団を捲った。固そうな枕に染みだらけの勝治の顔がのっている。「じいさん」 憲夫は声をかけながら、勝治の額に手のひらをのせた。自分の手が熱かったのか、一瞬、ぞっとするほど冷たかった。「祐一は?」 痰をからませるように勝治が尋ね、額にのせられた憲夫の手を払う。 ちょうどそのとき、祐一が階段を上がっていく足音が聞こえ、家全体が揺れた。「なんでも......
単語の意味
手の平・掌(てのひら)
手の平・掌・・・手首から先の、物を握ったときに内側になる面。掌(たなごころ)。
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ずっと外気にさらされていたベンチは、ちょっと立ち寄っただけの人間に簡単に心を開かない。ひんやりと冷たい無機物に腰を下ろし、愛子は携帯の明かりを灯した。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
少しだけひんやりした影の中の階段部に体の熱を渡しながら上がってゆき
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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指先は、とても冷たい。ついさっきまで氷を握っていたみたいに、ひんやりとしている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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