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ビニールの買い物袋があてもなく風に舞っている。

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西風がふたりの後方から吹いて来て、水面に浮かんでいる一本の縄を流れとは反対の方向に動かした。

宮本輝「道頓堀川（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ川風

タイトなミニスカートだったが、それでも時折下から吹き込む強い風にあおられてヨットの帆のようにふくらみ、身体が持ち上げられて不安定になった。

村上春樹 / 1Q84 BOOK 1　amazon関連カテ風スカート

（サヤエンドウ）フェリーから眺めた緑の畑に立って見れば、足の踏み場もないほど、びっちり草丈三〇センチ余のエンドウが、白い可憐な花を咲かせ、サヤを光らせ、海を渡る風にそよいでいる。

寺沢正 / 食べもののふるさと (1976年)　amazon関連カテその他の豆風

風が乾いた砂をサラサラと掃くように吹いている

風の吹く夜は繁みに散立する松の木が細い声をあげて泣き、時折ザザッと俄か雨でも落ちるように朽ちた木の実が屋根を打つ。

阿刀田高 / 裏側「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ風木の実（風景）

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窓を開けると湿った重たい風がまつわりついてきて、かえって汗が出た。

小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録　amazon関連カテ湿った空気・湿気や熱気がこもる湿った風

行き場のない考えごとを涼しい風がさらってゆく。ビルの谷間にそれは暗くよどんで闇をつくる。

吉本ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ夜考える・頭を回転させる閑散・人気（ひとけ）がない風を受ける

雑木の梢を吹く風の音

（女郎屋の）写真棚には、お葬式のビラのような初店の女の名前を書いた白い紙がビラビラ風に吹かれていた。

林芙美子 / 新版　放浪記関連カテはためく・翻るポスター

サッシ戸まで開け放つ。尖った冷気が流れ込んでくる。

沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録　amazon関連カテ寒い・冷気・凍える隙間風・風が室内に入る

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