八王子の宿はずれから、大楽寺へまで、その馬市の雑鬧 と、喧騒 がつづいている。あて込みのかん酒屋や、古着屋や、香具師 や、あらゆる浮世のほこりが、咽 せるように立っていた。
吉川英治 / 野槌の百 ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......んな家 を、承知で来てくれる者ならば、嫌な、飯盛女や、売女であろうと……) と、さびしい、老いのあきらめをつけていた。 馬の背なかが、波のようにならんでいた。 八王子の宿はずれから、大楽寺へまで、その馬市の雑鬧 と、喧騒 がつづいている。あて込みのかん酒屋や、古着屋や、香具師 や、あらゆる浮世のほこりが、咽 せるように立っていた。 「さ、入れた、入れた、札を――」 その二日の市が終って、崩れだした夕方である。 大楽寺の境内に、なにか、真っ黒に人影が、かたまっていた。洗い髪に、うす化粧をした......
単語の意味
喧噪・喧騒(けんそう)
香具師・野師・野士・弥四(やし)
喧噪・喧騒・・・物音や人の声など、生活の音がやかましいこと。また、そのさま。「都会の喧噪を離れる」
香具師・野師・野士・弥四・・・縁日など人の多い路上で、手品や居合い抜きなどの見世物をしたあと、粗製の歯磨きなどの薬類や香具類を売った人。また、露天商の場所の割り当てをする人。的屋(てきや)。
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祭り・イベントの表現・描写・類語(イベントのカテゴリ)の一覧 ランダム5
商店街のはずれから境内への道まで露店がひしめきあっている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
今日は縁日で夕方から賑やか
林芙美子 / 新版 放浪記
夜の縁日というものは、別に〔歳時記〕できめられたわけではないけれども、やはり、初夏から晩夏にかけての感じがする。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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(夏祭り)普段、暗闇に飲み込まれてしまう小学校の広いグラウンドは、今日は提灯で照らされて昼間のように明るかった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
(おしょうろ流し)月の仄 かな海の上には、もう二ツ三ツおしょうろ船が流れていた。火を燃やしながら美しい紙船が、雁木 を離れて沖の方へ出ていた。港には古風な伝馬 船が密集している。そのあいだを火の紙船が月のように流れて行った。
林芙美子 / 新版 放浪記
戦争はどんなに永くたって激しくたって一時的の嵐だもの
宮本百合子 / 伸子
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