うす明るい空にそむいて、羅生門 の高い甍 が、寂然 と大路を見おろしているばかり
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:56% 作品を確認(青空文庫)
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屋根・かわら・屋上
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前後の文章を含んだ引用
......、みぞをあふれた泥水 が、くぼ地くぼ地へ引かれるようにやみにまぎれて、どこへ行ったか、たちまちのうちに、見えなくなった。…… あとには、ただ、いつか月しろのした、うす明るい空にそむいて、羅生門 の高い甍 が、寂然 と大路を見おろしているばかり、またしてもほととぎすの、声がおちこちに断続して、今まで七丈五級の大石段に、たたずんでいた阿濃 の姿も、どこへ行ったか、見えなくなった。――が、まもなく、門上の楼......
単語の意味
寂然(せきぜん・じゃくねん)
甍(いらか)
寂然・・・ひっそり静かな様子。なんとなく寂しい感じ。「然」は他の語の後ろに付いて、状態をあらわす字。
甍・・・1.瓦で覆われた屋根。また、その瓦。
2.屋根の頂上の部分。
2.屋根の頂上の部分。
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できものの瘡蓋(かさぶた)のような藁屋根
和田伝 / 沃土「和田伝全集 第2巻」に収録 amazon
うす明るい空にそむいて、羅生門 の高い甍 が、寂然 と大路を見おろしているばかり
芥川龍之介 / 偸盗
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アパートは建っている。まだ建って間もないものだが、「どうせいつかは取り壊すんだから、安く上げときましょう」と言わんばかりの外見で、冬の雨に濡れた姿は普段にも増して寒々しい。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
四角な箱に窓を明けたような、生々 しい一色のペンキで塗り立てた二三階建ての家並 み
有島武郎 / 或る女
(建設中)巨大なクレーンが並び、鉄骨とガラスがすこしずつ空に伸びていく。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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