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全身にチューブを差し込まれ、骨と皮だけになって、混濁した意識のなか、ただ生きているというだけの生を生きて……もうすぐ、その命も尽きる。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
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......と、声に合わせて小刻みにうなずく。 チュウさんは確かにこれから先、二十五年間を生きることになる。だが、六十三歳の父は、チュウさんが想像しているような姿ではない。全身にチューブを差し込まれ、骨と皮だけになって、混濁した意識のなか、ただ生きているというだけの生を生きて……もうすぐ、その命も尽きる。花火のような人生にはならない。強いままでは死ねない。ぐずぐずと生きて、萎えるように弱くなったすえに死んでいくのだ。「ねえ……」 お父さん、とまた呼びそうになって......
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