赤とんぼも飛びかわす時節で、その群れが、燧石 から打ち出される火花のように、赤い印象を目の底に残して乱れあった。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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トンボ
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......や色づいた田圃 の先に松並み木が見えて、その間 から低く海の光る、平凡な五十三次風 な景色が、電柱で句読 を打ちながら、空洞 のような葉子の目の前で閉じたり開いたりした。赤とんぼも飛びかわす時節で、その群れが、燧石 から打ち出される火花のように、赤い印象を目の底に残して乱れあった。いつ見ても新開地じみて見える神奈川 を過ぎて、汽車が横浜の停車場に近づいたころには、八時を過ぎた太陽の光が、紅葉坂 の桜並み木を黄色く見せるほどに暑く照らしていた。......
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トンボの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
朱ザヤのような照りのある、小がらの赤トンボ
山本 有三 / 波 amazon
杉林の前には、数知れぬ蜻蛉の群が流れていた。たんぽぽの綿毛が飛んでいるようだった。
川端 康成 / 雪国 amazon
空には赤とんぼが、江戸の秋を染めている
吉川英治 / 無宿人国記
赤蜻蛉の羽がまるで銀の雨の降るように見えたんです。
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
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「秋」カテゴリからランダム5
(やんま)翡翠 の大きな眼、黒と黄の段だら染め、細くひきしまった腰から尾への強い線、──みんな美しい。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
黒い蝶は、その子の胸にとまり、ぴたりと、はねをとじました。悲しいしるしのように--。
松谷 みよ子 / 黒い蝶「黒い蝶・花びら (講談社文庫 ま 2-4)」に収録 amazon
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