荒々しい自棄が、彼女を吹き捲 った。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:63% 作品を確認(青空文庫)
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やけくそ・自暴自棄
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前後の文章を含んだ引用
......ず、こんな遺憾なことはないと、自身あのように涙に咽 んで云ったのに。――そうであったのか。……伸子は、大声あげて笑ってやりたかった。同時に佃を打ちのめしたかった。荒々しい自棄が、彼女を吹き捲 った。佐々も伸子も、その哀れっぽい述懐にうまく引きこまれた。多計代さえ、それからは少し調子が和んで、ずるずるに、「では」と云うようなところで落着いたのであった。 伸......
単語の意味
自棄(やけ)
自棄・・・物事が思い通りに行かなくて、先のことも考えずにどうにでもなれという気持ちで無責任な行動を取ること。また、そのさま。やけくそ。
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わたしの胸は相変わらず気持ち悪くて混乱していたので、説明の中身を一直線に理解することができなかった。いろいろな言葉が仕付け糸のように絡まっていた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
感情はひどくほつれて、容易に解ける様子はなかった。
有島武郎 / 或る女
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今週に入ってから昭子は須藤に四度電話をかけている。須藤から電話がかかって来たのが二回。今日また昭子のほうから電話をかけると比率は五対二になってしまう。《…略…》これでは女のほうが馬鹿みたいに入れあげているようで、昭子は自分の心に対して申し訳がつかない。《…略…》ここはやはり須藤からの電話を待つべきだろう。 そうすれば比率も四対三になる。四対三なら、ここ数日のうちに急に須藤の声が聞きたくなったときにもそれほど抵抗感なく電話をかけることができる。その心理は……そう、手術を受けた患者が鎮痛剤の適用を、もっと苦しくなるときのために残して置く感覚にどこか似ていた。
阿刀田 高 / 狂暴なライオン「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
役がらゆえ気色 には見せぬ
森鴎外 / 高瀬舟
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