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......ることのできない風が今、ここにいると桜が教えてくれるのだ。「確かに、きれいだな」「でしょ。……あっ、でも」「うん？」「人間の都合とか、あんまし関係ないのかな」　あたしは胸を押さえる。ちょっとどきりとした。ふっと自分の中に新たな思いがわいたとき、いつも胸はどきりと一つ鼓動を打つ。「桜は桜だもんね。別に人がどう思っていても、そんなのどーでもいいんだよね、きっと」「ああ……かもな。行くか」「うん、行こう」　睦月の長い脚が石段を上り始める。あ......

単語の意味

胸（むね）

胸・・・１．体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
２．（胸に宿るとされている、）心。想い。心中。
３．乳房（ちぶさ）。おっぱい。