蕎麦も、鮨と同様に、きわめて清らかにつくられてなくてはならない。 そして、しかるべき店で、これを食べると、味のみでない雰囲気がかもし出され、それをたのしむことができる。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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そば
店内の雰囲気
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前後の文章を含んだ引用
......家のものは蕎麦が大好物だが、母は東京生れのくせに、あまり興味をしめさぬ。 七十をこえた老母の好物は、すしは別として、あぶらっこい牛肉や、鰻・天ぷらなどである。 蕎麦も、鮨と同様に、きわめて清らかにつくられてなくてはならない。 そして、しかるべき店で、これを食べると、味のみでない雰囲気がかもし出され、それをたのしむことができる。 木曾・福島の〔車屋〕の蕎麦。 木曾川のほとりの橋畔にある、この店は評判の店で、昼どきは大混雑となるが、広い入れこみの、炉を切ってある大座敷へあがりこみ、木曾名......
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そばの味、おいしさを伝える表現・描写(麺類のカテゴリ)の一覧 ランダム5
箸を上げると、長い奴が勢揃 いをして一尺ばかり空中に釣るし上げられる。迷亭先生もう善かろうと思って下を見ると、まだ十二三本の尾が蒸籠の底を離れないで簀垂 れの上に纏綿 している。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
そばの波しぶきがざぶーんと口の中で音を立てる。ツンとくるそばの香り、そばの一本一本がピカッと光って、さあ食えと身をよじっている
嵐山光三郎 / 頬っぺた落とし う、うまい! amazon
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店内の雰囲気の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(そのパン屋は)遠くから来る人はほとんどいないし売切れるほどの行列ではないので、人々の表情に切迫感や過大な期待はない。「明日の朝、おいしいパンを食べられる」という静かな喜びだけがそこにある。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
テーブル席は疎らに埋まっていて、奥の個室からは、扉が開く度に、何やら騒々しい声が漏れてきた。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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「麺類」カテゴリからランダム5
パスタを茹でてカルボナーラソースと和える。麺が熱いうちに細かく刻んだチーズを混ぜると、味が濃くなっておいしい。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「室内のようす」カテゴリからランダム5
広間の周囲の空気からは、ここはエアポケットに陥ったように感ぜられつつある。
岡本かの子 / 母子叙情
きい、きい、きい。白いペンキを塗られた鉄の扉を、衛門看守が開いた。
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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