日本語表現インフォ > 比喩表現の一覧 > 人物の比喩 > 口・顎の比喩表現
口・顎の比喩を使った文章の一覧(75件)
頬から顎にかけて彫刻刀で掘りだしたような細い皺が何本も走っている
七尾与史 / 死亡フラグが立ちました! amazon
とがった顎が巡洋艦のように空気を切り開く
レイモンド チャンドラー / 湖中の女 amazon
飢えた犬が固い骨を持てあます時のような、滑稽で浅ましい口の格好
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
口もとに微笑が、日にかがやいている出水(いずみ)のように湧き上がる
佐藤 春夫 / 佐藤春夫 amazon
パクパクと酸素が足りぬ金魚のように口を動かす
北 杜夫 / さびしい乞食 amazon
兎のように口を尖らす
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
貝のような形のいい顎ふくふくと動く
中 勘助 / 銀の匙 amazon
口の中が、枯れ草をいっぱい押し込まれたように乾き切る
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
真っ赤な瓜を割いたような可愛い口腔
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
蝶番(ちょうつがい)が壊れたかと思うほど大きくあけた口
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
パワーシャベルを思わせる口
本多 勝一 / きたぐにの動物たち amazon
吸入器に向かったようにポカンと口を開く
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
猿のような口つきでりんごをかじる
住井 すゑ / 夜あけ朝あけ amazon
唾液を口の中でぐるぐる回し白く濁らせ水飴のようにして舌に乗せ
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
口元には明け方の三日月のような笑みが浮かんでいた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
餌を待つ鳥の雛が嘴を開くかの如く、女は口を開き
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
半分開いている彼の暗い口腔は無限の洞穴のように見えた。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
青年の見せた微笑が、青い陰質の花のように美しい
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
微笑は霧のようなものに変り
安部 公房 / 他人の顔 amazon
涎(よだれ)が流れて、私の蒲団の上までみみずのような線をひいている。
平林 たい子 / こういう女・施療室にて amazon
結びきらない口の尻からひげをぬらして水飴のような涎(よだれ)が流れて
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
風の中で、時間が止まったようにそうして微笑んで
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
唇のはしにかすかな笑いといえばいえる笑いをかげのようにうかべ
井上 友一郎 / 牡丹「日本の文学〈第64〉井上友一郎,田宮虎彦,木山捷平 (1970年)ハイネの月 菜の花 足摺岬 絵本 牡丹 大陸の細道 初恋 他」に収録 amazon
赤児が初めて笑い出す靨(えくぼ)のような、消えやすい笑いだ。
横光 利一 / 微笑 amazon
うらなりの糸瓜(へちま)のようなしゃくれた頤(あご)を突出していた。
和田 傳 / 篤農傳 amazon
貝のような形のいい顎がふくふくとうごく。
中 勘助 / 銀の匙 amazon
互角の綱引きをした相手を眺めるような寛大な微笑をたたえて
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
女面のようなほのかな笑いが漂っていた。
円地 文子 / 女坂 amazon
埴輪(はにわ)のように切れ込んだ口
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
顎の肉はそげている。暴力的なそげ方だ。
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
口を吸盤のようにとがらせて
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
米の磨(とぎ)水のようなよだれ
石川 淳 / 普賢 amazon
先刻はいた痰が腐った牡蠣のように床に付着している。
梅崎 春生 / 日の果て amazon
彼らは蛙のように、皆、口が大きかった。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
どうでもよくなって、彼の顔が三割増しに粗く見える。ニのよく動く口が伸びちぢみする輪ゴム程度にしか見えない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
顔の輪郭は顎にかけてしゅんと細くなり、まるで狐のよう
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
間違いなく微笑みでありながら、彼の印象的な眼差しのせいで、桜の花びらのようにもろく繊細な表情に見えた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
その他の人物を表す比喩表現
比喩表現のカテゴリ