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形状の比喩を使った文章の一覧(90件)
先の尖った棒で蜂の巣みたいな穴をあける
宮本 輝 / 夢見通りの人々 amazon
むじなみたいに穴に入る
司馬 遼太郎 / 殉死 amazon
ダンプカーが通り抜けられるくらいの大きな穴
ロナルド・マンソン / ファン・メイル (上) amazon
底無しの井戸みたいに、まっさかさまに落ちてゆく穴
ピート ハミル / ブルックリン物語 amazon
全てを呑みこんで陥没させたかのような、道路に掘られた深い穴
鷺沢 萠 / 葉桜の日 amazon
目や鼻や顎のラインが、尖った鉛筆でなぞったようにくっきりと光の中に浮き出ている
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
叩きつけられたヒキ蛙のように平べったくなる
獅子 文六 / てんやわんや amazon
マストより高い灰色の絶壁になって波が押し寄せてくる
曽野 綾子 / 夫婦の情景 amazon
艙口(ハッチ)が、足もとの地面が左右へ割れたような大きな暗い口をひらく
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
竜の落とし子さながらに大きく反り曲がる
井上 靖 / 天平の甍 amazon
艶やかな生地で、パステル・カラーのものが夫の作品だ。色はところどころで濃くなったり淡くなったりして、風や水が流れるような微妙な陰影を描き出していた。柄のついたものはひとつもなかった。色の移り変わりがそのまま模様になっている。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
どの作品にも、まるで風に吹き寄せられる木の葉のように、ある場合には散り散りに、ある場合にはまとまって、細かい模様が描かれていた。模様の散らし方によって、全体の印象は淋しげになり、また華やかにもなった。その精妙さは古い着物の小紋を思わせた。@略@少し距離をとって眺めると、森の地面にはらはらと散った木の葉にしか見えない。匿名の動物たちが人知れず、こっそりと音もなく踏みしめていく木の葉だ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
振袖の丸みのように鷹揚なカーブ
円地 文子 / 妖 amazon
籾殻は丈夫に、まるで羅紗の外套でも着たみてえに厚く出来るんだぞや。
和田伝 / 篤農伝
針先は容赦のない観念のように鋭く冷たく尖っていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
ルネッサンス期のイタリア人画家が教会の壁に描くような、美しい完壁な円
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
まるで濃尾平野のように、起伏のない胸
中村 うさぎ / ショッピングの女王 amazon
火に炙られたプラスチックが、ふにゃりと曲がるかのよう
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
波のようにそり返っている真黒に汚れきったチャブ台
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
バネ人形のようにぐっと反りかえった。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
マストや柱や欄干は、髮を毟(むし)られる女のような悲鳴をあげて身を撓(たわ)めた。
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
薄い霞(かすみ)のような衣服
永井 荷風 / あめりか物語 amazon
駱駝の背中のように凹凸のひどい寝台
北条 民雄 / いのちの初夜 amazon
髑髏(どくろ)の眼窩(がんか)のような、不気味な感じを与える穴。
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
黒い折り鞄(かばん)は、仔豚ほどにいつもふくれ上っている。
永井 龍男 / 朝霧「朝霧・青電車その他 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
その死体を穴に入れた。土の零れる音がした。そこでようやくまわりの者たちの出番になった。全員がこぞって、靴や手を使い、土をかけはじめる。土の降りかかる音は乱暴ではあったが、まるで雨が降るような趣も感じられた。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
特別製のケーブルにつけかえた。象の足くらいある太いやつだ。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
線路は丘陵に沿って、まるで定規でもあてたようにぐいと一直線にのびていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
小冊子や雑誌が僕の机のまわりに蟻塚のように積み上げられていた。@略@片付ける順序に本を積み変えてみた。おかげで蟻塚は前よりずっと不安定な形になった。新聞の一面に載っている性別年齢別の内閣支持率のグラフのような形である。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
丸い円盤のような電灯
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
その他の感覚を表す比喩表現
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