日本語表現インフォ > 比喩表現の一覧 > の比喩 > 家電の比喩表現
家電の比喩を使った文章の一覧(24件)
糸を繰る座繰りの音が、驟雨のようにあちらこちらからにぎやかに聞こえる
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
喘息患者の息づかいのような電気ストーブの小さな音
丸谷 才一 / 年の残り amazon
ストーブが獣のうなり声みたいにウーウーと鳴る
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
歯軋りのような空調の音
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
下着が、柿の皮をむいたようによじれて吊りさがっている
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
剃刀が、銀色の虫が這うようにしてなだらかな肌を這い下る
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
猛獣のように唸り喚く数十の輪転機
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
部屋は、ストーブをたくようになって壁から汗のように水分がにじみ
富岡 多恵子 / 富士山の見える家「当世凡人伝 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
盤に指紋をつけないように注意しながら紙袋に収め、その紙袋をレコード・ジャケットに収めた。まるで眠りかけている子猫を寝床に移すみたいにそっと、慈愛深く。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
昼間のラジオ番組は主婦と高齢者を主なリスナーと設定して作られている。出演している人々は気の抜けた冗談を口にし、意味のない馬鹿笑いをし、月並みで愚かしい意見を述べ、耳を覆いたくなる音楽をかけた。そして誰も欲しがらないような商品を声高に宣伝した。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
私の首もとでは松籟(しょうらい)のように、古い都のホテルの冷房装置の音が鳴りつづけていた。
中村 真一郎 / 遠隔感応 amazon
一晩じゅう、かけっぱなしの扇風機が動力が弱いせいか空缶を引きずるような音をたてて鈍くまわっていた。
林 芙美子 / ボルネオダイヤ「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
方々の機(はた)の音が遠くの虫を聞くようである。
鈴木 三重吉 / 千鳥 amazon
まるで噴き井戸から無限に溢れる音のように、ラジオはよくお喋りしている。
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
輪転機のあの唸るような呼び声
堀田 善衛 / 広場の孤独 amazon
近所で、ラジオがやかましく煎りつくように鳴っている。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
スイッチを入れると、地の底から湧き上がるような低い唸りが一斉にあたりを被った。背筋が冷たくなるような音だ。そして次に、何万という鳥の群れが翼を広げるようなパタパタパタという音が続いた。@略@七十八台のピンボール・マシーンが電気を吸い込み、そしてそのスコアボードに何千個というゼロを叩き出す音だった。音が収まると、あとには蜂の群れのようなブーンという鈍い電気音だけが残った。そして倉庫は七十八台のピンボール・マシーンの束の間の生に満ちた。一台一台がフィールドに様々な原色の光を点滅させ、ボードに精いっぱいのそれぞれの夢を描き出していた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
レバー・スイッチを切った。まるで空気が抜けるようにピンボールの電気が消え、完全な沈黙と眠りがあたりを被った。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
比喩表現のカテゴリ