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姿勢・ポーズの比喩を使った文章の一覧(147件)
弓のようにまがった背骨をミチミチと音をたててのばし
開高健 / 流亡記 amazon
僕らはすっかり満腹し、温かさに躰(からだ)を軟体動物のそれのようにぐにゃぐにゃにし、板の間の藁の上へ毛布をかぶって横たわった
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
直子は同じ姿勢のままぴくりとも動かなかった。彼女はまるで月光にひき寄せられる夜の小動物のように見えた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
毒を食った犬のように手と足を硬直させて空へのばす
小林 多喜二 / 蟹工船 一九二八・三・一五 amazon
部屋の片隅に、捨てられた犬の母子のようにうずくまる
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
毒を食った犬のように手と足を硬直させて空へのばす
小林 多喜二 / 蟹工船 一九二八・三・一五 amazon
波間をつきすすむドルフィンのように体を反らせる
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
ウサギのように両肘を小脇にあてて手首をちょんと前に出す
壷井 栄 / 大根の葉 (1960年) amazon
獣のようにぐったりうずくまる
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
仔猫のような頼りない姿でうずくなる
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
死んだ小鳥みたいにうずくまる
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
深い渓谷をのぞくような姿勢
梶井 基次郎 / 檸檬・冬の日―他九篇 (岩波文庫 amazon
打ちひしがれた獅子のように腹這う
横光 利一 / ナポレオンと田虫 amazon
かたつむりがすっぽり空の中に閉じこもったように、手足をひっこめ丸くうつぶせになる
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
疾風が過ぎるのを待つように耳を塞いでつっ伏す
菊池 寛 / 忠直卿行状記 amazon
馬のようにおとなしく立っている
阿部 昭 / 千年 (1977年) amazon
両膝を曲げて海老のように窮屈になる
夏目 漱石 / 門 amazon
漁師に追い詰められた兎のように、谿(たに)川の岸の草原にしゃがんでいる
徳田 秋声 / あらくれ amazon
車にひかれた雨蛙のようなかっこうで、ふとんにひれふす
岡田 なおこ / 薫ing(イング) amazon
かたつむりがすっぽり殻の中に閉じこもったように、手足をひっこめ丸くうつぶせになる
石森 延男 / コタンの口笛 第2部 amazon
丸めて捨てた紙屑のように屈(かが)まる
里見 トン / 極楽とんぼ―他一篇 amazon
逆流を乗りきるときのように、頭を前に突き出しからだを少し斜めにする
山本 有三 / 波 amazon
するすると一本の茎が上へ伸びるような立ち方
池田 満寿夫 / 10フランの恋人 amazon
止まり木でおびえる小鳥のように瀬を丸めて顔を伏せる
安岡 章太郎 / 悪い仲間 amazon
水から揚げられた魚のように、ただ荒い息だけして横たわっている
松浦 理英子 / 親指Pの修業時代 上 amazon
排泄する小動物のような屈辱的な姿勢
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
死んだ犬みたいにぐったりと足を開げ、投げ出している
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
一疋の蟻のように小さく坐って
室生 犀星 / 幼年時代 amazon
俺たちはモーターのように無感覚で、疲労することを知らない道具である
立野 信之 / 軍隊病―兵士と農民に関する短篇集 (昭和4年) amazon
敷布団の上に、ふたりは二個の直線でしばらくそうしていた。
瀧井 孝作 / 無限抱擁 amazon
土に伏し、肱(ひじ)で胸を支えて傷ついたけもののように
大岡 昇平 / 俘虜記 amazon
背筋をまっすぐに伸ばし、両手を膝の上に揃えて置き、顎を引いていた。まるで記念撮影のポーズでも取っているみたいに、その姿勢はぴくりとも動かない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
窓際にじっと座った父親の姿は天吾に、ヴァン・ゴッホの晩年の自画像を思い出させた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
男は陸に打ち上げられた大きな水生動物のように、ゆっくりと仰向けになった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
外の世界と自分の世界を厳密に隔てるように、掛け布団を首まで引っ張り上げた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
岸に打ち上げられた鯨のように横たえたまま
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
寝袋の中で蝉の幼虫のように身体を丸く縮め、暗い天井を見上げた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
椅子の座るところの裏を両手で持ち、お尻につけたまま、かたつむりのようにして彼の近くへ行き
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
机の上にうつぶせになって、親鳥が巣を守るみたいに紙屑の山を腕で抱え込んだ。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
三角座りの形、大小はさまざまで、でもどれも使いさしの消しゴムみたいに不格好。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
今朝、起きるときに、何だか奇妙な感覚を覚えた。何かがジャッキで腰を持ち上げているような感覚があるのだ。うつ伏せに寝ていたおれの腰のあたりで、シーツと体の板ばさみになって疼痛を訴えているものがある。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
停車駅で席が空くとものすごい早い身のこなしで座り、梃子でも動かぬと決めたようにぎゅっと固めた上半身を丸めうつむく。たとえ前に老人や妊婦が立っても気づかぬフリをとおせる姿勢で、武道の型の如き気迫を漂わせてもいる。
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド amazon
机にはじめて座った小学生のように、姿勢がいい。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
潰れた虫を観察するように、しゃがんだ。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
姿勢は良く、茶道の最中のような様子だった。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
駒代は全く強盗にでも辱められたようなあられもない寝ざま
永井 荷風 / 腕くらべ amazon
腕組みをし胡坐(あぐら)をかいている姿が燭台の灯のゆらぎをうけて、洞穴の中の仏像のように妖怪じみていた。
林 房雄 / 青年〈上〉 (1951年) amazon
渚では逆巻く濃藍色の背景の上で、子供が二人湯気の立った芋を持って紙屑のように坐っていた。
横光 利一 / 春は馬車に乗って amazon
棒杭のように身体を投げ出し
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
五月人形のように股を八の字に開いて腰をかけ
永井 荷風 / ぼく東綺譚 amazon
この演技力の乏しい男は、無能な狂言師のように素顔でぼう然とすわっている。
司馬 遼太郎 / 国盗り物語(一)(新潮文庫) 国盗り物語(新潮文庫) amazon
葦の葉のあいだにちょうど、わたしの影法師のようにうずくまっている男があった。
谷崎潤一郎 / 蘆刈 amazon
妖術をかけられている娘のようにも思われてくる。
川端 康成 / 眠れる美女 amazon
眠った子供はだらりとして、固体から半分液体になりかかっているように圭子の両腕の真中に垂れた。
平林 たい子 / 鬼子母神「筑摩現代文学大系 (41) 平林たい子・円地文子集 地底の歌 こういう女 嘲る 盲中国兵 鬼子母神 私は生きる 花散里 ひもじい月日 くろい紫陽花 男のほね 妖 二世の縁 他」に収録 amazon
鞭のように細い体を屈めた
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
影のように、あの男の子が立っている
梅崎 春生 / 桜島 amazon
犬の仔のようにころがりあっている。
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
カニのように身を伏せながら
北川 正夫 / 苦力に変して―ソ満抑留記 (1983年) amazon
祈るアメリカの牧夫のように膝をそろえて床につき
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
棒を呑んだみたいに突っ立って
井伏 鱒二 / 珍品堂主人 amazon
私は仔犬のようにまろくなって座敷の隅にちぢかまっていた。
森田 たま / もめん随筆 amazon
電柱のように不動の姿勢を執った。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
蒲団から亀のように首を出す
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
犬ころのように丸くなっている彼の背
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
仰向くと蟇蛙(ひきがえる)を前から見たように真平(まったいら)に圧しつぶされ
夏目 漱石 / 道草 amazon
火にあぶったスルメのように、ふんぞり返ってしまって
山本 有三 / 波 amazon
すっぽんのように背を曲げて
林 芙美子 / 牛肉「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
どこにも、寸分の隙のない坐り方というものは、銅像を眺めているようなものである。
林 芙美子 / めし amazon
襤褸(ぼろ)の間に、提電灯が吊されて、伊兵とふでがこれも襤褸のようにそこに坐っていた。
和田 伝 / 沃土「和田伝全集〈第2巻〉 (1978年)」に収録 amazon
悠は身近に太い青竹のように立ってはいるが、女の感情の襞(ひだ)に触れてくる弾力や、やさしさはない。
芝木 好子 / 隅田川暮色 amazon
一つの置物のように端然と坐って
室生 犀星 / 性に眼覚める頃 amazon
姿勢を崩さずに、まるで化石になったように突っ立っている。
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
身体をぼろ布のように丸めて
佐多 稲子 / くれない amazon
男はコートのポケットに手を突っ込んだまま、マネキン人形のように身動き一つせず、立っていた。
赤川 次郎 / 三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 amazon
一枚の紙のように身を伏せながら
北川正夫 / 苦力に変して―ソ満抑留記 amazon
ジャックナイフのように折りまげた小柄な身体
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
ぶら下げてきた一升徳利を机の上に置くと、四人(の学生)は山賊のように胡坐(あぐら)をかいていた。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
糸杉の樹が生えたように、スックと立った長身の体
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
目つきはよく言えば鋭く、悪く言えば常に疑わしげで、爬虫類のようにギョロギョロと動く。背中が丸まっているせいで、人の顔を見る時はどうしても下から窺うようになり、初対面の人には十中八九不快な印象を与える。
殿様のように、ひとりだけソファにだらしなく座りながら
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
降参をするように両手を軽く上に挙げた姿勢で、まっすぐに倒れている。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
まるで浜辺にうちあげられた人魚のようにしっかりとタオルにくるまったまま
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
双子は缶詰のオイル・サーディンのような形に並んでベッドにもぐりこんだまま
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
遠くから眺めた僕たちの姿はきっと品の良い記念碑のように見えたことだろう。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
秋の蛾のようにひっそりと立っている女
大庭みな子 / 幽霊達の復活祭 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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