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野菜の比喩を使った文章の一覧(26件)
疣(いぼ)が全体を被った死人の指に見えるピクルス
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
肥り肉の女が、よく汗ばんだ襟首を押しはだける癖があるように、大根は身体中の肉がはちきれるほど肥えて来ると、息苦しそうに土のなかに爪立をして、むっちりした肩のあたりを一、二寸ばかり畦土の上へもち上げて来る。そして初冬の冷い空気がひえびえと膚にさわるのを、いかにも気持よさそうに娯しんでいるようだ。
薄田 泣菫 / 艸木虫魚 amazon
濃緑色で寸詰まり、まるで鬼の金棒のようだが、チャンプルーや酢の物にすると爽快な苦み、すがすがしい口あたりがいい。
向笠 千恵子 / 日本の朝ごはん amazon
ハンケチのように一枚一枚めくられたきゃべつ
野上 彌生子 / 哀しき少年 amazon
内側から赤く発光しているような実は、ずしりと手ごたえがあった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
切り株みたいなしょうがの皮をむき
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
それは猫の死骸ではなく、腐った玉ねぎだった。腐ってぶよぶよになった玉ねぎが、丁度猫の頭がい骨に見えたのだ。
小川 洋子 / 文庫版のためのあとがき「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
大根は哲学性を持った根菜だ。限りなく白は「無」を表し、94%の水分のおかげで「寂」が成立し、あの特有の匂いに「侘」を感じ、生のまま食べるときの辛さは「生」を感じる。
大泉武夫 / 吾輩はビールである amazon
独特の青臭さが抜けないのがいい。自分は気取った果物じゃなくて、実用的な野菜なんだと主張している。
平田圭子 / ワーキングマザー amazon
丸かじりすると口の中で皮がはじけ、水気たっぷりの甘酸っぱい味が広がる。飾り気のない励ましの味がする。
平田圭子 / ワーキングマザー amazon
その他の食べ物のおいしさを表す比喩表現
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