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思考・頭の中の状態の比喩を使った文章の一覧(298件)
頭の中に、きっちりとした回路ができあがり、ランプのように、理路整然とした言葉が次々と点滅してくる
林真理子 / 言わなきゃいいのに… amazon
皆がどっと笑う。そのとたん、脳みそがバリウムを飲んだように真っ白になった。
林真理子 / ウフフのお話 amazon
ゆっくりと目を閉じる。そしてスイッチを切るように頭の中から全ての灯りを消しさり、新しい闇の中に心を埋めた。
村上春樹 / 1973年のピンボール amazon
インスタント宝くじを削る時くらいの願いを込めて、私は年を送った。
せきしろ / 去年ルノアールで 完全版 amazon
僕はいつもTVの野球中継をつけて、それを見ているふりをしていた。そして僕とTVのあいだに横たわる茫然として空間をふたつに区切り、その区切られた空間をまたふたつに区切った。そして何度も何度もそれをつづけ、最後に手のひらにのるくらいの小さな空間を作りあげた。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
この部屋で横になっていると、これまであまり思いだしたことのない昔の出来事や情景が次々と浮かんできた。@略@僕は予想もしなかった記憶の奔流(それは本当に泉のように岩のすきまからこんこんと湧き出していたのだ)にひたりきって、直子がそっとドアを開けて部屋に入ってきたことに気づきもしなかったくらいだった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
放心状態で。何が何やらわけがわからなくて。体の中の何かが死んでしまったみたいに。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
埒もない空想が、空に浮ぶ白い雲のように去来する
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
考えが混沌として雲のごとくに動く
夏目 漱石 / 門 amazon
誘惑と愛情とおせっかいと誤解の嵐が、四方から襲いかかる
石川 達三 / 花のない季節 amazon
注文伝票が、悪夢のように捌(さば)いても捌いてもあとからあとから増える
干刈 あがた / 干刈あがたの世界〈2〉ウホッホ探険隊 amazon
それから三日間、僕はまるで海の底を歩いているような奇妙な日々を送った。誰かが僕に話しかけても僕にはうまく聞こえなかったし、僕が誰かに何かを話しかけても、彼らはそれを聴きとれなかった。まるで自分の体のまわりにぴったりとした膜が張ってしまったような感じだった。その膜のせいで、僕はうまく外界と接することができないのだ。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
彼は田舎の人々が山道について熟知しているように、モーツァルトの音楽の素晴らしさを熟知していた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
頭脳(あたま)が水薬の空き瓶みたいになる
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
考えをまとめようとしても、脳が沸騰して泡立っているようで駄目
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
死んだ鯖の目玉のように澱んだ頭の中
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
頭脳が氷点下の泥沼のように凍結して、一時活動を停止する
木山 捷平 / 白兎・苦いお茶・無門庵 amazon
頭が遠心分離器にかけられたみたいに旋回している
大庭 みな子 / 大庭みな子全集 第2巻 amazon
自分が磨かれた刃物のように思われるほど頭が冴える
伊藤 整 / 青春 amazon
若い頭脳が、機械のように正確に動作する
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
イメージが満ち潮の波の次から次へと打ち寄せる
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
記憶にかかった靄を追い払うように頭を振る
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
濃い雲間から時折薄日が射すように、少しずつ話が頭に入ってくる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
幻を見たようなあやしい気分が胸をかすめる
藤沢 周平 / 三屋清左衛門残日録 amazon
指先で押さえつけられた蟻のような情けない滑稽なあがき
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
踏みつけられた蟻んこの巣のように大混乱に陥る
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
幾つもの理由が思い浮かんでは泡沫のように消える
福永 武彦 / 草の花 amazon
あとからあとから湧いてくる思想に押されでもするかのように、部屋の中を往ったり来たりする
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
意識が朦朧としてきて、抛(ほう)り出された手鞴(てふいご)のようにしぼむ
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
段々消えて行く、狭霧のような取り止めもない意識
菊池 寛 / 極楽 amazon
織るような忙しさに足を動かす
佐藤 春夫 / 佐藤春夫 amazon
何のために働いているのか考えずにいたほど忙しい
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
金のために一時の不自由さも忍んでいるという風に忙しく働く
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
手のつけようのない数学の問題を目の前にして、時計の針を動くのを眺めているような毎日
現代の文学〈17〉安岡章太郎 amazon
岩をも砕く波の勢いで、いろいろな思考がめまぐるしく脳の中を駆けめぐる
鷺沢 萠 / 葉桜の日 amazon
断片が混じりあってしまった二種類のパズルを同時に組み立てているような気分
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
痛みはさして激しくはなかったけれど、まるで体が幾つかの別の部分に分断されてしまったような異和感を僕に与えつづけていた。
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
二本の箸の両先端が、自分の体の部分ように違和感なく精妙に働く
竹西 寛子 / ひとつとや amazon
インクに浸された紙のように、みるみる同じ気持ちが皆の気持ちの隅から隅まで浸してゆく
小林 多喜二 / 蟹工船 一九二八・三・一五 amazon
色々な思考が頭脳の中に渦のように描かれる
徳田 秋声 / あらくれ amazon
疑惑が小さく縮んでコロコロに固まってポケットにしまえるくらいになる
尾辻 克彦 / 父が消えた amazon
霧がはれて山の姿がハッキリ見え出すように疑う余地がない
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
毛筋ほどの疑惑も持たない
新田 次郎 / 縦走路 amazon
妄想が崖崩れのように襲う
黒井 千次 / 群棲 amazon
激情が満々たる水のように襲う
井上 靖 / 風林火山 amazon
野分の風に舞い散る落ち葉のように、きれぎれで統一のない雑多な思いが頭を狂い舞う
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
想念が気持ちの中に煮えるようにわきたつ
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
梭(ひ)のような休みのない思いで心に悪い布を織る
佐藤 春夫 / 創作〈2〉 amazon
身勝手な理屈を冷えた心のなかで織る
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
同じ容態に違った処方をする多くの医者たちの間を往復するような愚かさを繰り返す
中島 敦 / 悟浄出世 amazon
煙をその形のままに手でとらえようとするにも似た愚かさ
中島 敦 / 悟浄出世 amazon
頭も身体も麻痺してしまった人間が堆積した無知の砂漠が広がる
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
揺れ動く無数の海藻のようにゆらゆらとたゆたう
中島 敦 / 悟浄出世 amazon
確信が、密雲から太陽がおどり出たように意識を明るく照らす
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
確信を相手の胸にも植えようとする熱心な語気
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
ありさまが影絵のように髣髴(ほうふつ)と心に浮かぶ
阿刀田 高 / ナポレオン狂 amazon
遠い昔の記憶のように朧げにしかわからない
芥川 竜之介 / 袈裟と盛遠 amazon
さまざまな光景が体の奥を一瞬の熱い風のように吹き抜けて過ぎる
黒井 千次 / 群棲 amazon
薄紙を剥ぐように少しずつわかりはじめる
中 勘助 / 銀の匙 amazon
未知の世界の印象が遠雷のように、遠く轟いてきてまた消え去る
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
朝から晩まで二十日鼠のようにからだを動かしている
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
ばらばらにちらばっていたパズルの断片が一つの図柄を構成していくような感じ
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
意識のすきまのひとつひとつに、白熊でも歩いてわたれそうなほどの厚い氷をはりめぐらし、全ての思考を凍結させる
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
頭に鈍重な犀(さい)の大脳でも詰まっているようで、思考の筋道がぼんやりしている
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
とりとめのない考えを、そこいらに飛んでいる黄色い蝶のようにさまよわせる
堀 辰雄 / 菜穂子―他五編 amazon
難解な迷路のような思考に吸い込まれていきそう
鷺沢 萠 / 葉桜の日 amazon
思考回路に被害妄想の渦ができる
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
海を眺めているときと同じ作用が脳細胞に普及する
島尾 敏雄 / 島尾敏雄 amazon
催眠術にかかったように、目を宙に据えて、じっと考え込む
内田 康夫 / 釧路湿原殺人事件 amazon
眼前に黒い幕がおりるように見えなくなる
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
写真機のシャッターがおりるように急に闇になる
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
憑いていた狐が落ちたように自分のしてきたことが阿呆らしくなる
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
疑問符が、金銭登録機のドル符号のように、ひっきりなしに浮かんでは消える
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
ロンドンの裏街に漂う濃霧のようなものが、右脳と左脳の間にたなびいている
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
夢想が、砂を混えたか細い流れのように、勾配がなくなると水溜まりの形で止まり、澱む
ジュール・ルナール / にんじん (1950年) amazon
庭の雑草を一本ずつ抜いていくようにして、一時間ほどかけて丁寧に雑念を抜く
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
歯痛にでも襲われたかのように、口元を歪めて考えこむ
宮部 みゆき / とり残されて amazon
結論を先に見つけてから後に順に石を積むようにして考える
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
謙遜は愛を拒む防波堤
有吉 佐和子 / 三婆 amazon
潮の寄せるがごとく、逆らうすべもない敵勢の進撃
半村 良 / 戦国自衛隊 amazon
言説の底に激しい潮のように流れている夢見る人のパッション
佐藤春夫 / 美しき町 amazon
昭子の体の芯のあたりで熱いものが揺らめいた。ひたひたと潮のように押し寄せて来るものがあった。
阿刀田 高 / ナポレオン狂 amazon
尻尾をくわえた蛇のような、こじつけめいた感じ
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
煩悩を解脱してシミひとつない白紙の脳裏
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
七彩(なないろ)に変わる石鹼玉(しゃぼんだま)の色のように、倏忽(しゅくこつ)に気持ちが変わる
梶井 基次郎 / 檸檬・冬の日―他九篇 (岩波文庫 amazon
水中は考えごとに適した場所でもあった。それは一種の禅のようなものだ。いったん運動のリズムに乗ってしまえば、頭の中に思考を束縛なく漂わせることができる。犬を野原に放つように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
メロディーに誘い出されるように、瞼の裏側に様々なイメージが次々に浮かび、浮かんでは消えていった。具象性や意味を持たない一連の形象だった。それらは意識の暗い縁からぼんやりと現れ、可視領域を音もなく横切り、別の縁に吸い込まれて消えていった。顕微鏡の円形の視野を横切っていく、謎めいた輪郭を持った微生物のように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
さて、僕は思った。でも「さて」のあとが続かなかった。僕は思考の巨大な空白の真ん中にいた。どちらに行っても、何処まで行っても空白だった。何にもいきあたらなかった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
長い一日だった、僕は思った。長く長く引き延ばされた一日。一日がかりでジェット・コースターに乗っていたような気がする。まだ体が揺れている。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
クラッカーは僕の頭みたいに少し湿気ていた
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
彼の胸に凱歌のような明るい光がみちている
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
からだを横に倒しながら、尾鰭をはげしく打ちつけるようにした。(略、それは)鱗の汚れを拭い取っているように見えた。からだをマッサージしているようにもまた、時によっては、痒みを掻いているようにも見えた。
竹西 寛子 / 兵隊宿 amazon
危害に遇うところりと死んだふりをする虫けらのように無力
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
発作は長く続いた。天吾(人名)は目を閉じ、いつものようにハンカチを口にあて、しっかり噛みしめていた。どれくらいそれが続いたのかわからない。すべてが終わってしまってから、身体のくたびれ方で見当をつけるしかない。身体はひどく消耗していた。こんなに疲れたのは初めてだ。まぶたを開くことができるようになるまでに時間がかかった。意識は一刻も早い覚醒を求めていたが、筋肉や内臓のシステムがそれに抵抗していた。季節を間違えて、予定より早く目を覚ましてしまった冬眠動物のように。@略@天吾はようやく目を開け、焦点をあわせ、テーブルの縁を握っている自分の右手を眺めた。世界が分解されることなく存在し、自分がまだ自分としてそこにあることを確認した。しびれは少し残っているが、そこにあるのはたしかに自分の右手だった。汗の匂いもした。動物園の何かの動物の艦の前で嗅ぐような、奇妙に荒々しい匂いだ。しかしそれは疑いの余地なく、彼自身の発する匂いだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
太古の海における生命萌芽のざわめきのように、彼の頭の中に浮かんだり消えたりしていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
餌を求めて空を舞う鳥の鋭い集中力
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
その質問は彼女の意識の領域のどこにも着地しなかった。それは意味性の縁を越えて、虚無の中に永遠に吸い込まれてしまったようだった。冥王星のわきをそのまま素通りしていった孤独な惑星探査ロケットみたいに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
考えごとをしようかと思ったが、考えるべきことをひとつとして思いつけなかった。@略@頭がまとまった何かを考えることを拒否しているらしい。頭の芯にもつれた糸のようなかたまりがある。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
彼の中である種の混乱が始まっていた。感情の平原のどこかで不吉な砂嵐が発生しようとしていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
私って青豆さんに憧れているんだ。さえない女子高校生みたいに
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
「さきがけ」という名前を耳にして、そこに秘められたとくべつな響きに反応したように、つばさが一瞬目を伏せた。しかしすぐに目を上げ、前と同じ表情のない顔に戻った。彼女の中で小さな渦のようなものが突然巻き起こり、そしてすぐに静まったように見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
まるで歪んだ鏡に変形して映った自分の姿を眺めているみたい
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
彼はより多くのヒントを必要としていた。より多くのパズルのピースを求めていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
光線の焦点をくっきりとひとつに結ぶように
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
頭の中を整理しようとした。机の抽斗(ひきだし)の中身を整理するように。しかしうまく整理はつかなかった。いくつかのものの位置を入れ替えただけだ。消しゴムのあったところにペーパークリップを入れ、ペーパークリップのあったところに鉛筆削りを入れ、鉛筆削りのあったところに消しゴムを入れる。混乱のひとつのかたちが、別のかたちに変わっただけだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
胃が金具で締めつけられるような激しい既視感があった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
手の内のカードを全部さらすのは牛河のやり方ではない。小さな数の札はちらりと見せてもいい。しかし大きな数のカードはしっかり伏せておく。そして何ごとにも保険というものが必要になる。
村上 春樹 / 1q84「1Q84 BOOK 3」に収録 amazon
彼女を包んでいた空白が消滅し、栓がとれたみたいにまわりの騒音が一挙に戻ってきた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
父親は途切れることのない昏睡の中にいた。麻痺が慈悲深い衣のように、彼の全身を包んでいる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
いったいどんな姿かたちをした意識が身を潜めているのだろう。それともそこにはもう何ひとつ残されていないのだろうか。見捨てられた家屋のように、家財や器具は残らず運び去られ、かつて住んでいた人々は気配も残さず消え失せてしまったのだろうか。しかしもしそうだとしても、その壁や天井には、時々の記憶や光景が焼き付けられているはずだ。長い時間によって培われたものは、それほどあっけなく無の中に吸い込まれたりはしない。父親はこの海辺の療養所の簡素なベッドに横たわりながら、同時に内奥にある空き屋のひっそりとした暗闇の中で、余人の目には映らない光景や記憶に囲まれているのかもしれない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
彼の思考はそこで行く手を阻まれ、つながれてきた仮説の糸は鋭い剃刀によってあっけなく断ち切られる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
彼女の心の中でひとつのドアが閉じ、別のドアが開いたような感覚がある。静かに、音もなく。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
考えれば考えるほどわけがわからなくなる。自分の脳味噌が消費期限切れの豆腐でできているみたいに思えてくる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
意識の半分を空っぽにして休ませ、残りの半分で考え事をした。そしてダヴィッド・オイストラフの演奏するシベリウスの音楽は、主にその空っぽの領域を通り過ぎていった。そよ風のように広く開け放たれた入り口から入り、広く開け放たれた出口から出ていった。音楽の聴き方としてはあまりほめられたものではないかもしれない。@略@音楽を右から左に聴き流しながら、意識の空っぽではない方の半分でとりとめもなく思考を巡らせた。そういうとき、彼は対象を限定することなくものを考えるのが好きだった。犬たちを広大な野原に放つように、意識を自由に駆けめぐらせるのだ。どこでも好きなところに行って、なんでも好きなことをしてくればいいと彼らに言って、あとは放っておく。彼自身は首まで湯につかり、目を細め、音楽を聴くともなく聴きながらぼんやりとしている。犬たちがあてもなくはねまわり、坂道を転げまわり、飽きることなく互いを追いかけ合い、リスをみつけて無益な追跡をし、泥だらけになり草だらけになり、遊び疲れて戻ってくると、牛河はその頭を撫で、また首輪をつける。その頃には音楽も終わっている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
余計なことは考えないようにしようと牛河は思った。皮膚を厚くし、心の殻を固くし、日々をひとつまたひとつと規則正しく重ねていくのだ。俺はただの機械に過ぎない。有能で我慢強く無感覚な機械だ。一方の口から新しい時間を吸い込み、それを古い時間に換えてもう一方の口から吐き出す。存在すること、それ自体がその機械の存在事由なのだ。もう一度そのような混じりけのない純粋なサイクル――いつか終わりを迎えるであろう永久運動――に復帰しなくてはならない。彼は意志を堅くし、心の蓋を閉ざすことで、ふかえりのイメージを脳裏から追い払おうとした。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
味噌汁の、砂が抜けきっていないあさりを噛みしめて、じゃりっときた時と同じ、ものすごい違和感
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
川奈天吾がアパートの入り口に姿を見せるのと同時に、どこかで扉が大きく開かれ、現実感が牛河の意識に戻った。大気が真空を満たすように、一瞬のうちに神経は研ぎ澄まされ、新鮮な活力が身体に行き渡った。彼はそこにある具象的な世界に、ひとつの有能な部品として組み込まれた。かちんという心地よいセッティングの音が耳に届いた。血行の速度が上がり、適量のアドレナリンが全身に配られた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
俺の頭はおかしくなってなんかいない。俺の思考は新しい鉄釘のように硬く、冷徹でまっすぐだ。それは現実の芯に向けて正しい角度で的確に打ち込まれている。俺自身には何の問題もない。俺はちゃんと正気を保っている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
彼女は自在に頭の中をからっぽにできる。目は公園を怠りなく監視している。とくに滑り台の上を。しかし何も考えていない。いや、おそらく意識は何かを思っているのだろう。しかしそれはおおむねいつも水面下に収められている。その水面下で自分の意識が何をしているのか、彼女にはわからない。しかし意識は定期的に浮かび上がってくる。ウミガメやイルカが、時が来れば水面に顔を出して呼吸をしなくてはならないのと同じだ。そういうときに彼女は、自分がそれまで何かを考えていたことを知る。やがて意識は肺を新鮮な酸素で満たし、再び水面下に沈み込んでいく。その姿は見えなくなる。そして青豆(人名)はもう何も考えてはいない。彼女は柔らかな繭に包まれた監視装置となり、滑り台に無心の視線を送っている。彼女は公園を見ている。しかし同時に何も見ていない。何か新しいものごとが視野に入れば、彼女の意識は即座にそれに対応するはずだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
風はない。探り針のように空中に巡らされたケヤキの暗い枝は微動だにしない。世界は見事に静止している。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
長い沈黙が降りる。細長い部屋の向こう端まで歩いて行って、辞書を手にとって何かを調べ、また戻ってくるくらいの時間がある。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
頭には脳味噌のかわりに、冷凍されたレタスが収まっているみたいだ。レタスを冷凍してはいけないということを知らない人間がどこかにいるのだ。一度冷凍されて解凍されたレタスは、ぱりぱりとした食感を失ってしまう。それこそがおそらくはレタスにとっての最良の資質であるというのに。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
不可解な要素がいくつかある。そして話のラインが錯綜している。どのラインとどのラインが繋がっているのか、それらの間にどのような因果関係があるのか、見きわめることができない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
川の浅瀬に重い石を落とすと、川底の砂が立ち上って水を濁すように、〝あの気持ち〟が底から立ち上ってきて心を濁す。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
主人公とその恋人は紙の上で立ち往生させられている。
林 真理子 / 最終便に間に合えば amazon
二十歳の自分の苛立たしさ、標本に針で止められた昆虫のあがきに似ている
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
方向感覚を失った昆虫のように死に向かってひたすらあがく
阿刀田 高 / 恐怖コレクション amazon
指先で押さえつけられたアリのような情けないこっけいなあがき
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
いったいどちらの展開が待っているのか、と、遠い国の戦争の行方を想像するかのような感覚で、思った。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
忠臣蔵のドラマを観た後で、「ゾンビって怖いよねえ」と感想を述べるかのような謎めいた反応に思えた。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
頭の中身が、すとん、と音を立てて、ごっそりと抜け落ちたような感覚になる。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
「あんた、俺たちの味方だろ? な、な」歯欠けの男は、野球チームのキャッチャーが審判の判定に願いを託すかのように、祈っている。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
頭の中では、困惑と疑問が竜巻のようになって、ぐるぐる回っているに
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
鳥井の今の心の内は、からからに干からびた砂漠そのものだ、と思った。果てがなく、精神が乾燥し、方向感覚を失っている。@略@これからどう歩き出せばいいのか、途方に暮れている。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
脳の中に煙幕が渦巻くような感覚で、頭が回転しない。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
これからどうする。どうする? どうする? 頭の中は熱くなり、歯車が急速に回転しはじめる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
自分の内に、ぷつぷつと湧く疑問の泡
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
構想は、宛(あたか)も奔流の様に、実に鮮やかに心のなかに姿を現します。
小林 秀雄 / モオツァルト amazon
その空想がちようど漁船から漏れた油のやうに長く尾を引いて薄れてゆく
丸谷 才一 / 横しぐれ amazon
悪を犯したという明瞭な意識は@略@勲章のように、それは私の胸の内側にかかっていた。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
敬助は混乱していた。迷路をさまよっているような気がした。
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
蛇のような執拗さで間がな隙がな追究しずにはいられなかった。
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
音のない芝居のように、血みどろなゆき子の姿が、ゆるく空想の景色の中で動いている。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
火花のごとく消えては浮ぶ空想
正宗白鳥(忠夫) / 何処へ amazon
放心状態で地面の杭になっていた
島田 雅彦 / 聖アカヒト伝「ドンナ・アンナ (新潮文庫)」に収録 amazon
その京子さんがどうしてあのご主人と。そこにくると、私は急に目隠しされたようになってしまいます。
竹西 寛子 / 西安秋日「長城の風」に収録 amazon
構想は花束のように見事
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
庭鳥(にわとり)のようにばたばたする
井伏 鱒二 / 多甚古村 amazon
石のような無知な僧侶
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
信じる心は、デパートの正札のように、一夜でつけ替えられるものではないのだ。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
薄暗く冷たい板の間に坐っている橋本先生の姿が林檎のような光沢と感触で脳裡に浮び上がった。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
ビールの泡のように、自信が満々と溢れている
石坂 洋次郎 / 山のかなたに (1954年) amazon
空想はさらに電波のように拡がって
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
あまりに急激に廻転している歯車の前に立ったときのように、手の出しようがなかった。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
眼隠しされた奔馬(ほんば)のような無知さで、前後も考えず有無なく結婚してしまった。
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
神経も思索もぬかれてしまった機械のように、ただ動いている。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
変な妄想が、今呑んでいる煙草の煙のように、淡く彼の心を掠めて過ぎた。
夏目 漱石 / 明暗 amazon
私は、整理したいことでいっぱいだ。何もかもが未整理で、ぼろ切れのようにあたりいちめんにちらばっている。
尾崎 一雄 / まぼろしの記 amazon
最初は茫漠とした幻想のかたまりのようなものが雲の如く脳裡に湧き、何かしらものを書かずにはいられなくなる。
谷崎潤一郎 / 雪後庵夜話 amazon
ふと姉の姿が物の匂いのように心に浮ぶ。
鈴木 三重吉 / 山彦「千鳥 他四篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
意識は冷えた陶器にも似て覚醒していた。
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
人参にありついた猿のように、夢中になって
曽野 綾子 / 遠来の客たち amazon
昔のことを精密機械のようにくわしく正確に記憶して
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
不安な想像を水母(くらげ)の傘みたいにふくらませている
古井 由吉 / 弟「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
まるで隣人同士のように遠慮してしまって
林 芙美子 / 魚の序文「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
感情はなお確実に、時計の針のように、わき目もふらずに動いている。
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
この謎が解けたら、それは濡れずに水の中から出て来るようなものだ。
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
海の真中へ乗り出してしまったような茫然とした気持
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
子供の落書きのような空想
安部 公房 / 他人の顔 amazon
頭が歌いすぎた喉のように乾いてほてるまで議論し続けた
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
日ざしを失った日時計のように、忽(たちま)ち途方に暮れ
三島 由紀夫 / 美徳のよろめき amazon
彼は停電したようにプッツリ意識を失なった。
島田 雅彦 / 聖アカヒト伝「ドンナ・アンナ (新潮文庫)」に収録 amazon
新しい空想はヒドラの足のように切られても切られても生ずるものだ。
武者小路 実篤 / お目出たき人 amazon
作品を見るもののすべてを魔法の渦のように自分の世界にひきずりこむのです。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
判断の針を狂わされたように混乱した。
中山 義秀 / 醜の花「厚物咲・碑 (1949年) (春陽堂文庫〈第54〉)」に収録 amazon
自分のしかめ面が、鏡を見るように、あざやかに脳裡にうかんだ。
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
食事と晩酌の時間を最低限当てる。まるで画面から味でもするみたいに吸いついて飽きもせず眺めている。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
蟻の巣の中身は、中にいる蟻より、外から眺める人間の方がよく見える
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
自分の記憶の中に、答えが隠れているような気がしてならなかった。だから、目を閉じて、それを探ることにした。記憶が海だとすれば、その底の底に落ちている「答え」をつかむために、息を止めて、潜りに行く。記憶の中を潜っていく感覚だ。瞼を閉じて、呼吸を整える。そうしてから、一気に潜る。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
の中にぽつりとそんな疑問が現われる。雪に埋もれた地面から芽が出るようだった。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
頭の中は完全に混乱していた。様々なことが一気に脳の中で氾濫し、それを何一つ把握できていない状態だった。@略@両手で頭を抱えた。 ブレーカーが脳の中にあるのだとすれば、それがそろそろ落ちる頃ではないか。そうでなければ脳がパンクする。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
正気は蒸気のように飛びはじめている。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
京子は、自分の頭の歯車から螺子が次々と外れていくのが分かった。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
才能が映画「レナードの朝」のように、長い年月の間病気のせいで眠り続けていたが、ある日ふっと覚醒してまるで元気なときと同じように生き生きと動き回れる
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
それに気づいたとたん、いままで自分が信じてきたものが単なる金メッキに過ぎないと悟ったんだ。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
カーティスの顔はまるで砂絵の砂が風に吹き飛ばされるように輪郭を失い、気づいた時、翔は薄暗い店内にいた。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
頭はまったく動いていなかった。 〈佐山です〉 県警キャップの──思った瞬間、脳内のすべてのランプが点灯した。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
幾つもの理由を張りつけているが、ネギの皮を剝くように一枚一枚引っぱがしていけば、最後に残るのは保身だけだとわかっていた。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
隕石の成分ほども理解できない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
きっと、何かが出てくるはず。掘れば湧いてくるはず。地表の岩盤が硬すぎて掘削するのに時間がかかっているだけだ。鉱脈の場所が深すぎて、なかなか届かないだけだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
あたしが素手で熊に向かっていくようなものだろう。太刀打ちできない。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
異和感を僕はしばしば感じる。断片が混じりあってしまった二種類のパズルを同時に組み立てているような気分だ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
もっともそれは誰がどう眺めまわしても苦労といった類いのものではなかった。メロンが野菜に見えないのと同じことだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
ある日、何かが僕たちの心を捉える。@略@二日か三日ばかり、その何かは僕たちの心を彷徨い、そしてもとの場所に戻っていく。……暗闇。僕たちの心には幾つもの井戸が掘られている。そしてその井戸の上を鳥がよぎる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
彼女は素晴しかった。3フリッパーの「スペースシップ」……、僕だけが彼女を理解し、彼女だけが僕を理解した。僕がプレイ・ボタンを押すたびに彼女は小気味の良い音を立ててボードに六個のゼロをはじき出し、それから僕に微笑みかけた。@略@ボールが彼女のフィールドを駆けめぐるあいだ、僕の心はちょうど良質のハッシシを吸う時のようにどこまでも解き放たれた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
背筋に、黒く冷たい水のような感情が広がった。
羽田 圭介 / 一丁目一番地「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
欲は状況によって、とても簡単に水位が変動します。水面に浮かんだアヒルのおもちゃは、海ほど水が多ければもちろん浮きますが、かと言って栓を開けてしばらくたち、お湯があらかた抜けた湯船にも、黄色いおしりを浴槽の床にこすらせながら、かろうじて浮きます。絃と話すことによってお湯はほんの少し足されただけでしたが、心のなかでアヒルのおもちゃはぷかぷか浮いていました。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
大きく広がる入道雲のような夢を描き
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
それは折り重なり、まるで蜃気楼のような奇妙な既視感を生んで
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
フランス座を中心とした目に見えない線が物語を紡ぐ、概念上の男の星座──つまり「一見、無関係に並んでいるようにしか見えないものが、ある時、全体的な意味を含んだものに見えてくる」
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
これらの事柄を、わたしは胸の中で並べてみた。何の脈絡もないこの三つが、ガラスのきらめきに紛れ一つに溶け合っているように思えた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
心の一角に悪い衝動が、夏の雲のように立ち現れたかと思うと、みるみる心の空全体に広がっていく
中村真一郎 / 夜半楽 amazon
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