時間・スピードの比喩表現の例文 一覧

事件が嵐のように過ぎる

飛ぶように速い

足元に火がついたように慌しく活動し始める

遠い微かな穴の奥底のような昔

瞬時の火花のかわりに、油のような時間が流れる

蟻が塔を造るような遅々たる行動

進取の気性が時代の歩調としっかり手を取り合う

しゃぼん玉ができて割れるまでの時間ほどの束の間

空にひらめく稲妻のごとく一瞬

稲妻のように素早い

忍者のように素早い

ネズミのように素早い

犬がにおいを感じるときのような素早さで

蝉の命ほどもない短い期間

影のように静かに動く

風のような素早い動き

ナイフのように切れ味のいい動き

カタツムリのように遅い

スローモーションのような遅い動き

冬眠から目覚めたばかりのヘビのような遅い動き

ゆっくりと無感動に、牛が草を食（は）むように仕事をする

牛のようにゆっくりしたスピードで

春と夏とが同時に押し寄せてきたかのように、季節が急速に進む

手繰りきれない白い帯のような長い年月

大きな時代の流れの中で溺れかける

鏡面のように静かになっている過去

宙を飛ぶようにして駆けつける

脱兎のごとく

脱兎のごとく

カビの生えた記憶

猫の眼のように、時代の推移に従って自己を変える

時代にささやかな杭を立てる

木々の間を群れとなって移ろう鳥のように、空気がゆっくりと流れる

時間が重い鎖をひきずるようにして通過する

緋鯉の稚魚のような敏捷さ

暦をめくるように、季節で貌（かお）を変える庭木や下草

すばしこい魚のように敏捷

ずっと昔に死んでしまった時間の断片

実際には数秒足らずの時間が、長い時が音を立てて流れつづけたように感じられる

ほとんどまばたきするほどの時間だったが、停止したフィルムの場面の中にいるような気がする

緩やかな水の流れのように時が彼の体を通り抜けていく

澱みに広がる水の輪のように、緩慢で怠惰な時間が過ぎる

油のような時間が流れる

貴重な時間が血のように流出する

時間が蛇腹（じゃばら）のように、深いひだをつくって幾重にもたたみこまれている

急き立てられているような速さでこなす

大きな時代の流れの中で溺れかける

疾風の如く敏速

滑って転ぶ間もないうちに

魔法使いの馬車が現れたような早さでタクシーが来る

三分で出来るカップラーメンのようにあっという間

くすぶった焼けぼっくいが燃え盛るようにすぐ

パソコンのブラインドタッチのように素早さで

小鳥のように俊敏

トカゲのように素早い

小動物みたいにすばしっこい

何度も訓練してきたように敏捷に動く

背負い投げのように一瞬の出来事

矢のように突き進む

矢のような素早さで

喪失感の中、ただ時間だけが無音の微風のごとく、僕の周りを吹きすぎて行く

月の満ち干のようにこれから先も終わることなく存在する

長い退屈な映画を見ているような一日だった。時間を無駄に潰すというのもなかなか骨の折れるものなのだ。

時間は流砂のごとく流れ続けている

ぜんまい仕掛けのカタツムリみたいにダラダラ続ける

午後は淀んだ深い川のように静かに流れていった

ゆっくりと空を流れる雲のように、五月が窓の外を過ぎ去っていった

私がセンをとった時、蜘蛛は、実際に、間髪を容れず、という素速さで脱出した。それは、スタートーラインで号砲を待つ者のみがもつ素速さだった。

季節と季節を繋ぐ糸は断ち切れても、なお一筋二筋、かすかに秋を繋ぎ止めているとでもいうような鳴き声で蟋蟀（こおろぎ）が聞える。

翌日目が覚めたとき、世界はまだ無事に続いていた。そしてものごとは前に向かって既に動き出していた。前にいるすべての生き物を片端から礫き殺していく、インド神話の巨大な車のように。

ここから先は誰にとっても未知の領域だ。地図はない。次の角を曲がったところに何が待ち受けているか、曲がってみなくてはわからん。見当もつかない。

深い池に石を放り込む。どぼん。大きな音があたりに響き渡る。このあと池から何が出てくるのか、私たちは固唾を呑んで見守っている。

空中の蝿をつかめそうなくらいの速くて正確

永遠はどこまでも伸びる一本の長い棒だ。

ガラスの灰皿を手に取り、盲人が事物のかたちを詳しく確かめるときのように、長い指で注意深く表面を撫でた。@略@かたちを調べ終えた灰皿をテーブルに戻し、

時間は河口に近づいた河のようにゆるやかに流れていた。

下痢したニワトリみてーに急いでいる

1分間で生き延びる確率が10パーセント下がるくらいに一刻を争う

時満ちて、10年後の同窓会で告白するみたいな、遅すぎる

歩道をサーキットに見立てて華麗に歩行者を追い抜く

犬のおしっこみたいに終わりそうで終わらない

新幹線で行ってくる

永遠と思えるほど

時間の歯車が回る

エアポケットのようなわずかな暇

視界に入るものはすべて──街行く人も、道路を走る車も──見える限りの世界が、まるでフィギュアで作られた世界であるかのように静止していたのだ。

車両の揺れが、相変わらず、木村を小突くようだ。忍耐の鎖を破るように唆してくる。

「きやあ。」と叫んで、あわてて湯舟から出た。すべてがちょうど金しぼりからとけたようなおかしな速度だった。

雪の上を転がるように

一分にも満たないらしいその僅かな間合いが、間崎の頭の中では、一時間にもそれ以上にも、よごれた腸のような細長い紐に引き伸ばされて感じられた。

蟬の命ほどもない、短い間

時計の針がとまったように一向に夜が更けぬ。

尻尾をくわえた蛇のような長ったらしい告白

栗鼠（りす）のように敏捷（すばし）っこい記者たち

遠い遠い昔の、夢のように霞んだある日のお話でございます。

日ごろ見かけたことのない男の子がひとり、ちょろちょろ、かけまわっているのを見たが、まるで、こてんぐみたいにすばやかったぜ。

鹿児島湾の上空を、古ぼけた練習機が飛んでいた。@略@極度にのろい速力で、ちょうど空を這っているように見えた。

時はあぶらの垂れるゆるやかさで過ぎた。

まるで富士山から岩石でもころがすような急速度で

すべての平和と幸福とは、短い人生の中にあって最も短い。それはちょうど、秋の日の障子の日向の上にふと影を落す鳥かげのようである。

隼（はやぶさ）のような早い飛行機

夢のような速さで、女にいろいろなものを着せた。

夏の夕べの蛾をはたき落す猫の如く、正確にして敏捷

宇宙のようにどこまでも広がっていく

それからの展開は早かった。フィルムのコマ落としをした映像を見ているようだった。

鉛のように重苦しい集計時間が過ぎていく。

時間は矢のように過ぎた

大勢の人間が限られた時間を共有して突っ走る。怒りも焦りも苛立ちも、ギロチンの処刑のごとく下される締切によって断ち切られる。

手品みたいなスピードで

崖から転がり落ちるみたいに過ぎていく時間

鼠（人名）にとっての時の流れは、まるでどこかでプツンと断ち切られてしまったように見える。@略@切り口をみつけることさえできない。死んだロープを手にしたまま彼は薄い秋の闇の中を彷徨った。草地を横切り、川を越え、幾つかの扉を押した。しかし死んだロープは彼を何処にも導かなかった。羽をもがれた冬の蠅のように、海を前にした河の流れのように鼠は無力であり、孤独であった。何処かで悪い風が吹き始め、それまで鼠をすっぽりと取り囲んでいた親密な空気を地球の裏側にまで吹きとばしてしまったようにも感じられる。

ひとつの季節がドアを開けて去り、もうひとつの季節がもうひとつのドアからやってくる。人は慌ててドアを開け、おい、ちょっと待ってくれ、ひとつだけ言い忘れたことがあるんだ、と叫ぶ。でもそこにはもう誰もいない。ドアを閉める。部屋の中には既にもうひとつの季節が椅子に腰を下ろし、マッチを擦って煙草に火を点けている。もし言い忘れたことがあるのなら、と彼は言う、俺が聞いといてやろう、上手くいけば伝えられるかもしれない。いやいいんだ、と人は言う、たいしたことじゃないんだ。風の音だけがあたりを被う。たいしたことじゃない。ひとつの季節が死んだだけだ。

カー・ラジオは古い艶歌をがなり立てていた。はね上げ式の方向指示器くらい古くさい歌だった。

「大学でスペイン語を教えています」と彼は言った。「砂漠に水を撒くような仕事です」

時間はもの惜しげに一滴ずつしたたってゆく