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気温の比喩を使った文章の一覧(93件)
灼熱した鐘の内部のような大気のなか
三島由紀夫 / 真夏の死 amazon
真夏の昼下がりにくわえて、焼けた墓石の放射する熱気で足もとから火がつくようだ
阿部昭 / 阿部昭集〈第4巻〉(子供の墓) amazon
暗い波が巨大な舌のような生温かさでからだを包む
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
音楽の余韻が漂っているように、空気は生暖かく重たかった。
福永 武彦 / 草の花 amazon
わっと飛び出してくるドライヤーのような空気を押し分けて、運転席に乗り込む
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
一日が、耐えきれぬほどの暑さと耐えきれぬほどの長さで移って行く
藤枝 静男 / 或る年の冬 或る年の夏 amazon
夏の暑さが、熱いお茶を飲むように快感
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
たち並ぶビル群がかげろうのようにゆらゆらと歪んで見える猛暑
中島 みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた) amazon
秋風のような涼しい空気が流れる
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
野はかまどのように熱く、土さえ燃えそうな暑い日
室生 犀星 / 舌を噛み切った女 (1957年) amazon
刺すような冷気が、衣類の織りめから千本の鋭い切っ先となって肌につき刺さる
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
滝から流れてくる濃い霧のようにひんやりと湿った空気
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
流し場の床に金属に触れたような冷気がたまる
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
冷たい外気が、カンフルを注射したように気分をしゃんとさせる
壷井 栄 / 草の実 (1962年) amazon
何もかもが寒さのために身動きできず、風さえも空で凍りついてしまうような一日
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
廂(ひさし)の床板へ映るつやつやした外光が、そのまま凍りつくかと思えるほど寒ざむしく見える
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
大地がこわばって、骨まで干上がる寒さ
カレル チャペック / 園芸家12カ月 amazon
剃刀の刃に似た肌寒さが背筋を伝わる
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
身が危険にさらされているような寒さ
古井 由吉 / 栖 amazon
寒気が星を磨き出すように冴える
川端 康成 / 雪国 amazon
寒気が目に見えぬ無数の針を、体じゅうところかわまず、一時に突き立てる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
団地の棟々が氷柱(つらら)のように見える夜
干刈 あがた / ウホッホ探険隊 amazon
寒さが地に凝りついたように離れない
長塚 節 / 土 amazon
空気が静まり、寒さの目が詰まってくる
黒井 千次 / 群棲 amazon
風は吹かないし時間が止まってしまいそうな暑さ
綿矢 りさ / You can keep it.「インストール (河出文庫)」に収録 amazon
冷蔵庫を開いたような涼気
大岡 昇平 / 逆杉 amazon
熱気が驟雨のしぶきのように歩いてゆく腰のまわりにもうもうと立ちこめる
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
子供の爪の先きが人の肉体をこそこそと掻きおろしてくるようなきつい温かさを含んだ日光
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
日光が妙に肌膚(はだ)へ揉み込むように暖かでかつ暑かった。
長塚 節 / 土 amazon
蝋細工のようなもので、暑さに対してはからきし意気地がない
安部 公房 / 他人の顔 amazon
水の中で金魚が凍るように、彼ら(マストのペンキ塗り)は、宙天の空気の中で凍りそうであった。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
海の底の孤独な丸石のように堅く凍えていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
温室は子宮のように薄暗く温かい。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
赤ぎれとひびと霜焼けが、塵芥と油に固められて、海老の甲羅のようないたましい手を作り上げているのだ。
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
車のボンネットに生卵を落とせば、たちまち卵焼きが出来そうな炎熱の午後である
新井満 / エジプト国際陸上選手権
春とはいえ、寒さはまだ朝の空気の中に、鎌いたちのようなするどさでひそんでいて
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
部屋自体が、それこそうどんの茹(ゆで)釜ではないかと思われるほど暑い地下室の従業員食堂
曽野 綾子 / 遠来の客たち amazon
粥のようにねばねばした暑熱
開高健 / 蒸暑い夜
雪山で遭難した男のようにしんからこごえている。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
小型タクシーの中は蒸し風呂の暑さだ。
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
夜だというのに地の底からむしたてられるような暑さである。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
あたりは霧かかかったようにつめたく
松谷 みよ子 / 夜「松谷みよ子の本 (第4巻) 童話・詩」に収録 amazon
鼻のもげるような吹曝(ふきさら)しの寒い田圃(たんぼ)道
徳田 秋声 / 新世帯 amazon
毛穴の一つ一つが、暑さにうだった犬のように、だらりと舌を出してあえいでいる。
安部 公房 / 他人の顔 amazon
座敷は雨戸がなく直接冷やされていた体(てい)で、室内は冷蔵庫であった。
瀧井孝作 / 積雪
寒さは地に凝りついたように離れなかった。
長塚 節 / 土 amazon
しまいに魂までが裸にされるような寒さを今は自分のすべての感覚にさえかんじていた。
室生 犀星 / 幼年時代 amazon
寒さという奴は、私にとって、全く牢獄の鉄扉に違いない。
尾崎一雄 / 毛虫について
不自然な姿勢を動かすこともできず、背中は氷の板のように冷たく硬ばっていた。
山本 周五郎 / 青べか物語 amazon
凍寒はナイフのように鋭く痛くわれらの薄着の肌をついた。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
寒さは蝦(えび)のように屈むことをも彼に強いる。
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
ひどく暑い夜だった。半熟卵ができるほどの暑さだ。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
37度だぜ、37度。夏にしても暑すぎる。これじゃオーブンだ。37度っていえば一人でじっとしてるより女の子と抱き合ってた方が涼しいくらいの温度だ。信じられるかい?
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
硬い粉のような冷たい霧
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
その他の風景を表す比喩表現
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