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体臭・体のにおいの比喩を使った文章の一覧(30件)
父の体から、ムジナのような、悪臭がわき上がってくるような気がした
山本有三 / 路傍の石 amazon
薬の匂(におい)の中に、看護婦の顔からは、化粧水の芳香が、蜘蛛の糸のように後を引いて流れた。
葉山嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
課長は胃が悪いのでひどく口が匂う。出入業者に招待された宴会の翌朝など、まるでどぶからあがったばかりのような息をしていることがある。生温かく甘酸っぱい匂いだ。口だけでなく、手や首すじからもその匂いはにじみ出てくるようだ。
開高健 / パニック amazon
ものをいうたびににんにくを焼くような、いやな匂いを吹きかける眼の前の女
井上光晴 / 地の群れ amazon
人間の肺から出たとは思えない、甘い花のような薫りのする息
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
梅の香をぬくもりで溶かしたような白粉の香
泉 鏡花 / 高野聖・眉かくしの霊 amazon
裸の肌が果実のように匂う
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
羊毛のような、かすかな京子の体臭
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集〈第3巻〉母子叙情,過去世,花は勁し,春,鬼子母の愛 (1949年)」に収録 amazon
肌からは素敵な匂いがした。形成の途上にある肉体にしか発することのできない、とくべつな生命の匂いだ。朝露のかかった夏の盛りの花のような匂いだ。小学生のころ、朝早くラジオ体操に行く道すがら、そんな匂いをよく嗅いだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
日なたでむれる藁のような、乾草のような、甘いが鼻へむんとくる匂い
開高 健 / 裸の王様 amazon
ニはスープ系の体臭、飛行機で出される油の浮いたコンソメスープと同じにおいがする。つねにだしが効いている。前世がおでんの具だったのかもしれない。お腹が空いているときにはいいかもしれないけれど、少なくとも抱きしめられたいとは思えない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
周囲には、つむじ風のように、若々しい笑い声と甘い体臭が渦巻いた
福永武彦 / 冥府 amazon
その他の人物を表す比喩表現
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