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イベントの比喩を使った文章の一覧(71件)
ヘブン出版はとんでもない負債を抱えることになり、社員たちは沈没船から逃げるように去っていった
428 ~封鎖された渋谷で~ amazon
小鳥が石つぶての雨のように襲いかかる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
焼夷弾が雨のように火の尾を曳(ひ)いて降りそそぐ
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
艦砲射撃と爆撃で鉄の雨を降らせる
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
車に揺られながら荷物のように帰る
横光 利一 / 春は馬車に乗って amazon
爆撃機が、群がる鴉(からす)のように、執拗な襲いかかりで町を破壊する
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
狐火のような焔が暗い空からチョロチョロ這い降りて来ては、ぱっと地上に燃えつく焼夷弾
山崎 豊子 / 暖簾 amazon
墓が、うずくまった獣のように、黒い地肌だけを見せて、ひっそりと静まりかえる
渡辺 淳一 / 白き旅立ち amazon
潮風にさらされて粉を吹いたように風化した墓石
吉村 昭 / 海の鼠 amazon
戦争というものは、人間の生命をまったくごみのように無視して成立する
福永 武彦 / 草の花 amazon
爆撃機が、群がる鴉のように、執拗な襲いかかりで町を破壊する
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
僕らはうまくやっていた。でも彼女が求めているもの、彼女が頭に描いているもの、と僕の存在の間には決定的な差があった。妻はコミュニケーションの自立性のようなものを求めていた。コミュニケーションが染みひとつない白旗を掲げて人々を輝かしい無血革命へと先導していくようなシーンを。完全性が不完全性を呑み込んで治癒してしまうような状況を。そういうのが彼女にとっての愛だった。僕にとっての愛とは不器用な肉体を与えられた純粋な概念で、それは地下ケーブルやら電線やらをぐしゃぐしゃと通ってやっとの思いでどこかに結びついているものだった。すごく不完全なものだった。ときどき混線もする。番号もわからなくなる。間違い電話がかかってくることもある。@略@僕は彼女に説明した。何度も何度も。
でも彼女はある日出ていった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
色とりどりのネオンがともり始めた街の通りを、黒々としたコートに身を包んだ無表情なサラリーマンたちが暗流を遡る冷やかな鮭の群れのように均一な速度で流れていた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
無数の死を築く墓地の方からは、人間の毛髪の一本一本を根元から吹きほじって行くような冷めたい風が吹いて来た。
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
軽井沢は、冬に用のない土地だがら、シーズンを迎えると、まる一年の休眠からパッと覚めたように活気づくのである。
獅子 文六 / 胡椒息子「胡椒息子 (1953年) (角川文庫〈第668〉)」に収録 amazon
この数日の戦闘に彼らは蠅のように容易に、蠅のようにきりなく殺されていった。
石原 慎太郎 / 行為と死 amazon
一と晩骨のそばで通夜をして、それからすぐ忘れて、さっさと自分の任務にかえってゆくであろう。みんなはつよい。昆虫のような強靭さを持っているように、自分には見える。
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
被爆してから十三年、又々土の上にたたきつけられてしまったような自分
竹西 寛子 / 長城の風 amazon
中年の運転手は、まるで舳先(へさき)に立って不吉な潮目を読む老練な漁師のように、前方に途切れなく並んだ車の列を、ただ口を閉ざして見つめていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
澄んだ夜空を見渡して、誰よりも先に新しい星を見つけるのは胸躍るものだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
前線では激しい銃撃戦が繰り広げられており、腕や脚や目を失った人々が、見捨てられた亡霊のように通りをさすらっていました。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
火葬場に運ばれ、焼かれてしまう。煙となって空に立ち上り、雲に混じる。そして雨となって地表に降り、どこかの草を育てる。何を語ることもない、名もなき草だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
多くの輸送トラックのあいだに、まるで無骨なサイの群れに紛れ込んでしまったしなやかなレイヨウのように、銀色のメルセデス・ベンツ・クーペが一台混じっていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
父親の遺体は、療養所の目立たない一画にある、目立たない小部屋に安置されていた。@略@父親は移動式のベッドの上に仰向けに寝かされ、白い布をかけられていた。窓のない真四角な部屋で、白い壁を天井の蛍光灯がいっそう白く照らしていた。腰までの高さのキャビネットがあり、その上に置かれたガラスの花瓶には、白い菊の花が三本さしてあった。花はおそらくその日の朝に活けられたのだろう。壁には丸形の時計がかかっていた埃をかぶった古い時計だが、指している時刻は正確だった。それは何かを証言する役目を担っているのかも知れない。そのほかには家具もなく装飾もない。たくさんの老いた死者たちが同じようにこの簡素な部屋を通過していったのだろう。無言のままここに入ってきて、無言のままここを出て行く。その部屋には実務的ではあるが、それなりに厳粛な空気が大事な申し送り事項のように漂っていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
あっけないほど簡単だった。省察というほどのものは求められない。自動車の廃車届けを出すのと同じだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
道路の流れはまだ滞っていた。苛立ったのか、前方の車からクラクションが鳴った。遠吠えに反応する犬のように、別の車からもクラクションが発せられる。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
被爆してから十三年、又々土の上にたたきつけられてしまったような自分
竹西 寛子 / 長城の風 amazon
煙脂煙管(やにきせる)の如く、ぎっちり詰まって動けなくなった
里見 トン / 美事な醜聞「初舞台・彼岸花 里見トン作品選 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
選みたい人がないのに、どうしても選め、選まなくては国民の義務を果さない事になると云われるのは、本屋へはいって、買いたいと思う本は一冊もないのに、どうしても何か買って出なくてはならないというのとおなじで、切ないですね。
森田 たま / 菜園随筆 amazon
墓石は黒い坊主頭のように並んでいた。
上林 暁 / 薔薇盗人「昭和文学全集〈14〉」に収録 amazon
花火問屋の火事のような混戦
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
人間が焼鳥と同じようにあっちこっちに死んでいる。
坂口 安吾 / 白痴 amazon
焼夷弾と爆弾では凄みにおいて青大将と蝮(まむし)ぐらいの相違があり
坂口 安吾 / 白痴 amazon
昼とをとりちがえたような浮かれぶり
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
雨のふるよなてっぽう玉のくる中に
島崎 藤村 / 夜明け前 01 第一部上 amazon
棒杭のように押し黙っていた。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
翼全体から銃火を噴いた飛行機が翼で殴りつけるような超低空で過ぎた。
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
戦争中の日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた。
坂口 安吾 / 堕落論 amazon
地球の一部がどかんと凹んだような戦車壕
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
軍人と資本家と政治屋とがはじめたこのばくちのような戦争
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
長生きしたり、家を大きくしたりした人たちの墓は大きく、子供や赤ん坊のときに死んだものの墓は小さく、その不揃いな様子が、不断着をきた人のようで自然な表情が感じられ
安岡 章太郎 / 伯父の墓地「夕陽の河岸 (新潮文庫)」に収録 amazon
戦(いくさ)というものは錦絵のようなものと存じておりましたのに、このありさまでは、地獄絵を地でゆくようなもの
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
緇い俎板(まないた)のような簡単な手術台
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
望楼のようなトーチカ
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
雨で黒く濡れた門柱は荒野に立った2本の墓石のように見える。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
ハイヒールの踵くらいの小さな墓
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
霊園は墓地というよりは、まるで見捨てられた町のように見える。敷地の半分以上は空地だった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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