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印象の比喩を使った文章の一覧(96件)
部屋は死体安置所のように清潔だった
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
悲しみと絶望の嵐が吹き抜けて行った後のように、折れつぶされた花々が無残に散乱する
内館 牧子 / あしたがあるから amazon
山が崩れて海が干上がるくらい可愛い
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
高貴で端正で匂うように美しい
倉橋 由美子 / 倉橋由美子の怪奇掌篇 amazon
美しさに酔わされて身体が浮き出しそう
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
高く低く積まれた木の島の間を泳ぐ
干刈 あがた / しずかにわたすこがねのゆびわ amazon
足の踏み場もないほど床に細々したものが散らばり、食い散らかしたフライドチキンのカスのよう
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
海の底で揺れている一本の海藻みたいに頼りない
宮本 輝 / 夢見通りの人々 amazon
さまざまな出来事の印象を、汚れのない新しい海綿のような感覚で吸いとる
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
脱ぎ捨てた服を、紙くずのように足で皺くちゃに蹴飛ばす
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
真っ黒いどっしりした大きい岩に白菊一輪のような気品
太宰 治 / 津軽 amazon
幕をおろす直前のオペラのように
小林 信彦 / 世界でいちばん熱い島 amazon
沼に消える鬼火のように、いたってはかない存在
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
新月のような浄(きよ)らか
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
店内に漂っている煙の流れと同じくらい薄く、頼りない
宮部 みゆき / とり残されて amazon
所詮恋というのははかないものだ。雪の溶けるように、いずれ溶けてしまう。
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
手のひらに載るほど小さな鳥の鼓動に似て、消え入りそう
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
歌舞伎で見得を切るような得意絶頂のシーン
高橋 三千綱 / 涙 amazon
殺気が爆風のように包む
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
頭にある計画が、蜃気楼か古い版画のように迫力の薄い他愛ないものに見える
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
鉢の中の金魚を見るように涼しげ
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
クロームと白い革で作られた、スカンジナビア・デザインのシンプルな椅子だった。美しく清潔で静かで、温かみを欠いていた。細かい雨の降りしきる白夜のように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
春の庭のように勢いよく咲き誇り、それを過ぎると急速にしぼんでいった
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
どれほど焼いても刈っても根絶することのできないこのガンのようにしぶとい植物
開高健 / パニック amazon
頭に虱が霜の降ったほどにたかっていて
石川 達三 / 蒼氓 amazon
軟体動物みたいにへんに柔軟で仲々へたばらず
北 杜夫 / パンドラの匣「北杜夫全集 第1巻 牧神の午後」に収録 amazon
部屋の中にあるものを片端から叩き壊していった。@略@部屋はしばらく前に新聞の写真で見た、砲撃後のベイルートの市街地の光景に近いものになった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
ガラスを蹴飛ばし、粉砕するのと似た快感を覚えた。「何だ、脆いじゃないか」と呟きそうになる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
田村先生は糸の切れた凧のように頼りなく東京に舞い戻って行ってしまった。
有吉 佐和子 / 紀ノ川 amazon
絵にかいたようにハッキリと
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
雑木の紅葉の沁み入るような美しさ
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
出たての莟(つぼみ)のような清純さ
徳田 秋声 / 縮図 amazon
どこにも暗い陰などのない真昼のようにはっきりした話
森田 たま / あぶら蝋燭「もめん随筆 (中公文庫)」に収録 amazon
砂漠から豆粒を拾い上げるようなたよりない話
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
足もとが寒くなり尻から力が抜けて行くような頼りなさを感じさせられた
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
牛が反芻するように、何度も、舌で(印象を)味わってみた。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
太陽の光りのように明白過ぎる事実
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
実質もなければ、品位もない、まるで救世軍の大鼓のようなものだ。
夏目 漱石 / 三四郎 amazon
ぱあっと反射燈を顔に当てられたように判然(はっき)りする
林 芙美子 / 浮雲 amazon
駱駝に乗って、広い沙漠を行くような、頼りない空虚な思い
林 芙美子 / 松葉牡丹「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
自分が一枚の紙のように頼りなく思われた。
伊藤 整 / 火の鳥 amazon
山全体が夢見るような多彩な美しさでした。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
昼とをとりちがえたような浮かれぶり
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
浪(なみ)が崩(くだ)けた跡のように、紐や小箱が四囲に散らかっている。
林 芙美子 / 林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 amazon
机の上もまるでバッグの中身をぶちまけたかのように小物が散乱していた。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
どうもこの姉妹は、干菓子のように上品振っていて、喰わない。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
誰の記憶にも、カレンダーの数字のように、ハッキリしていた。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
この古い押し花のにおいのするような奥ゆかしい日記
堀 辰雄 / 更級日記「更級日記など」に収録 amazon
道化師のように愛嬌のある医師
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
過去のもやもやしたものが、霧がはれあがったように、一挙に明瞭になります。
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
泡雪のようなたよりないものである
林 芙美子 / 浮雲 amazon
まるでグラスを持つ手までがすきとおってしまいそうなほどの澄んだ冷たい水
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
3フリッパーの「スペースシップ」は列のずっと後方で僕を待っていた。彼女は派手なメーキャップの仲間たちにはさまれて、ひどくもの静かに見えた。森の奥で平たい石に座って僕を待っていたようだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
油が尽きて段々と細くなっていく灯火を見ているような、はかない無力な気持ち
海音寺塩五郎 / 戦雲「武道伝来記」に収録 amazon
その他の感覚を表す比喩表現
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