その他の気分の比喩表現の例文 一覧

重い沈黙が続いた。コタツにあたっていても、背なかはどっぷり水につかっているように冷えびえした。

砂漠に水がしみこむように、全身に潤いが戻っていく

それはちょうど揺れる船から下りて、強固な地表に立った時に感じるのと同じ種類の残存感だった

三半規管がでんぐりがえりそう

鉛か腐った泥を詰めたような状態

雲を踏むような不安な酔い

悪魔に追いかけられているかのように、ものすごい勢いで飛び込んでくる

酔いが醒めて、砂のように味気ない

何がどうなっているのかさっぱりわからなかった。眠っているあいだに頭の中が水びたしになって脳がふやけてしまったような気分だった。

意識がひどく弛緩して、暗黒植物のようにふやけて

緊張してのどがカラカラするような切迫する焦り

目の覚めたような新しい心持ちになる

操り人形のように

悪魔の手に操られたように

マインドコントロールされたみたいに

催眠術にかかったみたいに

胃袋が背中にくっ付くほど腹が減る

胃袋を掴み絞られたような息苦しさ

肺に空気がなくなったみたいに息苦しい

真綿で首を締め付けられるような息苦しさ

肉塊を鼻先で見るように切迫した息苦しさ

深い泥の底にいるように息苦しい

肺が胸壁に張り付いたみたいに息苦しい

喘息の発作のような苦しげな息遣い

心が虚ろになり、一日が一月のように長い

手のつけようのない数学の問題を目の前にして、時計の針を動くのを眺めているような毎日

古井戸をこわごわのぞく格好で、自分の本心をのぞく

最後のチャンスに自分の生命の火を賭ける

天狗になる

馬のようにおとなしく立っている

風にあおられて外套の裏がひるがえったように、秘密にしていた心を見る

のどのあたりが泣くような空腹感に押しつぶされる

それまでの自信が音を立てて崩れていく

馬のようにおとなしく立っている

借りてきた猫のようにおとなしい

去勢された猫のように大人しく、気だるそうにテレビを観る

日向ぼっこの猫のように大人しい

羊の群れように穏やかな人たち

虫のように大人しい

眠るように大人しくなる

社会のしがらみに巻き込まれた後みたいに大人しい少年

思いが水のように胸に拡がる

感慨無量なものが水のように胸を浸してくる

堰を切ったように心の澱を吐き出す

外に出て長時間走ることは、小説を書くことで絡み付いてくる闇の気配のようなものを払い落とす悪魔払いのようなもの

七面鳥のようにすぐに顔色を変える

餓鬼のような空腹に苦しめられる

餓鬼のように食うことばかり考える

最後のチャンスに自分の生命の火を賭ける

石にかじりついてでもやり遂げる

声低く濃霧のかなたでせせら笑われているように朦朧とする

風が吹き抜けるような空腹を覚える

適度に疲れた身体に酔いがまわってきてゆき、紙に水がしみてゆくように堅いところをうるおす

情緒が空の雲のように、カメレオンの顔のように、姿を変え色を変える

天の青、海の青のなかを、かもめのようにゆらゆらしているようなおぼつかなさ

痒いところへ手が届くように気を使う

空っぽの財布のような薄い腹

猫の皮をかぶる

胃の中の蛙が大海を知らないみたいな小さな高慢

本心が、藻の影の金魚のように見え透いている

鳩尾（みぞおち）のあたりがキリキリと痛くなるような空腹

釘付けにされたみたいにぼんやりする

サハラ砂漠のように口の中がカラカラ

夢のようにおぼつかない

傷ついた小さな獣が命がけで反撃しているかのような姿

思いが木枯らしのように寒々と吹きすぎる

体の中から泡のように湧き上がってくる思い

主義主張がコブのように自分の気ままな行動をしばりつけているような窮屈さ

出世欲の化身のような人

カバが近づいても気がつかないほど頭がぼんやりしている

心に蓋をして言葉にしなかった無数の想い

心の支えがガタンと取り去られたように、気力がもうない

世界が自分を中心に廻っているような錯覚の中に住む

潮のように胸に湧きあふれる思い

短距離しか走ったことのない素人が、いきなりマラソンで全力をつくして完走するように必死になる

自信が憑き物でも落ちたようになくなる

呼吸をしているとは信じられないほど静かにしている

手の届かない高貴な宝石のように気位が高く近寄りがたい人

自尊心が火のようにのぼせ上がる

自尊心を下ろし金にかけるようなことをする

死体のように静か

川底に知らぬ間に砂が厚く積もっているように、（男への）感情が層を深く支度される

針で風船を突いたように、気持ちが小さく現実へと萎む

熱いシャワーを浴びたように気分が改まる

スイッチを入れられたかのように、おかしなほどきれいに眠気が飛ぶ

気持ちは既に海の向こうに渡っている

欲望と屈辱とに我が身がずぶ濡れになる

堰を切ったように心の澱を吐き出す

すっと背丈が伸びたような誇りを感じる

プールの水底で聞いている声のように、意味をなさない遠いこだまでしかなかった

去勢された犬が過去の記憶に従って雌犬の尻の匂いを嗅ぐみたいに、

窓を開けて新鮮な空気を入れるみたいにリフレッシュする

それ（定吉の腹の音）はすぐに、ほとんど電流のように河野の腹に伝わって行って、そこでもまたきゅっと鳴った。

その眼はある一点を凝視めていて、すぐ前の道を通るわたしを空気のように無視していました。

阿弥陀如来のようにボーッとしていた

こめかみが鈍く痙き、意識にうっすらと霞がかかっている。頭のまわりに、鉄の輪でじわじわと締めつけられるような感覚があった。

轟音に聞こえた。トンネルを抜けていく特急列車に乗っているみたいだ。

滝の直前まで来たら、小松はひとりで手近にある岩場にすっと飛び移ってしまうのではないだろうか。

そこにある言葉の響きは彼女の神経を慰撫し、恐怖を戸口で押しとどめ、呼吸を落ち着かせてくれた。

自分が新しい人間になっていることに天吾は気づいた。目覚めは心地よく、腕や脚の筋肉はしなやかで、健全な刺激を待ち受けていた。肉体の疲れは残っていない。子供の頃、学期の始めに新しい教科書を開いたときのような、そんな気分だった。

まるで体中の部品を交換されたような気がする

「君は怯えている。かつてヴァチカンの人々が地動説を受け入れることを怯えたのと同じように。@略@地動説を受け入れることによってもたらされるであろう新しい状況に怯えただけだ。それにあわせて自らの意識を再編成しなくてはならないことに怯えただけだ。@略@今まで長いあいだ身にまとってきた、固い防御の鎧を脱ぎ捨てなくてはならないことを怯えている」

喉は長い距離を走った後のようにカラカラに渇いている。

頭が痛むわけでもないし、身体がだるいわけでもない。意識はクリアだ。ただ何か風通しがよすぎるような感覚が体の中にあった。専門家の手で手際よく清掃された配管装置になったみたいだ。

辛いものをたくさん食べたあとのように喉がひどく渇く。

それはすぐそこにありながら、何キロも遠くに見える光景のように感じられた。

頭の中で脳が風船のように膨張し、そのままはちきれそうになる。

アルコールを内燃機関にしてモクモク煙を吐く人間ディーゼル車といったところだ。

おれは、頭の中いっぱいに石綿がびっしり詰まったような感じだ。考えることもできないし、状況把握もできない。　子供の頃、よく体を独楽のように回して、終わった後のふらふらの状態を面白がった。ラリるというのは、あの酩酊がずっと持続しているようなものだ。シンナーの酔いも、それによく似ている。アルコールでは、後におれはぶっ倒れて天井がくるくるまわっているのを何度も見たことがある。

頭の中にワラが詰まっているようだ。

三杯目を干した頃に、胃の底の方に、ぽっとバラ色の火がともったような感じがあった。@略@胃の中の小さな火が、野火のようにだんだんと燃え広がり、胃全体があたたかくなった。胃はおれの体の中で、猫のように気持ちよさそうなまどろみを始めた。酔うというのは、体が夢を見ることだ。

水族館の水槽の中をグルグル泳ぐマグロのようにボーっとしている。

ガス欠

見えない鎖に縛られすぎ

ほの暗い灯りとやわらかい音楽が徹夜つづきの連日のおびただしい疲労を溶かしてくれるようだった

春霞のようなあいまいな考え

夢のように漠然

雲をつかむようにはっきりしない

肺が背骨に張り付いたようになり咳き込むことさえできない

運転手の世界は暖かい桃色で、客の世界は冷たい水色

栄光の階段を昇っているような、ふわふわと身体が浮く感覚

心に咲かせたネガティブな花

パンチを放つたび、体で起こした電力が次々、消費されていく。エネルギーはもはや出ていく一方だが、出し切るしかない。

川が揺れている、とはじめは思った。迂曲している川が横にゆがみ、今にも氾濫を起こしそうに見える。足元がふやけたかのように、風景が震え、そしてそれが、いつもの眩暈であることに気づく。

砂漠のどこかにある井戸

いい風に吹かれたみたいに、さわやかな気分になる

思考の滑車がぐるぐる回り、次から次へとさまざまな考えが現れる。現れては、消える。どうする、どうする、と自分の内なる誰かが囁いてくる。

人質に取られた人形のようにおとなしくしている

何ともいえない快感が生じる。酔の快感とは別種のリズムのようなものだ。二合で一日、四合で二日、六合で三日、八合で四日、一升で五日。つまり、酒時計のようなものだ。

やさしく撫でるように慰めてくれる

泥のように酔ってきた。

酒が十分まわって来たので@略@吉口弥の坐っているのがふらふら動くように見えるので、あたかも遠いところの雲の上に、普賢菩薩（ふげんぼさつ）が住しているようで

人々は家畜のようにおとなしく

あれからビールをひっきりなしに飲んでいるのに頭はクリアになっている。クリアといっても彼方に雪山の見える高原にいる感じではなく、酔ったまま浅瀬に身を横たえた程度なのだが。

手術台の上で俎（まないた）へ乗せられた魚のように、おとなしく我慢している

深海のたった一匹の魚をつろうとしているほどあいまいなもの

返答は、あやふやで朧月夜のようにぼやけている。

髭を抜かれた猫のように、ちんまりと大人しくなった

一日中一滴の水も飲まずラクダのように行軍する

彫刻の如く静か

洪水の中に浮んで遠く流されてゆく死骸のように酔っている。

去勢されたひとのように静か

庭の花々を眺めながら日暮れて淋しがる子供のように呆（ぼ）んやりしていた。

崖から突き落された怪我人のように、彼女はまだ視覚が定まらないで眩暈（めまい）を感じていた。

乾いた咽喉に貼りついた声を引き剥がすように呟く。

くるたんびに、猫の目みたよに機嫌がかわる

ぽっと点燈したばかりの濃い桃色の酔いが不安を忘れさせてくれる。

意識が朦朧としてきて、抛（ほう）り出された手鞴（ふいご）のようにしぼんで行こうとした。

息ぐるしい。まるで生きながら、棺桶の蓋をされ、墓穴に吊り降されたようだ。

酒を飲んでいる成人なんて皆な馬鹿なんだ。@略@まるで化け猫か狸のようじゃないか

借り猫のようなおとなしさ

私の血脈だけが、キコンカコン歌時計のように活発に動いていたわ

数えれば切りのない多くの負け目が、皮膚のようにへばりついていた

心のひけ目が、水のように胸を冷して

酒に弱いので顔をバクハツするみたいに真赤にして喋っていました。

この掌に応える、時計の針に似た響きは、自分を死に誘う警鐘のようなものであると考えた。

登は喘（あえ）いで、口の中が枯草をいっぱい押し込まれたように乾ききって、答えることができなかった。

春の夜の朦朧たる月影を見るように、そこはかとなき終りを告げた

娘どもは人間の足音を聞いた鼠のように、すばやく、そらぞらしくしんと静まりかえって

本心は藻の蔭の金魚のように、見え透いてる

酔っているあいだの昂奮と誇張が不自然で大きいだけに酔いざめの味気なさは湿った砂を噛みしめるような気もちなのである。

霧でも捉むような、誰の所為（せい）とも判明しない悪戯

目的もなにもない酔いと云うものは気安くて、多数の友人にとりかこまれたような賑やかなものを身につけてしまう。

急に身が落ち込んで行くような眩暈（めまい）

風の中の羽のようにいつも変わる女心

遠い大陸を見つめる犬のような顔をしながら

よほど酔っ払ったのか、負ぶわれたほうは壊れた操り人形のようにフラフラとしていた。

手が震える。必死にイアフォンのコードを引っ張り耳に突っ込む。麻薬中毒がドラッグを求める姿と似ていた。不安感が自分を押し潰す前に、クスリを投与しなくてはいけない。クスリは耳から注入する。ウォークマンの再生ボタンを押した。 　病院の名は、「ビートルズ」だ。この場合の薬剤師はきっと、「ジョージ・ハリスン」で、薬の名前は、「HERE COMES THE SUN」だった。 　ボリュームを上げ目を閉じ、じっと聴く。「It's All Right」と繰り返される。豊田はそれを自分の中で何度も繰り返した。「大丈夫だ。大丈夫だ。It's All Right」と繰り返し、不安感を取り除いていく。二回同じ曲を聴く。

自分にだけ迎えの船が来なかったような、見捨てられた気持ちになった

天井を見つめていた。　煙草の脂で黄ばんでいる。いや、視界そのものが黄色味掛かっているのかもしれない。@略@黄色いレンズを透かして物を見ているような感覚はまだ続いていたし

頑張りすぎてブレーカーが落ちる

今や微動だにしなくなったブヨ（人名）は交尾を前にして冬眠に入った動物のようであり、爆ぜる前の静かな活火山のようでもあった。

一日中食べることばかり考えてる。戦争中の子供みたいに

つわりはずぶ濡れのブラウスのように、じっとり彼女に貼りついている。@略@彼女は今、神経もホルモンも感情もバラバラになっているのだ。

堅い殻を取り去ったサナギのような寒さを肌に感じる

彼女が私の胸板に手を乗せたとき、胸が氷の如く冷えるのを感じた

彼のだじゃれで部屋の温度は一変し、空気がピシッと鳴るのが聞こえる気がした

光線の当て方によって次々に色彩を変えていく多面体の鉱石のように、つかみどころがない

心が洗われるよう

酒の匂いまで伝わってくるような赤い声

焼酎くさい声

すりガラスの向こうを見るように、もうひとつハッキリしない

立ち上がった瞬間、高いところから底までずーんといっぺんに落ちた感じで目の前がくらくらした。

食べることを忘れていたように胃の辺りが冷たく空虚だった

冷たい感覚が背筋の真ん中を閃くが如く直下する

何もかもがすきとおってしまいそうなほどの十一月の静かな日曜日

厄落としでもしたような気持ち