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体つき・体型・体全体の様子の比喩を使った文章の一覧(237件)
肋骨が一つ一つハッキリ段々になっている、腰の骨が飛とびだし、お尻の肉が握り拳ぐらいに小さく、膝の骨だけとびだして股の肉がそがれたように細くすぼまり脛(すね)は全く膨らみというものを失われてガサガサした棒になっている。
坂口安吾 / 青鬼の褌を洗う女 amazon
死んだ兎を抱いて行くような感じがした
志賀 直哉 / 和解 amazon
彼女の美しさは成熟した女性のそれへと変化していた。以前の彼女の美しさのかげに見えかくれしていたある種の鋭さ――人をふとひやりとさせるあの薄い刃物のような鋭さ――はずっとうしろの方に退き、そのかわりに優しく慰撫するような独特の静けさがまわりに漂っていた。そんな美しさは僕の心を打った。@略@それでも彼女が失ってしまったもののことを考えると残念だという気がしないでもなかった。あの思春期の少女独特の、それ自体がどんどん一人歩きしてしまうような身勝手な美しさとでも言うべきものはもう二度と戻ってはこないのだ。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
やわらかな月の光に照らされた直子の体はまだ生まれおちて間のない新しい肉体のようにつややかで痛々しかった。彼女が少し体を動かすと――それはほんの僅かな動きなのに――月の光のあたる部分が微妙に移動し、体を染める影のかたちが変わった。丸く盛りあがった乳房や、小さな乳首や、へそのくぼみや、腰骨や陰毛のつくりだす粒子の粗い陰はまるで静かな湖面をうつろう水紋のようにそのかたちを変えていった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
頑健岩のごとき恰幅(かっぷく)
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
盛り上がる筋肉が岩のように固く張る
奥泉 光 / 石の来歴 amazon
弾力のある鋼鉄によく鞣(なめ)した革を張ったように滑らかで美しい筋骨
柴田 錬三郎 / 南国群狼伝 amazon
長身でその上がっしりと肉のついた、殺しても死なないような男
田辺 聖子 / 返事はあした amazon
痩せ細って毛並みの悪くなった野良猫のような男
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
練馬大根のように健康で太々とした女性
獅子 文六 / てんやわんや amazon
上体が藻のようにゆらりゆらりと緩慢に動く
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
ずんぐりむっくりした体の上に、アンパンみたいな顔が載っている
宮本 輝 / 星々の悲しみ amazon
太っているくせに軽くはずむ鞠のような身体
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
柔らかな草の茎のような体が、その上に支えた美しい顔を一層花のように感じさせる
川端 康成 / 掌の小説 amazon
肩から肘にかけて、気味のわるい大小様々な力瘤が隆起する
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
でっぷりと肥って、縦より横の方が広く見えそうな軀(からだ)
安岡 章太郎 / 青葉しげれる amazon
ずんぐりむっくりした体の上に、アンパンみたいな顔が載っている
宮本 輝 / 星々の悲しみ amazon
細身ではあるが、ダンサーだけに、バネのありそうな体つき
西村 京太郎 / 十津川警部の困惑(死を呼ぶ身延線) amazon
細身だが鉄線を何条もより合わせたような体
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
陰気な狐を思い出させる痩身
藤本 義一 / やさぐれ刑事 amazon
月光のように透明で、薄(すすき)の穂のようになよやかな姿
白洲 正子 / 能の物語 amazon
からだが狡猾な猫のように妖しい媚態で動き出す
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
猿のような痩せ方をしている老人
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
裸になると肋骨が浮かび上がり、安物の鳥かごのように見えた
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
昔と印象はほとんど変わりない。身体がひとまわり大きくなっただけだ。家族が増えて家屋が増築されるみたいに。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
軍馬のように巌丈だった私
立野 信之 / 軍隊病―兵士と農民に関する短篇集 (昭和4年) amazon
血管の浮くような細い腕や足はすらりと長く、全身がきゅっと小さく、彼女はまるで神様が美しくこしらえた人形のような端整な外見をしていた。
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
ちょうどよく熟れた梨瓜かなどのように歯ごたえのある柔らかさ、ぽっとりと好もしく見えた
森田 たま / もめん随筆 amazon
彼女は病気になった雌猫のように、げっそりしていた
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
浴衣を着て両国界隈を歩けば、かなり上位の関取に間違われるはずだ。
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
彼が立ち上がると、まるでそこに石壁が生じたみたいに見える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
肉体こそが青豆(人名)にとっての聖なる神殿だったし、常にきれいに保っておかなくてはならない
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
短身でずんぐりとして、後ろから見ると甲殻類(カニ)のような不思議な歩き方をした。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
ウエストから腹にかけて、ルノワールの裸体画と見まがうばかりの豊満な脂肪
中村 うさぎ / ショッピングの女王 amazon
小柄ではあるが、小さな鉱石が硬いのと同じように、頑丈な身体つき
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
大男が言った。穏やかな物言いだったが、奇妙な威圧感が空気を震わせた。周囲に立ち並ぶ杉の木から、声が発せられたのかと思うほどだ。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
顔の輪郭は丸々とし、腹のあたりに少し贅肉をたたえている。黒い眼鏡をかけ、髪は短い。眉は力強いものの、たとえば漫画に出てくる熊であるとか豚であるとか、そういう趣がある。漫画に出てくる動物と違う点と言えば、彼が人間であるとかそういう細かい差異ではなくて、実に簡単で大きな点だ。彼は、可愛らしくない。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
硬い鉱石さながらの重々しさと鋭さが漲っている。ぎっしりと中身の詰まった肉体だ。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
鶴のように痩せ細った長身
田宮 虎彦 / 足摺岬 amazon
髪を振り乱した、頬骨の出ている女の顔は、遠い街燈の光を斜めに受けて、妖怪じみて見える。
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
小さいからだをツブテのように走らせながら
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
つきたての餅のような、ぽっちゃりした女
林 芙美子 / めかくし鳳凰「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
新しいゴム膜のような自分の筋肉
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
虚弱児の兄は、卵のようなこわれものとして父母に扱われた。
平林 たい子 / 秘密 amazon
ノッポで、ひょろりと長い体に、丸い童顔が乗っかっている。長い足を持て余すような歩き方をするのが、何となくキリンを連想させてユーモラスである。
赤川 次郎 / 三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 amazon
身長(せい)だけは伸び伸びと、筍のように伸びて行った。
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
丈が低く、横にでぶでぶ太って、豚の体に人の首がついているようだ。
岩野 泡鳴 / 耽溺 amazon
ふとりすぎて、フトンのように寝ている小母さん。
サトウ ハチロー / 夢多き街「夢多き街―抒情詩と随筆 (1947年) (詩と随筆叢書〈第6冊〉)」に収録 amazon
猿のような痩せかたをしている老人
林 芙美子 / 松葉牡丹「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
筋肉の層でつみあがった彼の五体は藤蔓のようにしまっていて
中山 義秀 / 碑「厚物咲・碑―他六篇 (1956年) (角川文庫)」に収録 amazon
まるで結核患者みたいに痩せていた
大庭 みな子 / 啼く鳥の amazon
由美江は芋のように肥り
上林 暁 / 薔薇盗人「昭和文学全集〈14〉」に収録 amazon
鞭のように細い体を屈めた
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
布袋(ほてい)のような、あんな肥満(ふとっちょ)のお婆さん
小杉 天外 / 初すがた amazon
顔をあげて微笑む。ほほが夕陽に輝き、それは、まるで一刻ずつ姿を変えてゆくまぶしい夕空のようにはかない笑顔だった。
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
清彦は変っていた。じわじわと、岩が風化するようにもろく変っていた。
曽野 綾子 / たまゆら amazon
明け放った硝子戸の光線で、細君の顔が陶器の肌のように光っていた。
林 芙美子 / 夜猿「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
飛行船のように太りはじめた
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
骨ばった背中は見知らぬ置物のような感触を彼の手に返した。
黒井千次 / 群棲 amazon
力仕事が多いのでその腕や足の筋肉は雄牛のように頑丈に張りつめていました。
椎名 誠 / 犬の系譜 amazon
干魚の如く痩せた女性
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
電燈の光では、二人の顔は皿のように不自然に白かった。
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
いたるところにサイザル・ロープの固い撚(よ)りのような筋肉の縄目があらわれて
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
雛鶴(ひなづる)のように白く細い悦子
円地 文子 / 女坂 amazon
躯は、パンのように柔かくて、皮膚が明るく艶々していた。
林 芙美子 / 女性神髄「林芙美子全集〈第6巻〉女性神髄・女の日記 (1952年)」に収録 amazon
広い額は、昼の光の反映が波の退(ひ)いた砂浜のように淋しく角度をつけている。
岡本 かの子 / 春「岡本かの子全集 (第2巻)」に収録 amazon
端正な顔が星明りのなかでデスマスクのように寂然と見える。
岡本 かの子 / 鶴は病みき amazon
ビール看板のように太りこけた図体(ずうたい)
葛西 善蔵 / 悪魔「葛西善蔵全集〈第1巻〉 (1974年)」に収録 amazon
老人たちは、亡霊のように痩せ衰えていた。
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
六尺に近い巨漢が毛皮の山のように立ち
阿部 知二 / 冬の宿 (1948年) amazon
不動明王のような真ッ赫な裸身の男たち
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
相撲取りのように肥えた身体
広津和郎 / 神経病時代 amazon
このへんな、ぬうとした煙突に似た男
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
身体を締めつけていた箍(たが)を外した途端にぷうと膨れたといったようなその奇妙な肥り方
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
青白く水ぶくれのように肥った母親の体
安岡 章太郎 / 青葉しげれる amazon
すらりとして流麗な身体の曲線は十六歳の少女の、水禽のように冷たい優美さを示し
山田克郎 / 壮士行
二十歳(はたち)恰好の無智な若者の、獅子の仔のようなしなやかな胴
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
痩せ犬のように骨ばった守の肉体
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
幽鬼のように痩せ細った中井
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
相撲取りのように腹のつき出た婆ァや
岩野 泡鳴 / 耽溺 amazon
ブロンズのように美事な姿態
檀一雄 / 花筐「花筐・光る道 他四編」に収録 amazon
肺結核が急に重って、水がひくように痩せ細った。
川端 康成 / 二十歳 (1948年) amazon
彼女は、駅の灯に顔を横から照らされて彫像のように見える。
椎名 麟三 / 永遠なる序章 amazon
彼女は熱い鉄板の上に転がった蝋燭のように痩せていた。
葉山 嘉樹 / 淫売婦 amazon
胴と足の寸法の合わないだるま女
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
白熱瓦斯の下に、真白に塗り立てた娘が、石膏の化物のように坐っていた
夏目 漱石 / 三四郎 amazon
胸の上に組み合わされた両手はほとんど肉が落ちて、筋だけが針金のように浮き上つている。
梅崎 春生 / 桜島 amazon
痩せたヒョロヒョロの、南瓜(かぼちゃ)の萎(しな)びた花のような、女郎上りのおばさん
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
ほっそりとしたからだつきにみえた。そのときの印象は、植物的だった。
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
六尺に近い大兵が岩のごとき筋骨によろわれていて
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
午後の光が、そのたらいの水に反射して、彼女の小さくしまった蒼白い顔は、きらきら波のように揺れていた。
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
整い過ぎて、標本を身につけてるようだ。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
徳子は小柄で、多少骨張った感じもないではないが、その代りに肉のむちむち詰ったような新鮮な蟹を連想させた。
井上 友一郎 / ハイネの月「日本の文学 64 井上友一郎」に収録 amazon
割られた果実のように新鮮に感じられた。
横光 利一 / ナポレオンと田虫 amazon
彼の腹は巨万の富と一世の自信とを抱蔵しているかの如く素晴らしく大きく前に突き出ていて
横光 利一 / 頭ならびに腹 amazon
糸杉の樹が生えたように、スックと立った長身の体
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
脹れあがっだ筋肉がわたしの身体を何倍にも膨張させて、限りなく月のように、まん丸くなってゆく。
椎名 桜子 / おいしい水 amazon
腹のまわりにはまるで土星の輪のように脂肪が付着し
村上 春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート amazon
「太っている」の定義を越えるような、巨体だった。全体が特大のマシュマロのように、まるで地面に盛られた泥山のような身体をしている。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
あれほど太っている人を、僕は今まで見たことがなかった。まるで地面が盛り上がって、彼女という人間を構成しているかのようだ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
サニーレタスとかやわらかい仔牛肉とか星のかけらしか食べてこなかったみたいな、色白で細くしなやかな身体つき
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
昼食を食べると、蛙が獲物を丸のみしたみたいに腹がふくれて、ボーダーのカットソーのお腹のとこの横線の形が変わり、ゆるい曲線を描いている。
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
首筋がきれいだ。余分な脂肪がついていない。如月もそうだった。あたしたちと違って、男の子は筋肉だけでできているように思える。脂肪分ゼロ、カロリーゼロのダイエット飲料みたいだ。柔らかさも豊かさも感じさせず、ただ堅く引き締まっている。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
彼は頭を深く垂れ、首と肩の間に竹ぼうきをはさむので、掃除している時は大事な何かを思い悩んでいるように見える。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
全体が細く、ふくらはぎなどには肉らしい肉もなく丸みというものが見当たらず、実際に見たことないけれどもその直線はフラミンゴを想起させる
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
ふくらはぎはまっすぐでたゆむ肉もなく、乾いた魚の腹のようであった。
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
ひょろひょろの青虫みたいな男の子
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
豆タンクみたいにぷっくりした健康的な若い娘
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
格闘技選手のように立派な体格
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
大きな腹を抱えて起き上がれない体が、河から引き摺り上げた重い一本の丸太のよう
平林たい子 / 施療室にて amazon
小男ながら鉄鎚(かなづち)でうちかためた様な骨柄
徳冨蘆花 / 思出の記 amazon
血を吸った蚊のような大きな腹
平林 たい子 / こういう女・施療室にて amazon
長い病いを胸に持ちつづけている人間の、いつも毀(こわ)れたものを抱いたような身体つき
佐多稲子 / 灰色の午後 amazon
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