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暮らし・生活の比喩を使った文章の一覧(89件)
蜜のように甘い夫婦仲に不安な影がさす
戸板 康二 / 家元の女弟子 amazon
これがお前の生きている現実なのだと言い立てるような勢いで、いろいろな用件が取り囲む
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
家畜のようにおとなしい単純な生き方
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
部屋の隅に立てられた電球を持たないフロアスタンドのように生きる
高橋 三千綱 / 涙 amazon
何の展望もなくじりじりと枯れていくように日々が過ぎてゆく
よしもと ばなな / ムーンライト・シャドウ amazon
この世は電光石火のように、はかなく消えるかりそめの世界
白洲 正子 / 能の物語 amazon
浮き草のように流れ漂うような暮らしぶり
半村 良 / 雨やどり amazon
世間があまりに浮き浮きして、毎日がお祭りをしているよう
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
なにもないおだやかな、黙々と草を食むような毎日の暮らし
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
平穏がぬるま湯のようにぴったりと家そのものを包みこむ
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
風に吹き寄せられた落ち葉のような共同生活
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
浅ましい鬼のような人間の多い世の中
子母沢 寛 / 愛猿記 amazon
ひっそりとした貝のような生活
三田 誠広 / 僕って何 amazon
疲れて帰ってきたとき安らげる母港のような存在
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
同期の女の子たちは皆、家庭という殻に収まったヤドカリになっている
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
家庭の危機というものは、台所の天窓にへばりついている守宮(やもり)のようなもの
庄野 潤三 / プールサイド小景・静物 amazon
たぎる欲望を水で薄めた、欲のぬるま湯が家庭なのかもしれない
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
生活が、ボール紙細工の家のように崩れる
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
カメレオンのように日常生活の表面の色を変える
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
あらゆる家庭というものは、中身が缶詰の内容のように画一的
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
現実という奴は、前へ進んでいるかいないか分からないような長蛇の行列
斎藤 栄 / Nの悲劇 amazon
生活が温室じみた幸福に暖められる
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
朝夕を心にかかる雲もなくすがすがしく送る
幸田 露伴 / 蘆声 amazon
口を閉じ、魚のように暮らす
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
生活が細い強靭な根をのばす
柴田 翔 / 燕のいる風景 amazon
飼い猫のようにだらりとした生活
阿佐田 哲也 / 麻雀放浪記〈1〉青春篇 amazon
流れのままに身をまかせた漂流物のように暮らす
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
一枚の布を織り上げるようにしてきた二人の生活
鷺沢 萠 / 大統領のクリスマス・ツリー amazon
薄い幕を隔てて触れ合うような、率直さを欠いた生活
落合 恵子 / センチメンタル・シティ amazon
同じ部屋で芋を洗うように生活する
石川 達三 / 花のない季節 amazon
薄氷を踏むような生活
檀 一雄 / リツ子・その愛 amazon
カフカの小説を香港で映画化したような現実
小林 信彦 / 世界でいちばん熱い島 amazon
闇の洞窟でコウモリのような暮らし方をする
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
町のゴキブリみたいに町の底を匍(は)いまわって暮らす
田辺 聖子 / 休暇は終った amazon
家族と過ごす毎日は、穏やかな日溜まりに居座ったような時間
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
外を吹き荒れる突風に首を縮こめ、決して巣から顔を出さない穴熊みたいに、注意深く日常をやりすごす
鷺沢 萠 / 大統領のクリスマス・ツリー amazon
デパートの家具売り場のように新婚の調度で賑わう新婚生活
阿刀田 高 / ナポレオン狂 amazon
砂のように静かに流れていく毎日
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
死にかけた猫みたく、静かな暗いところに潜り込んで、その時(死)が来るのを黙々と待っている。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
東京で規則正しく、もの静かに生活を送った。国を追われた亡命者が異郷で、周囲に波風を立てないように、面倒を起こさないように、滞在許可証を取り上げられないように、注意深く暮らすみたいに。彼はいわば自らの人生からの亡命者としてそこに生きていた。そして東京という大都市は、そのように匿名的に生きたいと望む人々にとっては理想的な居場所だった。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
僕の人生なんて樫の木のてっぺんのほらで胡桃を枕にうとうとと春をまっているリスみたいに平穏そのもの
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
長く引き延ばされた夕暮れのような一日だった。めりはりというものがない。窓の外の灰色に少しずつ黒が混じっていって、やがて夜になった。陰鬱さの質が少し変わっただけだった。世界には二色しか色が存在しなかった。灰色と黒。それが一定時間をおいて行ったり来たりしているだけなのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
一人になると、僕の回りの光の色や風の匂いまでが僅かに--しかし確実に--変化したように感じられた。@略@僕は急に何も考えられなくなってしまった。頭の中で急速に重力が変化してしまったような感じがした。僕の思考はその重力の変化に上手くついていくことができなかった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
彼は都会の土では萎れ、郷土でやっと息を吹き返す、かの植物にも似た自分の宿命を観念した
中山 義秀 / 厚物咲 (1955年) amazon
このしみひとつない真新しい部屋にいると、自分が記憶と個性を剥奪された匿名の人間になったような気がした。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
朝に散歩をし、小説を書き、療養所に行って昏睡した父親のために適当な本を朗読する、そして宿に帰って眠る。そういう日々が単調な田植えの囃子歌のように繰り返された。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
同じ人間が二本の映画でまったく別の人間を演じているのをながめるような違和感。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
外交そのものだぞ。宗教も歴史も違う、別の国だ、女房なんて。それが一つ屋根の下でやっていくんだから、外交の交渉技術が必要なんだよ。一つ、毅然とした態度、二つ、相手の顔を立てつつ、三つ、確約はしない、四つ、国土は守る。そういうものだ。離婚だって、立派な選択だ。ともにやっていくことのできない他国とは、距離を置くほうがお互いの国民のためだからな
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
生木を裂かれるような反感を覚え
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
退屈な、救いのない、枯野のようなあけくれ
久保田 万太郎 / 末枯「末枯/続末枯/露芝 (岩波文庫 緑 65-2)」に収録 amazon
生活の惰性の底に泥のような平和があった。
石川 達三 / 日蔭の村 amazon
生活が、かびのようにつまらなくなった
林 芙美子 / 浮雲 amazon
いつも夕暮れの中にいるようだ、寂寥たる日々
村上 龍 / 恋はいつも未知なもの amazon
誰にも煩わされる事なく、越年する草木のように黙って暮したい。
森田 たま / もめん随筆 amazon
父母の監督によって仕切られた家庭という(鳥)籠
夏目 漱石 / 明暗 amazon
刀のように身が固くしまり、無駄など一切なく、貧しさを貧しさと感じることもない時代があった。
中上 健次 / 鳳仙花 amazon
平凡ではあるがウッカリはしていられない――ちょうど田や畑の作物をつくるようなものだと思うのです。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
今の自分の生活は、島流しと実は大差ないのではないか。こんな継ぎ目のないような生活をしていると、時間だけはたっぷりあるので、ついそんなしょうもないことを考えてしまう。果実のなる木があり、動物たちと好きなだけたわむれる時間があり、島は島でも楽園や極楽の類には違いないが、それでもたまに、無性に自分が元いたところが恋しくなってしまうのである。結婚したばかりの頃は、このままでは自分が駄目になると、島からの脱出をしばしば本気で考えもした。が、すぐに果実の奪い合いや、他人とのいざこざを思い出し、結局はこの極楽を捨てるほどの理由も見つからず、自分がどこか切り離された人間であるかのように感じながら、こうして今もふわふわ極楽の住人をしてしまっている。
本谷 有希子 / 異類婚姻譚 amazon
人は、川の流れる速度で生きるのがもっとも正しい。そう言ったのは妻だ。川の優雅な流れを見つめていると、それこそが、正しい意見に感じられる。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
人生は道じゃない@略@ルートも標識もない、茫洋たる大海原だ。俺たちはそこで、でかい魚にでもつかまって、大きな流れに身を任せている
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
「宇宙の複雑さに比べれば」とハートフィールドは言っている。「この我々の世界などミミズの脳味噌のようなものだ。」
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
午後の日だまりのように平和な日々
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
穏かな午後の時間を、鼠(人名)は籐椅子の上で送った。ぼんやりと目を閉じると、緩やかな水の流れのように時が彼の体を通り抜けていくのが感じられる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
同じ一日の同じ繰り返しだった。どこかに折り返しでもつけておかなければ間違えてしまいそうなほどの一日だ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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