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外の設備・工作物の比喩を使った文章の一覧(169件)
橋のどこかが軋んでいるのが、なにか小鳥の鳴き声のようにきこえていた
三浦哲郎 / 愛しい女 amazon
上の方には光の円がまるで冬の月みたいに小さい小さく浮かんでいる
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
ほんの少しだけ欠けた白い月が目の前に浮かんでいた。右手には新宿の街の光が、左手には池袋の街の光が見えた。車のヘッドライトが鮮やかな川の流れとなって、街から街へと流れていた。様々な音がまじりあったやわらかなうなりが、まるで雲みたいぼおっと街の上に浮かんでいた。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
日の丸の旗は風がなびかないせいで元老院議員のトーガの裾みたいにくしゃっとポールに絡みついたままぴくりとも動かなかった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
石灰石の階段が夜の微光をのこらず集め、巨きな荘厳な瀑布のように白く懸かる
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
街の灯が、赤いインクでもこぼしたように点々とにじんで見える
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
池の水面に装飾電灯(イルミネーション)を夢のように映す
久米 正雄 / 学生時代 amazon
空を遠雷のような唸りを伴った砲声が渡る
大岡 昇平 / 野火 amazon
蒼い夜空にしっかり食い込んだ闇の直線
久米 正雄 / 学生時代 amazon
夜空に怪獣の牙のように、暖炉の煙突が突き立っている
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
墓場のような煙突の林
林 芙美子 / 晩菊・水仙・白鷺 amazon
旗が、激浪に揉まるる浮標(ブイ)のように激しく揺れる
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
眼下に広がる街の夜景を見下ろしていた。街はまるで平板な鋳型に流し込まれたどろどろした光のように見える。あるいは巨大な蛾が金粉を撒きちらした後のようにも見える。
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
階段が大蛇のようにうねる
里見 トン / 極楽とんぼ―他一篇 amazon
二階の階段が高圧線の鉄塔のように高くそびえている
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
灯の消えた街灯の硝子球が、剥きだしの白い果肉のように身をすくめて立つ
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
水銀灯が庭の木立と芝生を青く照らしている。何か深い水底を思わせる色だった。
三浦 綾子 / 続 氷点 amazon
誘蛾灯の青白い光の輪の中に、閉じた木槿(むくげ)白い花が小鳥の寝姿のようにぽっかりと浮いている
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
ネオンが、河にかかった仕掛け花火のように大きく美しく輝く
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
歯の欠けた櫛のように軒並みの電灯が減る
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
叫ぶように中空にあがる姦(かしま)しい鐘の音
大岡 昇平 / 野火 amazon
垣の竹の裏側に、黴みたいな汚れがある
梅本 育子 / 桃色月夜 amazon
赤い壁がぱっと日を受けて燃えているよう
久米 正雄 / 学生時代 amazon
灯の消えた硝子球が、剥きだしの白い果肉のように身をすくめて立つ
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
希望を与えてくれるかのような温かい湯が胸のうちに広がっていく
笹沢 左保 / 終りなき鬼気 amazon
銀を流すような鉦(かね)の音が、四辺(あたり)に澄みわたる
内田 百けん / 冥途 amazon
赤いネオンが金魚のようにゆらめく
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
橋が巨鯨の白骨のような姿
岡本 かの子 / 岡本かの子 amazon
古風な煉瓦塀が刑務所のように広い敷地にめぐらされる
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
黒い旗が闇の中で、大きな蝙蝠(こうもり)のように羽ばたく
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
夜露に光を奪われた灯が、染みのようにぽつぽつと闇の中に浮いている
内田百けん / 烏「冥途」に収録 amazon
木立の中のオレンジ色の灯りが、人の吐く息の湿り気がゆらめき上がっているようににじむ
干刈 あがた / ウホッホ探険隊 amazon
蛇腹のように伸びた階段
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
汗みどろになったあとのシャワーのおいしさは、格別だ。水を全身でむさぼり食う感じだ。
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
からだにまとわりつく魚の匂いを落とすようにシャワーを浴びる
向田 邦子 / 思い出トランプ amazon
大きな水車がしぶきの息を吹き、しずくの汗をたらして、がらがらがらと恐ろしくまわる
中 勘助 / 銀の匙 amazon
セメントの床が、乾ききった砂地のように白々とざらつく
日野 啓三 / 抱擁 amazon
ごとごとごとごと、というあの老犬の咳みたいなエレベーターの震える音
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
閉じていく(エレベーター)のドアはまるでカメラのシャッターだ。姿が視界から消えても、安藤の脳裏には女のポートレートが鮮明に残った。@略@全体像が克明に記憶されてしまった。彼女の肖像は、いつまでたってもぼやけそうにない。
鈴木 光司 / らせん amazon
煙は風にちぎれて綿ぼこりのようになって空に吸われていた。
水上 勉 / フライパンの歌 (1962年) amazon
黄色い煙(砲煙)が綿のようにわきおこって
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
けしかけるような風は、汚い煙突の煙を、みるみる白濛々の世界へ、襤褸屑(ぼろくず)をちぎって擲(たた)きつけるように飛ばして行った。
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
遠い煙突の黒煙が、しずかに絶え間なく、町の人々をおびやかすように流れた。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
図書館の煉瓦壁にも、半透明な霧の膜がからみつき、よく発達した黴に似ている。
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
破れた太鼓を敲くような侘しい音を立てて、雨が天幕の上に落ちて来る。
火野 葦平 / 麦と兵隊「土と兵隊・麦と兵隊 (新潮文庫)」に収録 amazon
町のあかりであかるくなった夜空が燃えるよう
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
赤い煙るような門燈の光り
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
暗い石崖が、襤褸(ぼろ)を積み重ねたように見える。
林 芙美子 / 骨「新潮日本文学 22 林芙美子集 放浪記・稲妻・浮雲・風琴と魚の町・清貧の書・泣虫小僧・牡蠣・晩菊・骨・下町」に収録 amazon
石壁が屏風のようにめぐって
中 勘助 / 銀の匙 amazon
切紙細工のような都会の夜景
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
灯入り模型都市のような遠景
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
垣根の蔭には白や碧(みどり)の粉のような草花が光っていた。
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
高台に立つ宝生邸からは蝋燭を並べたような国立の夜景が一望できる。
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
監視カメラが彼女の姿をとらえていることを知っていたから、青豆(人名)はファッションモデルのように背筋を伸ばし、顎を引いてまっすぐ小径を歩いた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
ミサイルがトビウオの群れのように大陸間を盛大に飛び交い、
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
長距離砲のような格好をしたずんぐりと巨大な煙突
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
煙突の林が夜の闇の中にそびえ、まるで蛇が長い舌を突き出すように赤く火を吐いていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
手のひらには、いつもと同じ何本かの深いしわが刻まれているだけだ。それは水銀灯の奥行きのない光の下では、火星の表面に残された水路のあとのように見える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
水銀灯の光が(夜の)小さな児童公園の風景を青白く照らし出している。その風景は青豆に夜の水族館の無人の通路を連想させる。目に見えない架空の魚たちが樹木のあいだを音もなく泳いでいる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
暗い臓物のように宙に垂れ下がった電線
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
黒々とした太い電線が空中で蛇のように絡み合い、変圧器が据えられているだけだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
世界の終わりを何度となく照らしてきたような水銀灯がひとつ
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
高熱炉の潜水艦のハッチのような重い蓋
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
蛇口は人差し指くらいの細さしかない。その先端はなにかを排泄しようとしてそのまま止まってしまったかのようにふたつ段々がついている。その先から透明なものが、緩やかに、緩やかに現れる。まわりの景色がその表面に映っている。洗面台が、白い壁が、麻理子の顔が、その中に閉じ込められている。それは見つめているとどんどん膨らんでゆく。そして品がないくらいまで大きくなると、一瞬涙の形を浮かべ、そしてぴたんと落ちる。
また一滴垂れる。その瞬間には次の粒が蛇口から顔を出し始める。まったく同じことを繰り返してゆく。徐々に大きくなってゆき、その表面を震わせ、線香花火の玉のようにぴたん落ちる。次が蛇口から現れる。わずかに付着していただけのちっぽけな水は、やがて仲間を吸収し、ぷくりと垂れ下がり、蛇口の先端から離れて離れてとうとう千切れる。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
エレベーターの速度はひどく遅かった。焦らすかのようにゆっくりと、底が抜けるかのようにぐらぐらと揺れながら、動いた。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
巨大な蕨さながらの背高の街灯
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
ビルから明かりが消えると、建物全体が瞼を閉じるかのように感じられた。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
街灯が点くのは、星がひとつ増えるようなものだし、花が一輪咲くようなものだから。
サン=テグジュペリ / 星の王子さま amazon
長いあいだ動かなかった風見鶏が、風を受けてきしむときのような音
サン=テグジュペリ / 星の王子さま amazon
不機嫌に世界を拒絶する壁のように見える。
中村文則 / 教団X amazon
「二時間?」僕は思わず、大きな声を出してしまった。噴水がそれに合わせて、水を噴き出した。驚いた、とばかりに、ぱしゃー、と飛び、そして、いやそれほどでもないか、と我に返るように止まった。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
風呂桶を長くしたような煙突
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
石段の石の色が、こまかく灰が降ったように見えるのは、木かげを洩れる弱日(よろび)の色だ。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
風呂からあがりたてで、桜ん坊のように赤くなった礼子
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
黒い旗片(はたびら)は闇の中で、大きな蝙蝠のように羽ばたいた。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
銀いろの煙突は買ひ立ての呼子のやうに光つてゐた。
丸谷 才一 / 横しぐれ amazon
縁側は乾拭きして、古いなりに鏡のように光っている。
芝木 好子 / 隅田川暮色 amazon
小さい鼻の上のロイド眼鏡が正札をつけたように、逞しく見えた。
林 芙美子 / 市立女学校「風琴と魚の町」に収録 amazon
明るく点(とも)して泊る艦隊の灯が水平線に横たわる星河のように望まれた。
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
遠く上野の電気燈が鬼火のように見えているばかりだ。
広津 柳浪 / 今戸心中 amazon
晴々しい黄昏で、点きはじめた町の灯が水で濯(すす)いだように鮮かであった。
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
神経のような扁平な鉄管
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
遠くの電灯が白金のように白く光った。
川端 康成 / 童謡 amazon
流弾が時折り蚊のような音を立てて頭上を通り過ぎる。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
春の明るい外光を反射して、相生橋が銀蛇のように光る
獅子 文六 / てんやわんや amazon
地下室のような風呂場
川崎 長太郎 / 伊豆の街道 amazon
エレヴェーターは落ちて行く。@略@隕石のように、落ちて行く。
福永 武彦 / 飛ぶ男「廃市/飛ぶ男 (新潮文庫 草 115-3)」に収録 amazon
瓦斯(がす)の反射で、鏡のように光る廊下
小杉 天外 / 初すがた amazon
星くずのような遠い灯がかすかにまたたいている。
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
大筒の音は雷のように鳴りわたり
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
鍵の抜けたピアノのようながらんとした車庫の中
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
蛇口から出る水の音が、小さな滝のようにきこえた。
島尾 敏雄 / 死の棘 amazon
小屋がけの見世物やの灯が、ほおずきみたよに見えましてなァ
宇野 千代 / おはん amazon
笛のような音を立てて流弾が飛んで来る。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
パラソルを杖のように地面に立てたまま
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
高射砲が花火の炸裂するような音を立て
福永 武彦 / 草の花 amazon
森の梢(こずえ)には巨人が帽を脱いで首を出したように赤煉瓦(あかれんが)の煙筒が見えて
白柳 秀湖 / 駅夫日記 amazon
海峡の砲台は七つの頭をもった神話の怪物のように、斬っても斬っても新しい頭をもちあげてくる
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
砲弾は繻子(しゅす)の帯でもしごくような、しゅるしゅるという音を立て、黄塵を捲き
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
人魂のように街の灯が、港の水に映っていた。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
一発の砲弾がちょうど、終止符のように、はっきりと哨舎の天窓を破る音が聞えた。
長谷川 四郎 / 鶴 amazon
硝子に雨の雫を伝わらしている街燈の灯はまるで暗い人生の隅っこに泣きそべっている二人の影のように見えていた。
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
崖下の町の灯がいさり火のようにきらきら光っていた
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
噴水の水は花火の様であった。
内田 百けん / 東京日記 他六篇 amazon
地面に這いつくばるように立っている沼田の小さい家は、黄色く灯をともしていた。
吉行 淳之介 / 闇のなかの祝祭 amazon
歯を立てた櫛(くし)のような、墓標のような、杙(くい)の列
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
看板の上の五燭の電燈がまるで、一つ目小僧のようで
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
夜はおびただしいネオン・サインが、紺飛白(こんがすり)のように、暗い空に光っている。
林 芙美子 / めし amazon
城壁からは花火のように赤い曳光(えいこう)弾が音もなく飛んで来る。
火野 葦平 / 麦と兵隊 amazon
石碑を大きくして立てたような四角な煙突
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
国技館の丸屋根の灯は、王冠のように美しかった。
平林 たい子 / 桜「平林たい子全集 2」に収録 amazon
小さく太った狸のような大隊砲
野間 宏 / 真空地帯 amazon
包装された大小のシチムパイプが蛇の群れのように這い伝わっていた。
宮地 嘉六 / 煤煙の臭い「宮地嘉六著作集〈第1巻〉 (1984年)」に収録 amazon
夜になると、灯が簪(かんざし)のようにキラキラして綺麗であった。
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
砲台は丘上に王冠型に築造されたもので@略@上からみると、全体が睡蓮の花を思いださせた。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
帆柱のように林立する煙突
久保田 万太郎 / 春泥 amazon
白熱瓦斯の下に、真白に塗り立てた娘が、石膏の化物のように坐っていた
夏目 漱石 / 三四郎 amazon
人家の灯火は雨に流れて、色硝子を砕いたような、光った水溜りの中へ、二人は膝をついた。
林 芙美子 / 軍歌「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
りっぱな、虹のようにきれいな橋です。
壺井 栄 / 二十四の瞳 amazon
サノさんのメガネを牛乳ビンの底みたいだとミノがいうと、牛乳ビンじゃあまりにも平凡だといって笑い、じゃあコーラのビンだといって笑い
富岡 多恵子 / ワンダーランド「富岡多恵子集〈3〉小説(2)」に収録 amazon
断ち切れた水道管が、蛇のように鎌首をもたげていて
田村 泰次郎 / 肉体の門 amazon
昔々を呼び醒ますような鐘の響き
石川 達三 / 日蔭の村 amazon
砲列の中央に、首の短い胸の太い怪物のようにうずくまっているのは、八十ポンドの臼砲である。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
広大な敷地を見下してぜんまいのように曲った背の高い水銀灯が何本も立ち並び、不自然なほど白い光を隅々にまで投げかけていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
銀色の針金が顔に絡みついたような眼鏡
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
木立の中のオレンジ色の灯かりが、人のはく息の湿り気がゆらめき上がっているように滲む
干刈あがた / 月曜日の兄弟たち「干刈あがたの世界〈2〉ウホッホ探険隊」に収録 amazon
七時半には近くの教会がやけっぱちみたいに鐘をぐわんぐわんと打ち鳴らすので、嫌でも目が覚める
村上春樹 / 遠い太鼓 amazon
ネオンが巨大な宝石のよう
深沢七郎 / 東京のプリンスたち amazon
遥か向こうの港を隔てて山腹に銅色の光が塊り、その下に米軍の石油タンクの赤い灯が点っている
井上光晴 / 地の群れ amazon
宝石箱の中身をばら撒いたような街の灯り
志茂田景樹 / 月光の大死角 amazon
街の灯が、赤いインクでもこぼしたように、点々と滲んで見える
石坂洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
蒸し暑さに電灯に灯まで汗をかいたように濡れて見える
連城三紀彦 / 紅き唇 amazon
夜霞に光を奪われた明かりが、シミのようにぽつんぽつんと闇の中に浮いている
内田百閒 / 烏「冥途」に収録 amazon
その他の風景を表す比喩表現
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