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怒りの比喩を使った文章の一覧(297件)
冷たい言葉が針の雨のように胸を突き刺す
萩原 葉子 / 蕁麻の家 amazon
まわりがしんとなってしまうような荒々しい言い方
内海 隆一郎 / 人びとの情景 amazon
いまわしい言葉がロケット弾のように胸をつらぬく
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
指先に細い棘でもあるようにいらいらする
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
心のいらだちが魔女鍋みたいにぐつぐつ煮えかえる
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
解けないクロスワードを相手にしているかのようにいらいらする
山田 詠美 / ハーレムワールド amazon
いたずらに歯を噛み鳴らすような苛酷な苛立ち
外村 繁 / 筏 amazon
細かい霧のように、かすかな焦燥が漂う
柴田 翔 / されどわれらが日々― amazon
母の一語一語が、私の気持ちに棘を植えていく
高井 有一 / 高井有一集 (1972年) amazon
短い、赤い無数の血管がすけていた。赤い、小さな蛆虫の群のようだ。
大庭 みな子 / 幽霊達の復活祭 amazon
口振りに棘が埋まっている
黒井 千次 / 群棲 amazon
更衣室を覗かれた少年のように、かすかに顔を赤らめる
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
腹立ちが冷たい錘(おもり)をつける
野上 弥生子 / 真知子 (1966年) amazon
衿首のあたりの毛を立てた、怒ったときの猫そっくりの顔
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
顔が般若面のように鋭くとがる
高橋 和巳 / 捨子物語 amazon
吊りあがった両の目が血走って、玩具屋で買ってきた狐のお面のような顔に見える
井伏 鱒二 / 遥拝隊長・本日休診 amazon
顔が燃えるように血の色をのぼせている
池波 正太郎 / 剣客商売 amazon
頬の血色がよくて、痣(あざ)と見違えるほどに赤い
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
ざまあ見ろというように、小づらにくい顔をして遠くから見る
野間 宏 / 真空地帯 amazon
隠れていた凶暴なものが表に出て来たように形相が一変する
藤沢 周平 / 三屋清左衛門残日録 amazon
喧嘩っぱやい雄鶏のように相手に咬みつく
レイモンド チャンドラー / 湖中の女 amazon
言葉の一つ一つに水晶の珠を截(き)るようなきびしさがある
永井 路子 / 朱なる十字架 amazon
心に釘を打ちこむような痛みを与える言葉
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
軽蔑の視線が執念深い鏃(やじり)を無数に突き刺す
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
白い皮膚の下に薄い紫の血管が、大理石の斑紋を想わせるように、ほんのり透いて見える凄艶(せいえん)さ
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
まるきり喧嘩腰かと思われるくらいぶっきらぼうな言葉づかい
井伏 鱒二 / 山椒魚 amazon
硝煙と血潮の中で兵隊を叱咤する鬼将軍のような声
椎名 麟三 / 深夜の酒宴・美しい女 amazon
言葉が胸に手裏剣のように飛んでくる
三浦 哲郎 / 素顔 amazon
とほうもない重さと固さを持つ鉄槌となって、言葉が脳天をぶちのめす
西木 正明 / 『幸福』行最終列車 amazon
憎悪が蛇の舌のようにちろちろこもった言葉
黒岩 重吾 / 背徳のメス amazon
殺意が朝の海風のように胸を吹き抜ける
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
殺意を財布のように胸のポケットに隠す
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
血塗られた刀を下げた素浪人に思わせるほどの殺気走った表情
高橋 三千綱 / 涙 amazon
陰鬱な地獄の火のように輝いている眼の険しさ
久米 正雄 / 学生時代 amazon
言葉の調子が、槍の穂先のような鋭さで胸許を深く突き刺して来る
井上 靖 / 風林火山 amazon
旱天(かんてん)に喘ぐ魚のように、彼は怒鳴った。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
悪戯を見つけられた少女のように、顔を赧くしながら
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
話すに連れて、老婦人の顔が特殊な赤銅色の輝きを帯びていくのを青豆は目にした。それに連れていつもの温厚で上品な印象は薄れ、どこかに消えていった。そこには単なる怒りや嫌悪感を超えた何かがうかがえた。それはおそらく精神のいちばん深いところにある、硬く小さく、そして名前を持たない核のようなものだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
途端、直にさびしさに触れた。その清水のような新鮮な冷たさに身震いがした。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
二十歳の自分の苛立たしさ、標本に針で止められた昆虫のあがきに似ている
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
目が殺気立っていて、そのくせネズミみたいな臆病な光をこもらせていた。
古井 由吉 / 弟「古井由吉自撰作品 2 水/櫛の火 (古井由吉自撰作品【全8巻】)」に収録 amazon
血走った燃えるような巨きい眼
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
とげとげしい言葉を吐き続け、時として悪鬼のように振舞った。
伊藤 整 / 氾濫 amazon
犬の遠吠えのような、黄色い号令演習の声が聞こえてくる。
阿川 弘之 / 雲の墓標 amazon
白い肌は、しっとりと蒼白く冴えて、糸のような青い血脈を浮かせ
大原 富枝 / 婉という女 amazon
すべてを忘れて怒りの青白い光に全身を染めたその様子
吉本 ばなな / TUGUMI amazon
荒々しいものが、疾風のように私の心を満たした。
梅崎 春生 / 桜島 amazon
気の短い父が癇癪をおこして噛みつくようにいう。
中 勘助 / 銀の匙 amazon
焼けぼっくいのようにたやすく赤面した。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
先方の言うことは燕のように早口で、こまかいことまでは通弁にもよく分らない。
島崎 藤村 / 夜明け前(全) amazon
礫のようにそこを目懸けて飛んで行った。
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
普段は温厚な上司だが、いったん怒ると、その「雷鳴」は建物中で聞こえないところはない
赤川 次郎 / 三毛猫ホームズの推理 (角川文庫 amazon
鷹のような据わった眼差し
筒井 康隆 / 夢の木坂分岐点 amazon
鳥のように見ひらいた眼
野上 彌生子 / 哀しき少年「野上彌生子全小説 〈8〉 哀しき少年 明月」に収録 amazon
谷から吹き上げて来る野分(のわき)のように、襲って来たものは怒りでした。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
今までの積み重なッた不平不愉快が一時に爆発し、洪河の決潰する勢いをもって暗雲に純之助に喰ってかかった。
内田 魯庵 / くれの廿八日「くれの廿八日 他一篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
叩き落された熊蜂の巣みたいに、かっとなって憤(おこ)った!
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
不純な呼びかけを霧のような静けさで黙殺した。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
内臓の壁が慄(ふる)えるような烈しい怒りに駆られた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
少女は銀目の猫のように碧い眼をみはって
森田 たま / もめん随筆 amazon
骨を刺すような非寛容な瞳
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
心の中であり余った力が、外にハミ出したような激怒
菊池 寛 / 忠直卿行状記 amazon
怒りは激しい波のように彼の全身に拡がって行った。
伊藤 整 / 馬喰の果て (1954年) amazon
噛みつくように、病父が怒鳴った。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
そんなにやきもきするのは、波にほえる犬のようなものだ
山本 有三 / 波 amazon
あたかも遠方からこそぐる真似をされたように、思い切っては笑うこともできず、泣くこともできず
二葉亭 四迷 / 浮雲 amazon
彼は睨み殺しでもしそうな眼つきで船長を見据えていた。それは、まるで燃える火の塊のように見えた。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
受附のテエブルの塵(ちり)をはたき出すように怒鳴りつけた。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
火のような息づかいをしながら怒鳴った。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
咽喉から渦捲く煙のように洩れて出るその憤りの声
夏目 漱石 / 道草 amazon
綿ぼこりのように散りかかった卑穢(ひわい)な文句
石川 淳 / 普賢 amazon
怒ったような破(わ)れ鐘のような声を出して怒鳴る。
島木 健作 / 癩 amazon
揮発油(きはつゆ)でも燃えてるような純真な気持のいい憤り
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
中学生が次第に激してくるのが私にわかった。それは、はりつめられた糸が、今にもポツンと音をたててきれてしまいそうな感じであった。
田宮 虎彦 / 絵本 (1954年) amazon
泥土(どろ)を投げつけられるような誹笑(そしり)を受けた
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
金属を擦り合せるような声で怒鳴った。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
頭の上から、ハンマーででも打ち下したように怒鳴りつけた。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
肚(はら)の底を揺がす鋭い号令に、電波に触れたように、三四郎は池から陸の上へ飛び上った。
富田 常雄 / 姿三四郎 上巻 amazon
講堂がわれるような大きな号令
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
大理石の彫像の足元を蝕(むしば)み出したしみのように、初めは曇りに似て、やがては石の影とも違いはっきりと眼に映るしみのように拡がる焦だちと、おびえ
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
鳶のような凄い眼つき
火野 葦平 / 糞尿譚 amazon
兎のように赤い眼の玉
武田 麟太郎 / 日本三文オペラ「日本三文オペラ―他八篇 (1955年) (河出文庫)」に収録 amazon
痩せた腕に、里い血管が縄のようによじれて膨れ上がっている
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
いまいましさが、水のように園子の胸にながれこむ
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
誹笑(そしり)の声が錐(きり)のようにみのるの燃える感情を突き刺していた。
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
爆発したように怒鳴った。
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
腹の真中で太い太い血管が蛇のようにのたうっている
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
青すじまでが、みみずのように。
郡 虎彦 / 道成寺(一幕劇) amazon
破れるように大きく眼を瞠(みは)った。
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
「この島に足りないものは何だ」と言ってきたのだ。錆びたナイフで、無理やり突いてくる印象がある。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
忘れ去られた黒子のごとく
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
害虫でも見るような目で僕を睨んだ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
怒りが、尽きぬ泉のように湧き上がり
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
野良犬のように怒鳴り合いながらけんかする
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
ギシギシという音がして、@略@どこか床が腐っているのかと思ったら、それは泰山の歯ぎしりの音なのであった。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
声はしかし、マグニチュード8の地震の最中に呟かれたように怒りで震えている。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
怒りの焰(ほむら)が灯った。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
癇癪玉と化した追村が、悠木のせいであるかのように怒鳴った。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
目元で癇癪玉を破裂させている
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
鎧に切りつける思いで口にした
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
火を噴きそうな顔つき
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
顔は猿のように赤かった
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
完璧、無視する。実際、網戸の隙間から蚊が入ってきたほどにも感じなかったのだ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
ガチガチに緊張する博士に視線を送るその眼差しは、さしずめマングースを睨むハブ、そして鍋を頰張る際にのぞく舌はエモノを狙うカメレオンを連想させ
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
ぼっちゃんが赤い子鬼のような顔をして
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
車のギアが上がるように、どんどん口が滑らかになってくる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
早口で、質問の矢によって、二十年以上付き合いのある友人を刺そうとしているかのよう
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
昨日嫁入りした人のように赤くなる
川端康成 / 掌の小説 amazon
自分の欲求を完成できない赤ん坊のように苛立ちながら
阿部公房 / 他人の顔 amazon
熟した柿のように張り切って血色のいい顔を、興奮にますます赤くする
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
炭火のようにいらだって
倉橋由美子 / 蠍たち
内臓を内側から噛まれるようないらだち
高橋和巳 / 悲の器 amazon
逃げた飼い犬を見るような眼付
夏目漱石 / 行人 amazon
火のような激しい怒り
嘉村礒多 / 業苦
その他の感情を表す比喩表現
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