秋の表現・描写・類語

稲田が秋風に吹かれてさらさら動く声に、耳傾けては胸を轟かせた

都会の花瓶にも可憐なコスモスがほころびる頃

小気味よく晴れ上がった秋の一日

秋風が木の葉をさわさわ揺さぶっているのを耳にひやりと聞く

冷たい初秋の風が頬に快い

夕方の淡く滲むような秋の長い日差し

残暑が遠のくと、季節は露骨なほど秋らしい顔を見せる

何もかもがすきとおってしまいそうなほどの十一月の静かな日曜日

晩秋の宵闇が、深く水色となって四周をつめたく冷やす

葉の裏にそれとなく漂っている冷気が季節の秋を吐き出している

温かいものが恋しい季節になってきた

セーターを着ると新しい季節のにおいがした

秋の終りの黄色く乾燥した野と、色ガラスのような張りつめた青い空

冬がすぐそこまできているというのに、ただゆっくり道を歩いているだけで汗ばんでくるような小春日和

薔薇色の交った緑色のリボンの様な長い（麦の）葉

季節と季節を繋ぐ糸は断ち切れても、なお一筋二筋、かすかに秋を繋ぎ止めているとでもいうような鳴き声で蟋蟀（こおろぎ）が聞える。

秋の深まりも頂点を極めようとする頃

足もとの芝は春までの束の間の死への予感に充ちていた。

台風の多い秋

秋の日足の短さ

プラットフォームを吹く風には既に秋の終りを思わせる冷ややかさがあった。

いつ来たのだろう、夏との袂別（べいべつ）をいつしたとも見えないのに秋をひそかに巴里は迎えいれて、むしろ人達を惑（まど）わせる。

（秋のパリ）何か腹掛（はらが）けのようなものを胸に当てたアイスクリーム屋のイタリー人が、いつか焼栗（やきぐり）売りに変（かわ）っている。

素袷（すあわせ）の肌ごこちや、女あそびを思わせる初秋の風

外の道を、秋風が、さあっと、木の葉を掃いて行った。

秋刀魚（さんま）を焼く匂いは季節の呼び声だ。

秋になりました。私の唇も冷たく凍ってゆきます。あなたとお別れしてから……。

下界は地とすれすれに、もやが立ちこめて秋ふけた感じだ。

九月も終りに近づいた頃だった。その日は朝から晩まで雨が降りつづいていた。その季節によく降るような細くてやわらかで単調な雨だった。そんな雨が地表に焼きついた夏の記憶を少しずつ洗い流していくのだ。全ての記憶は溝を伝って下水道や川へと流れこみ、暗く深い海へと運ばれていく。

風があまり冷たくなく、一年中、こんな気候だったらいいのにというような陽気だった。

風に吹かれて私は秋だわ、と思った。

町が華やいで見えるのは、きっとオンコの実が色づいたせいだ。街路樹の赤で、見違えるように通りが明るい。

十月も中旬を過ぎると、秋は一気に深まっていく。暑さなどどこにも残らなくなって、冬服でも肌寒い。