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待つの表現・描写・類語
「一日中家の中にいて電話を待ってなきゃいけないなんて本当に嫌よね。一人きりでいるとね、体が少しずつ腐っていくような気がするのよ。だんだん腐ってきて溶けて最後には緑色のとろっとした液体だけになってね、地底に吸い込まれていくの。そしてあとには服だけが残るの。そんな気がするわね、一日中じっと待っていると」
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
(座って待つ)床はぴかぴかに磨き上げられてた。僕は待っているあいだずっとその床にうつった自分の靴を眺めていた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
頭の足りない犬のように、じっと坐って夫を待っている妻
大庭 みな子 / がらくた博物館 amazon
とにかく待つしかない麦の芽のように、なんの感情もなく、ただ待ちつづけた
安部 公房 / 他人の顔 amazon
「バーゲンの時って店がもう一杯でしょ。だから、彼女が服を選んでいる間、少し離れたところで彼氏たちが待ってるの。そのね、途方に暮れたような、飼い主を待つ犬のような姿がね、もう可哀想で可哀想で」
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
腐熟した柿の自然に落ちるのを待つように武田軍の内部崩壊の進行を気長に待ちつづけた。
司馬 遼太郎 / 国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 amazon
何かを待っている時はたいてい、微かな恐れと不安で胸がきしむ。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
雛鳥のように待ってる
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
テストの結果を待つ子供のように、祐一は美保が食べるのを待っている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
右の手をポッケットに突っ込んで、靴 の爪先 で待ちどおしそうに敷き石をたたいていた
有島武郎 / 或る女(前編) 青空文庫
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