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海の表現・描写・類語

潮のにおいが緑色のともし火のよう

川端康成 / 掌の小説　amazon

目が痛くなるほど鮮やかな空と海

海が油を流したように穏やか

晴れ渡った明るい海が、死をかくまっている単調な幕のようにだらりとしている

横光利一 / 春は馬車に乗って　amazon

海原が青くゆったりとふくらんでいる

洪波洋々と広がる海

久間十義 / ヤポニカ・タペストリー　amazon

たったいま地上に誕生したかのようにみずみずしくきらびやかに躍動する海

宮尾登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃　amazon

海は何処までも青く、磨きたてた青銅の鏡の色をしている

潮の流れが大河のようにのんびり移動している

海は空の色を映して深く沈み、大きくうねりながら、波頭を白くきらめかせている

白ペンキで雑に塗りつけたような小さな雲

椎名誠 / 犬の系譜　amazon

千丈の甍の傾きかかったような海

前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録　amazon

（窓の海が）あんまりできすぎてて、風呂屋のペンキ絵みたい

森敦 / 鴎「月山・鳥海山 (文春文庫も 2-1)」に収録　amazon

運河のような狭隘（きょうあい）な海

三島由紀夫 / 金閣寺　amazon

上を歩いてでも渡れそうに思わせた海の匂い

竹西寛子 / 猫車「兵隊宿 (講談社文芸文庫)」に収録　amazon

大西洋という巨大な水たまり

村上春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録　amazon

曇った空と同じ色の雨が、これもやはり曇った空と同じ色の海に、時々和（なご）やかな円るい波紋を落していた。

小林多喜二 / 蟹工船　青空文庫関連カテ雨

遠い水は瑠璃色（るりいろ）にのして、表面はにこ毛が密生しているように白っぽくさえ見える。

岡本かの子 / 河明り　青空文庫関連カテ水面・海面海が光る・海面の照り

白い雲がある時は海も白く光って見えた。

梶井基次郎 / 城のある町にて　青空文庫関連カテ雲

（ほとんど何もない海）布哇（ハワイ）が見える。印度（インド）洋が見える。月光に洗われたベンガル湾が見える。現在眼の前の海なんてものはそれに比べたらラフな素材にしか過ぎない。

梶井基次郎 / 海　断片　青空文庫関連カテシンプル・簡素・飾り気のない

（明るい海）未（いま）だかつて疲労にも憂愁にも汚されたことのない純粋に明色の海

梶井基次郎 / 海　断片　青空文庫関連カテその他の明るさ（光の強さ）

男らしい海

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫

鉛色によどんだ小さな渦巻が幾つか海のあなたに一ツ一ツ消えて行って

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫

渚（なぎさ）には蒼く染ったような雨が煙っていた。しっとりとした朝である。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫関連カテ雨

赤い吃水線（きっすいせん）の見える船が、沖にいくつも碇泊（ていはく）していた。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫関連カテ船・ボート

陸の果てには海がある。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫

海水は汚れてどろどろ、葬式の匂いがする。

林芙美子 / 新版　放浪記　青空文庫

ドームのように広い空、海。

吉本ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ空・青空広さ

（海の底に）幾千、幾万もの黒いナマコが静かに横たわっている。寄り添うものあり、ねじ曲がるものあり、まるで不思議な植物のようにそこに息づいている。

吉本ばなな「アムリタ（下） (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテナマコ水中・海底

前を向いても上を見上げても、高層ビルのせいで空が小さく見えるニューヨークでの生活に倦んでいる洋子には、海上に広がる空の単純な大きさが、爽快に感じられた。

平野啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ海岸・砂浜・波打ち際

遠浅の、どこまでも澄みわたった美しい珊瑚礁の海

小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録　amazon関連カテ海岸・砂浜・波打ち際

長いビーチが無防備にその美しい砂の色をさらけだし、海は遠くへ消え入るように連なっている。

よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録　amazon関連カテ海岸・砂浜・波打ち際南の島

（雲の影）きらきらと光る雲が青い空に美しい模様を描き

よしもとばなな / 波 ──あとがきとして「まぼろしハワイ」に収録　amazon関連カテ雲水面・海面

燃えたぎる太陽がジュッと音でも立てそうにして金色の海に落ちると黄昏は沖のほうから暮れ始め、やがて空と海とが一色の黒い夜を迎える。

阿刀田高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ日の入り・日没

丘陵が割れて急に豊満な海が紺碧の色を眼前に広げた。

阿刀田高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ見晴らしがいい

くるしいほど碧く光り、時には陰鬱に黝くろずんだ海

遠藤周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録　amazon

飛魚の群れが銀色に光りながら波間をはねる

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ魚（風景）

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